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『閉鎖』岡崎工場08年再開へ
三菱自・益子社長インタビュー
経営再建中の三菱自動車の益子修社長は二十八日、本紙のインタビューに応じ、今年十月に閉鎖を予定している岡崎工場(愛知県岡崎市)について、二〇〇八年に再稼働させる方針を明らかにした。 (経済部・斉場保伸)
今年一月発表の新再建計画によると、〇七年度の世界の販売台数は、一九九八年レベルの百五十万台が目標。国内販売も低迷を続け、〇七年度は二十七万八千台で三十万台を超えない見通し。ただ、日産自動車やプジョー・シトロエンへの相手先ブランドによる生産(OEM)供給は、年間計六万六千台の規模となる。
益子社長は「内部で定めた別の事業計画『ミニマム・コミットメント』では、もっと高い販売数値を掲げている。計画が終了する〇八年三月期には国内販売は三十万台を大きく上回っており、輸出も含めると水島製作所(岡山県倉敷市)だけでは対応できなくなるため、岡崎工場を再開する計画だ」と明言した。
岡崎工場は、昨年五月に発表した「事業再生計画」で閉鎖を決定。これにより主力生産拠点は水島と、子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)の二つとなる。
■一問一答
三菱自動車の益子修社長との一問一答は次の通り。
――再建の枠組みが一月末発表の新再建計画で三菱重工業傘下に変わったが、岡崎工場閉鎖の計画は変わらないのか。
「岡崎工場は予定通り今年十月末に閉鎖する。岡崎で生産していた乗用車は水島製作所に移管する。内部で定めた計画『ミニマム・コミットメント』が順調に進めば、水島が〇八年をめどにいっぱいになる。どこでやるか研究しているが、岡崎にはスペース的にも余地がある。新しく建てるよりはコストも低く抑えられる」
――閉鎖期間中はどうするのか。
「再開に向けて動きだす時期は〇八年よりももっと早くなるだろう。当面は試作車製造ラインとして生かす。設備がさびたりしないようにメンテナンスをしっかりしておく」
――塗装ラインについてはどうか。有機溶剤の使用を抑え、水溶性塗料を使用する構造とすることで、将来の環境規制に対応する新たな塗装工場を建設する考えは。
「岡崎工場の現在の塗装ラインをそのまま再開するのは環境面で将来的に問題があると認識しており、そこはやり直さなければならないと思う」
■もろ刃のOEM戦略
――本社の京都移転については。
「基本方針は変わらない。ただ、再生途上にあり、来年も赤字を予想する中で、タイミング、規模をよく考えないといけない。官庁との連絡もある。どちらが良いかよく考えないと…」
――日産自動車やプジョー・シトロエンへの相手先ブランドによる生産(OEM)供給が相次いで決まった。“食い合い”のリスクも伴うOEMを今後も拡大するのか。
「やみくもにOEMを増やしているわけではない。食い合いによって販売減になっても、工場の稼働率が上がるというメリットがある。その分を新車開発に充てていけば、新車投入効果で販売店にも還元でき、全体ではメリットがあると計算している。それによって市場は活性化するのではないか。今は新たなOEMの具体的な話はない」
――日産との軽自動車事業の共同出資会社設立案はどうなった。話はまだ生きているのか。
「死んではいない、というレベル。ホットな議題ではなくなった。いずれどうするか話す機会もあると思う」
ますこ・おさむ 1972年、三菱商事入社。主に自動車事業部門を歩み、2003年、執行役員。04年6月、三菱自動車常務。05年1月、社長。東京都出身。早大政経学部卒。56歳。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050301/mng_____kakushin000.shtml