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日本株:TOPIXが小幅続伸、海外勢買いで保険高い−米金利に警戒 (ブルームバーグ)
3月10日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場はTOPIXが小幅ながら続伸した。朝方は下げて始まったが、徐々に戻して節目の1200ポイント台を維持して引けた。海外投資家を中心とした日本株に対する根強い買い意欲が相場を支え、米ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げた三井住友海上火災保険が急伸するなど、損保株が上昇。銀行や証券、食品、海運などの内需株のほか、原油高を受けて石油関連株の上げも目立った。
一方、日経平均株価は下げ幅を縮小したものの、小幅安のまま午前の取引を終え、節目の1万2000円を目前にした上値の重さを投資家に意識させた。午後2時に機械受注の発表を控えるほか、あす11日にかけて株価指数先物の特別清算値(SQ)算出、米半導体最大手インテルの業績見通し会見も予定され、持ち高を一方向に傾けにくい状況もあったようだ。
電機や自動車など輸出関連株に下げる銘柄が多く、前日の米国長期金利の急上昇や原油高など、海外でのインフレ進行懸念が投資家心理にマイナスに作用したこともうかがわせた。
TOPIXの午前終値は前日比1.03ポイント(0.1%)高の1201.66。日経平均株価は16円47銭(0.1%)安の1万1950円22銭、東証1部の売買高は概算で9億3172万株。
モルガン・スタンレー証券の神山直樹ストラテジストは「休んでもいい局面だが、押し目を待つ投資家が多いということ。米国景気の回復確度が高まり、日本株も鉱工業生産などマクロ経済指標に反応してきた。どのセクターが良い、悪いということでなく、何となく上がったために過熱感もなく、買うチャンスがなかった投資家も多い」と受け止めていた。
また神山氏は、米国の金利状況について「短期金利は金融当局が慎重に対応しており、利上げでスピード違反することはなかろう。一方、米景気への不透明感が債券への投資魅力を残してきたが、長期金利でその巻き戻しが起こっており、これは普通のことだ。ただ気掛かりなのは、経常赤字など米国の構造問題に再び視点が向いている点」と指摘する。
米国でインフレ警戒指標
前日の米国債券市場では、10年債利回りが前日比13ベーシスポイント上げ(価格は下落)、7カ月ぶりの高水準となる4.52%に到達。原油価格が一時、昨年10月に記録した史上最高値に並ぶなど、商品市況の上昇を受けて、インフレ加速への警戒感が先行した。この影響で、米国株式相場はダウ工業株30種平均など主要株価3指数がそろって下げた。
一方、日本銀行から朝方発表された2月の国内企業物価指数も、前年同月比1.3%上昇、前月比では0.2%の上昇となった。ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関を対象に行った事前予測のまとめでは、前年同月比で1.1%上昇、前月比では横ばいが見込まれていたため、小幅ながら予想以上の物価上昇が確認された。
こうした影響に加え、前日にTOPIXが終値ベースで昨年4月以来の1200ポイント回復となっていた反動もあり、朝方の日本株も輸出株中心に売られ、下落して取引を開始。ただその後は、徐々に持ち直す展開となった。
外部環境が不安定な中でも、朝方の外資系証券経由の注文状況は差し引き1200万株を超す買い越しと観測されていたほか、財務省から公表された「対外対内証券売買契約等の状況」でも、前週1週間に海外投資家は日本株を3459億円買い越したことが判明。期末を控えた国内機関投資家などの売りを、海外勢を中心とした根強い買いが吸収する動きが続いている。
金融や食品、資源株高い
ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げた三井住友海上火災保険が大幅高となり、ミレアホールディングス、損害保険ジャパンといった保険株が総じて上昇。前日の売買高が1年半ぶりの高水準に達し、半年ぶりに1500円台を回復した野村ホールディングスも続伸。2100億円の増資に踏み切る三井住友フィナンシャルグループなど、銀行株も堅調に推移した。
損保株には、株価や騰落率の出遅れ再評価した海外投資家からの買いが観測されていた。TOPIXが終値で直近高安を付けた2月23日から前日までの東証業種別33指数の騰落状況を見ると、保険株は2.7%高にとどまり、金融株の中では最も上昇率が低かった。
太平洋海運や商船三井など海運株も上昇し、原油高が利益上乗せにつながるとの期待で、新日本石油や昭和シェル石油、新日鉱ホールディングスなど資源株も高い。楽天が国内信販を買収するとの観測が広がり、ノンバンク業界の再編期待から、オリエントコーポレーションも買われた。 JTなどの食品株、住友金属工業などの鉄鋼株も小高く、配当取りの動きが活発化している東亜道路工業も上げ幅を拡大した。
輸出や双日Hが安い
一方、ソニーや東京エレクトロン、ファナック、コニカミノルタ、シャープなどの電機株、トヨタ自動車や日産自動車などの自動車株、富士写真フイルム、信越化学工業などの化学株といった輸出関連株が下落。銅価格の上昇などを受けて急上昇していた住友金属鉱山も小幅に下げた。
商品取引での160億円の損失を発表した双日ホールディングスは急落、東証1部の下落率上位に並んだ。ドン・キホーテも小幅安。公正取引委員会が前日、独占禁止法違反で違反行為をやめるように排除勧告を行っており、今後の業績への悪影響が警戒された。 ソフトバンクやヤフーも小安く、米J.P.モルガンが所有する株式の売却懸念が強い日産ディーゼル工業は続落。大成建設も売りが先行した。
[ 2005年3月10日11時38分 ]
http://news.www.infoseek.co.jp/market/story.html?q=10bloombergaDR1VnA638Vk&cat=10