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(回答先: ソフトバンク:「ネット中継」視聴12万件 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 02 日 05:29:55)
堀江氏『本業は市場の評価低い』
ニッポン放送の価値は
「ニッポン放送の会社としての価値のほとんどは(同社が持っている)フジテレビジョン株が大半を占めている」。ライブドアの堀江貴文社長がまたほえた。買収をかけているニッポン放送の企業価値は、持っている株などで、本業のラジオ事業ではないと同放送の経営陣を批判した。いわば「持ち株会社」の部分だけ評価された格好だが、ラジオ局として同放送の「企業価値」とは−。
堀江氏は先月二十七日に出演したテレビ番組で、持論を展開した。ニッポン放送の株式数に株価をかけた時価総額が、フジテレビ株など保有する有価証券や現金などの資産額と、あまり変わらないことを指摘。市場から見ると企業価値のほとんどは、こうした資産が占め、ラジオ事業は「これまでフジサンケイグループにいても伸びていない」と経営陣を批判して「(ライブドアの方が)企業価値を高められる」と述べた。
さらに堀江氏は「買収した会社でもリストラってほとんどしない」としながらも、給与条件などを変える可能性も示唆するなど、“挑発的”な発言を繰り返した。
UFJつばさ証券投資情報部の折見世記チーフストラテジストは、この発言をこう解説する。「ニッポン放送の時価総額は、先月二十八日の同社株の終値で計算すれば約二千二百億円で、そのうちフジテレビ株が約千三百億円分を占める。(残りが同社の本業に対する市場の評価で)堀江氏発言は、ニッポン放送の企業の本業としての価値は、市場から評価されていないという意味だろう。市場からすれば、堀江氏の発言は、あながち間違いではない」
もっとも折見氏は、企業の価値の計り方について、「市場が見た投資尺度とは別に、企業文化論的な、会社がどう環境に配慮しているかとか、どう社会に貢献しているか、という見方も重要。米国型の株式市場主義と、欧州型の雇用者を大事にしたり、社会貢献したりして利益のリターンをとるやり方と、どっちが株主のためになるのかは、議論がある」と話す。
実は本業は悪くない。民間信用情報機関のデータでは、ニッポン放送の昨年三月期の売上高は約三百八億円で、業種別売上高ランキングは百二十四社中、堂々の一位という優良企業だ。同期の有価証券報告書によれば、従業員約二百五十人(平均三九・四歳)で、平均年収は約千百六十四万円にもなる。
番組人気はどうか。ビデオリサーチによると、最新の昨年十二月時点の聴取率は、関東地区でTBSラジオが1・5%とトップ、二位にニッポン放送の1・2%、三位はNHK第一の0・9%だった。同調査は二カ月ごとでTBSラジオに三年半前からトップこそ明け渡したが、それ以前は「おおむね二十年はニッポン放送がトップを独走」(TBSラジオ)するなど「聞かれる」局でもある。
同社総務部は、堀江氏の今回の発言について、同社によるフジテレビへの新株予約権の発行をめぐって、ライブドアが発行差し止めを求める仮処分申請を行っていることや、今後予想される裁判への影響を踏まえ、「コメントは控えたい」とする。
■数字で表せぬ“文化”がある
だが、同社関係者からは、こんな声が聞こえてくる。「経済的な分析の仕方はいろいろある。確かに利益を上げなければいけないが、株主ばかりを見ているわけではなく、ラジオのリスナーや出演者の方も見なければいけない」
ニッポン放送には、一九六七年放送開始の深夜の人気番組「オールナイト・ニッポン」をはじめ、長寿人気番組がある。亀渕昭信社長自身もパーソナリティー出身だし、糸居五郎氏などの名物DJも輩出、有名タレント起用による番組づくりなどでファンも多い。
「『いいとこ取り』と皮肉る向きもあったが、ニッポン放送はこれからはやりそうなタレントを見つけるのも上手だったし、何でもおもしろければOKという番組づくりが徹底していた。ニュースよりエンターテインメントという点でもフジテレビとよく似ている」と話すのは、『吉田照美のてるてるワイド』などパーソナリティーを務め人気を博す司会者の吉田照美氏だ。
■最後の“護送船団”を挑発
吉田氏は「『オールナイト・ニッポン』は若者の文化の一翼を担ったという意味では一種のシンボルで、しゃべり手としては一つのステータスだった」と振り返る。元文化放送のアナウンサーでタレントの梶原しげる氏も「文化放送は組合が強くどちらかというと、競争しない家族的な感じの職場だったが、ニッポン放送は競争心が旺盛で、成果に対する評価もシビアで、米国的な会社。むしろ、堀江氏が理想としている会社に近いのでは」とニッポン放送の社風を指摘する。
メディア問題に詳しいジャーナリストで法政大学非常勤講師の小田桐誠氏は「ラジオは放送免許で守られた最後の“護送船団”といわれる。既存勢力対新興勢力の争いになりつつある中で、インパクトのあることをするなら、という中での発言と思う」とした上で、同社の本業の価値をこう指摘する。
「『オールナイト・ニッポン』などの番組をはじめ、戦後のラジオを引っ張ってきた存在だ。社風も社員は組織を超えて横のつながりも取れており、自由闊達(かったつ)さがある。マス媒体として、ラジオ広告がネット広告に抜かれる中にあっても、同社は業績、実績ともにリーダー格。リスナーの支持も高い」
一方、堀江氏が二十七日、ラジオ番組で表明した買収後のネットとラジオの融合構想について、梶原氏は「ネット上に番組をたくさんつくり、人気投票でランキングをつけて、ネットでのアクセス数が多い番組だけを従来のラジオで放送、(地上波は)入れ替え制にするというプランのようだが、ラジオ番組を大切にしそのよさをよく知っている五、六十代の層に支持されるだろうか。この年代はネットで番組を見るとも思えないし、第一アクセスする人は少ないんじゃないか」と疑問視する。
■株購入は価値『認めた』から
堀江氏が主張する双方向番組についても「十年前にやっていた番組でも、現場に無線車を走らせ、電話やファクスも使って聴取者と一体となった番組づくりをしてきた」と話す。
ニッポン放送で番組を持つテレビプロデューサーのテリー伊藤氏は「彼はニッポン放送に価値があることを知っていたから、株を買ったのであって、価値がないとは思っていない。宝がたくさん埋まっており、自分が参加することによって本当に相乗効果を狙っているのでは」と推測する。
前出の小田桐氏は「ラジオとネットというのは親和性があるといわれ、その意味では価値を上げることはできるかもしれない」とする一方でこう指摘する。「ラジオ各局は昨年、ラジオ広告の価値を高めるための団体を設立したが、そこでもニッポン放送は業界を引っ張ってきた。収益を上げるということでは、ニッポン放送も手をこまねいていたわけではない」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050302/mng_____tokuho__001.shtml