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(回答先: ウォール街のユダヤ大王様、あなたがこれからでっち上げる極東有事 (richardkoshimizu) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 09 日 00:23:33)
グリーンスパン発言「謎」が呼ぶナゾ
2005年3月7日
http://money.msn.co.jp/investor/column/columncon.asp?nt=8&ac=fp2005030715&cc=21
まだまだ景気の先行きに不透明感が残る金融市場、洞察力するどいグリーンスパン議長の発言が謎を呼んでいます。このまま株式・金利が上昇を続けるか、もうしばらく様子見が必要か?
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■ 金融市場は「景気の再拡大」の可能性を見始めた?
ここ数週間の金融市場は、株高・金利上昇、為替は方向感なしという状況で、ひとことでいえば「景気の再拡大」の可能性を意識した展開です。経済統計は一進一退かつ強弱まちまちで、はたして景気がこのままピークアウトしていくのか、あるいは再加速するのかはまだまだ不透明ですが、足元の雰囲気は「景気の再拡大」派が優勢なようです。ただ、あくまでも「雰囲気」ですので、このまま株式・金利が上昇を続けるか否かはまだ何ともいえません。もうしばらく証拠集めの時間が必要です。
■ 市場のプロの話題の中心はグリーンスパンの「謎」
そんななか、市場参加者の間で話題の中心になっているのが、このところ議会証言等でコメントを頻繁に行っているグリーンスパンFOMC議長の発言です。少々古い話になりますが2月17日の議会証言の中で彼は、長期金利が現在の状況下でこれだけ低いのは「謎(Conundrum)」だと発言しました。このConundrumという単語は英語圏の人にとっても難しい言葉のようで(筆者は初めて知りました)、その耳珍しさもあって、市場参加者の間ではこれが話題になっています。
筆者も含めた市場参加者のグリーンスパンに対するイメージは「私たちがまだ気づいてもいないことをいち早く理解し、遠まわしな言い方でヒントをくれる」人です。今回の「謎だ」という発言をそのまま額面どおりにはとれないと筆者は見ていますが、この発言後の「謎解き」は非常に活発に行われています。
■ 長期金利は人工的に低くなっているの?
現在「謎解き」は活発に行われていますが、今のところ大勢を占めるのは、「グリーンスパンは現在の長期金利は低すぎると見ており、もっと上昇してほしいと思っている」という見方です。グリーンスパン議長は昨年の6月以降既に1.5%も利上げをしてきたのに長期金利はかえって低下しているため、個人も企業も長期借り入れのコストが全然上がらないことから相変わらず住宅ローンや設備資金の借り入れを積極的に行ってしまっている。まったくもって利上げが金融引締めになっていないことに不満を募らせている・・・という意見です。
このように考える人は、では長期金利が何で上がらないかというと、経済環境とはまったく関係なく債券を買う人がいるためだと考えているようです。「米国の年金制度が(日本同様に)破綻しかかっているため、超長期債券に対する需要が高まっているからだ(筆者注:この因果関係は複雑ですから、分からなくても深く考えないように・・・)」とか「海外投資家、とくにアジアの中央銀行が米国債の買いの中心になっているが、それは固定相場を維持するため人工的にドル買いを行っているからだ」等と思っているようです。
■ 長期的なインフレ率の低位安定の可能性
しかしながら筆者はそのような見方には反対です。そもそも金融市場は非常に懐の深い海のようなものですので、そのような「人工的なもの」が中長期的な方向性を左右するようなことはないといっていいからです。例えば、今から2年ほど前、日本の株式市場では「これから厚生年金基金の代行返上売りが活発化するので、日本株はしばらく上昇しない」等と言われていましたが、その後日経平均株価は当時の7千円台から1万2千円まで上昇しました。市場を動かすのはあくまでも経済環境そのものでしかないのです。
筆者の見方は「長期的にインフレ率が低位安定することを織り込んでいるから、長期金利は低いままだ」というものです。もうひとついえば、「年金の破綻」や「アジアの中央銀行のドル買い」も「人工的なもの」なのではなく、これらも「長期的なインフレ率の低位安定」に貢献するものだと考えています。
■ 「先進国の少子高齢化」と「アジアの発展」
現在、年金制度の破綻は日本だけではなく、米国も含めたほとんどの国でみられる現象になっています(米国政府は、ブッシュ大統領の再選の所信表明演説でもふれたように、2042年に公的年金制度が現行の制度のままでいけば破綻することを公式に認めています)。そしてこれらは全て「少子高齢化」が原因となっています。
「アジアのドル買い」はその対極です。現在、経済・人口が最も成長しているのはアジアです。そのアジア人の労働コストは先進国の数分の一なのですから、当然、「安いアジア人の労働を先進国が買う」という図式になります。先進国はたいていその労働力の対価として「ドル」を支払いますが、アジアの国々ではドルをそのまま使うことはできません。また自国で必要なお金は自国だけで稼げているため、とりあえずはドルを自国通貨に変える必要もありません。そのため、「米国」という「銀行」に「ドル預金」の形で置いているだけなのです。
この「少子高齢化」と「安いアジアの労働力」という二つの現象はどこからどうみても「インフレ的」ではなく、むしろ「デフレ的」ですらあります。これが低金利の「謎」に対する答えなのだと筆者は考えています。
■ 米国当局の「インフレ・ターゲット」志向も
もうひとつ重要なのは、米国当局に「インフレで財政赤字や年金破綻を解決する」といった動きが見られないことです。日本でも一時期このような議論がはやりましたが、米国の政権内は現在のところ「インフレ率の長期にわたる低位安定がもっとも望ましい」という意見、つまり「インフレ・ターゲット」政策に対する志向が大勢を占めています。
日本では「インフレ・ターゲット」はあたかも「インフレを高めて財政赤字を吹き飛ばす政策」のように誤解されていますが、本来の意味はまったく違います。この点については今後、ふれていきたいと思います。
グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿
提供:株式会社FP総研
http://money.msn.co.jp/investor/column/columncon.asp?nt=8&ac=fp2005030715&cc=21