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市場の【視点】円高、低金利、鉄鋼株の活況、M&A―バブル前に酷似 (ブルームバーグ)
2005年3月8日(火)15時14分
3月8日(ブルームバーグ):日経平均株価は1988年3月以来、17年ぶ
りの9連騰を目前にストップした。ただ、最近の日本株市場では、1980年代後
半と酷似した事例を示すケースが非常に増えている。円高、低金利、鉄鋼株の
活況、そして企業の合併・買収(M&A)ブーム――。いったいこれは何を暗
示しているのだろうか。
80年代最後の日、日経平均は史上最高値の3万8915円を付けた。これに
対し、現在の水準は当時のおよそ3割。しかし、株式市場での投資対象となる
企業の営業キャッシュフローは80年代後半の2倍以上に達する50兆円を上回
る。水準の低さに対する見直しの動き、企業内や市場であふれる豊富な資金が、
歴史的な相場を演出しているようだ。
こう着は嵐の前の予感
前週3日まで、日経平均の取引時間中の高安値幅は14営業日連続で100
円未満となったが、これは86年1月から2月にかけて記録した27日連続以来
のこと。当時の日経平均は前年春から1万2000円台でのボックス相場が続き、
2月以降に徐々に上昇ピッチを早めると、8月21には1万8996円を付けた。
日経平均の86年の年間上昇率(終値ベース)は43.9%。この上昇率は、直近
では最大となったIT(情報技術)バブル全盛の99年の36.8%でも及ばない。
ワールド日栄フロンティア証券の中尾征雄専務は「最近のこう着相場は86
年と似ており、日本銀行の金融調節スタンスや企業のキャッシュフローが潤沢
である点まで同じだ。86年は3月から一気に上昇しており、値動き幅の小ささ
は嵐の前の静けさ」との認識を示している。
今月1日と2日の両日、東証1部の売買高は2営業日連続で20億株の大
台を超えた。売買が膨らみやすい株価指数先物の特別清算値(SQ)算出日な
どを除くと、昨年4月に3日連続で記録して以来のことだ。20億株超えの連続
記録をさかのぼると、これも88年10月にたどり着く。
インターネット取引の発達で、個人の回転売買が活発化したという側面は
あるが、市場参加者の株式投資意欲が「失われた10年」の後遺症からようや
く立ち直り、4年間で日経平均が約3倍になったバブル相場時に戻りつつある
事例とも受け取れる。
80年代後半の出来事
日本株市場がいま繰り返す80年代後半に、いったい何が起こっていたの
か――。
日経平均がこの日、9連騰を達成した場合に記録に並ぶことになる88年
は、マル優制度の原則廃止、JR各社の発足、リクルート事件の発覚、イラ
ン・イラク戦争の停戦、ソウル五輪、ブッシュ父の米大統領選挙勝利などがあ
った。
株式市場に関連する出来事では、日経平均とTOPIXの先物取引が開始
され、金融面では6月に国際決済銀行(BIS)がインフレ懸念を表明した年
次報告を発表し、これと前後して、欧米各国は利上げ政策に転換した。米国は
同年8月、公定歩合を6%から6.5%に引き上げている。
ただ日本は、前年のブラックマンデーの懸念が残っていた影響もあり、公
定歩合の引き上げが翌89年5月まで遅れたため、その後のバブル経済助長に
つながったと見られている。
一方、派手な連騰記録に対し、こう着という地味な記録で並んだ86年は、
円高や低金利、鉄鋼株の活況という点で、現在の相場と類似する。当時は、前
年9月のプラザ合意を受け、ドル・円相場は年初の1ドル=200円付近から、
8月には152円まで円高が進行。これを阻止するため、日本銀行は公定歩合を
段階的に引き下げた。
また、日本が世界最大の債権国になったことから、国際金融センター構想
がウォーターフロント計画につながり、鉄鋼や造船、倉庫、不動産など土地保
有関連銘柄が上昇傾向を強めた経緯がある。
ただ、当時と現在で異なる点は、原油価格の動向。86年は、石油輸出国機
構(OPEC)が前年末に増産を決議し、WTI(ウエスト・テキサス・イン
ターミディエート)原油先物価格は3月末の10ドル台ばまで、わずか4カ月
間で3分の1になった。
M&Aブームも初期
ニッポン放送株式をめぐる買収合戦や、2006年施行を目指した商法改正の
動きなどを背景に、市場関係者の視線を集めるM&A(企業の合併・買収)。
M&Aブームが最初に日本で起こったのは80年代後半だった。
80年代半ばにレーガン政権が独占禁止法の運用緩和を実施し、米国で大型
M&Aが活発化した影響を受けたもようだが、大和総研の調べによると、89年
の日本におけるM&A件数は約600件と、前年の200件程度から大きく増えた。
米国の企業買収家、ブーン・ピケンズ氏が、トヨタ自動車グループの自動車部
品メーカー、小糸製作所に買収を仕掛けたのも89年だ。
当時、ピケンズ氏が小糸製側に主張したのは、経営者側の株主軽視の姿勢
で、持ち株の少ないトヨタが小糸製を実質的に支配している状況を批判。株主
への配当増額などを求めた。こうした点は、ニッポン放問題や米投資ファンド、
スティールパートナーズが03年末に仕掛けたソトー、ユシロ化学など敵対的
TOB(株式公開買い付け)に絡んで浮上した視点と重なる部分が多い。
今回のニッポン放問題について、市場では若い経営者が先頭になって行動
するライブドアに対し、「昔から続く放送業界は、保守的な印象」(ウツミ屋
証券・藤田勝義取締役)と、世代間ギャップを指摘する声が聞かれた。80年代
後半は、若手ファンドマネジャーが活躍して相場を形成し、「新人類相場」と
呼ばれたころで、再びいま、若い世代が株式市場を揺るがそうとしていること
とは、妙な因縁である。
奇妙なじり高の影に構造改革
メリルリンチ日本証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、景気や株
式市場を取り巻く環境に不透明感を残しつつ、記録ラッシュの中での連騰が続
いていることについて、「奇妙なじり高」と評す。こうした背景には、日本の
構造的な変化があり、1つの材料として、菊地氏は「日本は2007年の団塊世
代の大量退職に向けて、人手不足時代を迎えると予想される」ことを挙げる。
1日に発表された日本の失業率は4.5%と、前月比横ばいながら、ピーク
からは1%低下した。これに対し、労働市場の改革が遅れるドイツは12%台で
高止まりし、同日明らかになった2月の独雇用統計によると、失業者数は前月
比16万1000人増えて、第2次世界大戦後の最悪水準に達した。
こうした状況でも、独株式市場のDAX指数は3月に入ってから連日、約
2年8カ月ぶりの高値水準を更新しており、日経平均は昨年4月26日の高値
1万2163円(終値ベース)を抜けきれずにいる。
海外勢からすれば「日本は在庫調整が進展し、生産活動にも回復の兆しが
見られる。日本の構造改革の成果や景気回復の兆しは、もっと再評価されるべ
き」(菊地氏)と判断しているとみられ、それが今年2月まで、9カ月連続で
日本株を買い越した状況につながったと言えそうだ。
1989年3月末時点の海外投資家による日本株の保有比率は4.3%(全国上
場会社、時価総額ベース)だったが、現在は20%を大きく超す。20年近く前
の状況と酷似する日本株相場も、企業や市場を取り巻く構造的な環境は大きく
変化しており、引き続き海外勢の日本株に対する投資姿勢が、相場の方向性を
決定付けるカギを握る。
★これまでに送信した市場の【視点】シリーズは以下の通り {NSN ICESA007NBB5 記事についての記者への問い合わせ先:
「月間平均での当座残高維持を―日銀もその場しのぎ回避」(2月17日、
船曳三郎記者) {NSN IC1HM80YHQ0X
「榊原、佐々木の両氏は100円割れ、藤巻氏140円―円相場」(2月18日、
進藤一州記者) {NSN IC31UF07SXKX
「マイナス金利縮小で日銀苦悩―米長期金利の謎で余波」(2月24日、船
曳三郎記者)
「親子上場は現代版の錬金術、ライブが突く日本型の終焉」(2月25日、
院去信太郎記者) {NSN ICG02U07NBB5
「福井ショックに立ち直れず、長期金利は1.6%視野に動く」(3月2日、山
中英典記者) {NSN ICPFTI07NBB5
「だぶつく政府の“無駄ガネ”、日銀調節を妨げる主役に」(3月3日、船
曳三郎記者) {NSN ICRGJK1A74E9
東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo sinkyo@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:
開米 潤 jkaimai@bloomberg.net
BEN RICHARDOSON brichardson8@bloomberg.net
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