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「坑内労働」 山の神許す?「女人解禁」 労基法見直し検討
「女人禁制」となっている鉱山やトンネル、地下鉄工事などの「坑内労働」について、国は規制を大幅に見直す方向で検討に入った。すでに労働基準法の改正を視野に入れた検討作業が始まっている。「坑内」は女性の労働が法律によって唯一、一律に禁じられている場所。「女性が入ると山の神が怒る」といった迷信もあり、議論の過程でさまざまな意見が出そうだ。
検討作業は、日本経団連や東京都が昨年、規制改革を取りまとめる内閣府に要望をしたことを受けて始まった。厚生労働省内に専門家の検討会合が設けられた。夏には報告がまとめられ、労働政策審議会で法改正の議論が始まる予定だ。
女性の坑内労働は、昭和二十二年に労働基準法に規定された。坑内の労働環境が過酷だったことが背景となった。
その後、医療や研究・取材目的に限り女性の入坑を認める改正がされたが、現在も肉体労働はもちろん、現場監督や責任者としても女性の入坑は認められていない。
工事関係者の間に「女性が入ると、同じ女である山の神が嫉妬(しっと)して、落盤事故などが起きる」といった迷信・縁起担ぎがあることも、女人禁制が長く続いてきた一因のようだ。
見直しを求めた日本経団連は、「技術の進歩に伴い、現場での安全・環境は格段に改善が図られており、坑内労働にのみ性別による制限があるのは男女雇用機会均等法の精神に反する」としている。土木・技術など工事に関連する職だけで六百人近い女性職員が社会進出している東京都では、地下鉄や下水坑工事現場での人のやり繰りに苦慮する場面もあるという。
専門家会合は、医学、工学、法学などの専門家で構成され、坑内労働の作業形態や女性の健康などに与える影響を科学的な面から議論している。
トンネルと鉱山の労働環境の違いや、女性の労働を全面解禁するか、あるいは監督業務など肉体労働を伴わない労働に限るかが今後の論点となりそう。現時点で、迷信について検討の対象とする予定はないという。
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《坑内労働》 労基法で女性の労働を禁じている「坑内」とは、一般的にトンネルや地下鉄、炭坑、鉱山、下水坑など「地表に出ない部分の工事現場」を指す。すでに工事が終わり安全衛生が保証され、一般の人が通行可能な場所、例えば完成したトンネルや地下鉄は除外される。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/06pol002.htm