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■待ったなし、金融業界 ペイオフ来月全面解禁
1千万円を超える預金の全額保護措置が原則としてなくなる「ペイオフ全面解禁」が1カ月後に迫った。4月1日以降は、金融機関が破綻(はたん)した場合、普通預金でも1千万円超は全額は保護されない。金融不安が渦巻いた数年前と比べ金融機関の経営は安定、預金者の心配も広がっていない。ただ、4月以降も全額保護対象となる「決済用預金」を導入したり、小規模な農協などが規模拡大や相互支援で信用力を高めたり、大詰めの準備が進んでいる。
●口座の「名寄せ」大詰め
金融界は、全額保護される無利子の決済用預金の導入や、複数の口座を持つ人の預金総額を把握する「名寄せ」作業に追われている。
金融庁が全国625の金融機関を対象にした調査では、今年1月時点で決済用預金を導入した金融機関は75%。「検討中または準備中」と合わせると97・3%に達した。すでに決済用預金を導入した大手銀行では「大きな資金の移動はないものの、マンション管理組合の資金など一定の利用がある」との声が目立つ。
一方、「名寄せ」は、金融庁が各金融機関の進捗(しんちょく)状況をチェックする検査がほぼ一巡し、指摘を受けた金融機関が口座管理の精度を高める作業を進めている。
ペイオフに関する預金者からの問い合わせに答えるための想定問答集を作成した地方銀行もある。
金融機関の信用維持では、金融機関に予防的に公的資金を注入する金融機能強化法(公的資金新法)に加え、全国信用協同組合連合会(全信組連)が不振の信用組合に資本注入する制度など、業界の自主的な取り組みもある。
金融システム不安の後退もあり、今のところ「混乱なく全面解禁を迎えられそうだ」(日本銀行幹部)との見方が一般的だ。日銀の量的緩和策が金融機関の資金繰り不安を後退させている面もある。ただ、通常の金融政策に戻った時、金融機関によって資金調達力に差が出ることを懸念する声もある。
●農漁協、信用強化策急ぐ
銀行に比べて経営規模が小さい農協と漁協が信用を高めるための取り組みを急いでいる。
農協グループは90年代半ばに住宅金融専門会社への巨額の融資が焦げ付いた「住専問題」の反省もあり、統合による規模拡大で体力を強化してきた。金融事業を手がける「総合農協」は90年には3600以上あったが、現在は900を割る。
02年からは自主ルールを定め、自己資本比率が8%以下に低下した組合は資金の運用手段を制限。配当停止や増資などの対応もしている。
統合や経営改善に資金が必要な場合は、グループ内で積み立てた約1千億円の基金から資金援助をする。すでに19件、404億円の支援を実施。農水省内では「制度も整い、農協からペイオフが出ないめどが立った」という自信も聞かれる。
一方、県レベルの信漁連を含めて約380の組合が2兆4千億円の貯金量を保有する漁協は、合計の資金量が70兆円以上の農協よりさらに小規模。しかも主要な貸出先の漁業者は不漁が続けば経営が悪化し、不良債権比率が数%単位で上昇することも珍しくない。
漁協もグループ内の支援基金を約200億円準備。さらに、自己資本比率10%以上と高いハードルを課し、達しない組合は事業譲渡などで組織を解消することにした。
関係者によると、10%割れ漁協は昨年3月末時点で20以上あったが、すでに10近く減少。4月のペイオフ解禁前までにゼロにするよう取り組んでいる。
http://www.asahi.com/paper/business.html