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米牛肉交渉、対日制裁も 議会は「タイヤ」標的案 国務長官不満表明
BSE(牛海綿状脳症)発生で停止中の米国産牛肉の輸入再開問題で、米政府が近く対日制裁も含めた対応策をとる可能性が出てきた。交渉筋が一日明らかにした。ライス国務長官が二月十九日の日米外相会談で不満を表明したほか、米議会では報復措置として貿易量が同程度のタイヤなどの輸入制限案も出ている。事態を受けて加藤良三駐米大使は帰国し、一日細田博之官房長官らと対応を協議した。安全保障では良好な日米関係に影響を及ぼしそうだ。
ライス長官は訪米した町村信孝外相との会談で、日本政府が輸入再開時期を明示しないことに不満を示し、「良好な日米関係に影を落としかねない」と指摘。内閣府の食品安全委員会などの審査を早めるよう求めた。交渉筋は米政府が直ちに制裁に踏み切る可能性は少ないとしながらも、ブッシュ大統領から小泉純一郎首相に直接輸入再開を急ぐよう要請がくる可能性があると指摘した。
この問題をめぐっては、米上院議員二十人が二月二十四日に加藤大使あてに書簡を送り、日本側の対応が遅れれば「相応の報復措置」をとるかもしれないと警告。書簡では日本向けの牛肉輸出と金額がほぼ同じ日本製品目の輸入を米側で制限する可能性を示唆した。
具体的には、タイヤなどが検討品目として挙がっているという。BSE発生前の二〇〇二年度に日本は米国から牛肉約一千億円(二十四万トン)を輸入した。米国向けに輸出されたタイヤは〇四年で約十二億ドル(約千二百億円)に上っている。
交渉筋は米議会内で対日強硬論が高まっている要因として、米国が進めている中南米諸国との自由貿易協定(FTA)締結を挙げる。中南米諸国が輸出の大半を農産物に依存しているため、「米業界団体などに協定締結を説得する材料として、日本への牛肉輸出再開が必要」(同筋)という。
細田長官は一日の記者会見で、加藤大使との協議について「(BSE問題は)日米間の大きな課題であることは事実だが、国民の安全との関係もあり、どのように解決するか考えていかなければならない」と述べた。
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≪再開 早くて夏≫
牛肉貿易の早期再開を求める米国側に対し、日本側は「科学的知見に基づいて判断する」(農林水産省)として、内閣府の食品安全委員会での審議の結果を待つ構えだ。
国内のBSE対策について農水省などは、現行の全頭検査を改め、日米協議で、二十カ月以下の牛肉に限って輸入を再開するとの方針を確認したが、この場合、米国産牛肉の二割程度にしかならず、米国側には不満が残った。そのうえ、日本国内の手続きが進展しないことから、いらだちを増す格好となっている。
同委員会は現在、国内対策の見直しを審議している最中のため、輸入再開は早くても今年夏ごろにずれ込む見通しだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/02iti001.htm