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(回答先: 【買収列島、次ぎは西部だ】堤前コクド会長立件へ詰め 検察、週前半にも最終協議 (朝日新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 28 日 07:12:31)
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■生保迫られる適正化 明治安田業務停止命令を機に
保険契約高と営業職員数の推移
生命保険協会への苦情件数の推移
生命保険会社に対する契約者や監督当局の視線が厳しくなっている。顧客の苦情が相次いだ明治安田生命には、違法な営業や保険金査定を繰り返していたとして異例の業務停止命令が出された。金融庁は業界に対し、営業の適正化や査定の基準づくりを要請。生命保険協会も5月末までに自主ガイドラインを策定する方針だ。ただ不祥事の背景には「営業職員による人海戦術」といった構造的問題があり、規制強化だけでなく経営戦略そのものの見直しも必要になりそうだ。(多田敏男)
●自主規制を要請 金融庁
明治安田への行政処分は3月4日から17日までの個人保険の販売禁止。これまで生保に対する処分は業務改善命令がほとんどで、経営に大きな影響を与えかねない長期間の業務停止は見送られてきた。2週間の営業停止期間中は、全国で個人保険の販売が一切できず、その前後も販売低下は避けられない。年度末の営業強化の時期だけに業績への影響は必至だ。
この処分には業界関係者からも「ここまで厳しいとは思わなかった」(大手生保幹部)との声が漏れる。しかし、明治安田は保険金を査定する際に、病歴で重大なうそをつくなど悪質な契約者だけに適用すべき「詐欺無効」による支払い拒否を乱用していた。社内の管理体制もずさんで、査定部門の「暴走」を許した。「きわめて特異な事例」(金融庁)だ。
金融庁は明治安田の処分にとどまらず、生保協会に対しても同時に自主規制の検討を求めた。すでに、金融庁は昨年12月にまとめた金融改革プログラムの中で、利用者保護ルールの整備と徹底を柱の一つに据えており、とくに保険商品に力点を置いていた。不透明な募集が業界全体に広がっていることも背景にあるとみられる。
金融庁の要請内容は、(1)契約者から正しい告知を受けるための募集体制づくり(2)詐欺無効を適用する場合の基準の明確化(3)病歴がある人でもリスクに応じた保険料で入れる保険商品の開発――の3点。(3)は、現在主流の保険商品は過去や現在に重い病気にかかっていた人は加入できず、入りたくても入れない人がいるのが告知義務違反の背景にあるとの見方からだ。
協会は金融庁の意向に沿って、弁護士や医者ら外部の有識者を交えた検討会を開き、5月末までに自主ガイドラインを策定する。詐欺無効の適用規定を募集資料に明記することや職員の研修充実などが盛り込まれるとみられる。
●「人海戦術」脱皮が課題
生保の営業や保険金支払いを巡っては、苦情が絶えない。生保協会への苦情件数をみると、経営破綻(はたん)の影響を受けた98〜00年度が過去のピーク。その後数は減り気味だったが、03年度は再び1千件の大台を超えた。
中でも新規契約の勧誘や保険金支払いに関するものが多く、明治安田と同様の事例が含まれているとみられる。複数の大手生保幹部も「不告知の教唆など不適切な募集は、ごく一部だが自分の会社にもある」と認める。
大手生保は販売面で大量の営業職員を投入する「人海戦術」が強みだった。職員数は明治安田だけでも04年3月末で約4万人、業界全体では26万人以上に達する。法令順守の研修をしても、「全員に徹底するのは難しい」(大手生保役員)のが実情だ。
構造的な問題もある。営業職員の給与は、基本給が低く抑えられ、販売実績に応じて上がる仕組みが一般的。ノルマが課せられる場合もあり、「営業至上主義」は否めない。明治安田を例にとっても、平均給与(04年3月)は内勤職員の41万8千円に対し、営業職員は18万8千円にとどまっている。大手生保の元営業職員は「生活のためには、多少の無理をしてでも売らないといけない。顧客に病歴を黙っておくようお願いしたこともあった」と漏らす。
一方で、外資系を中心に通信販売が伸びるなど、新しい販売手法も定着し始めた。07年4月からは金融機関での窓口販売が全面解禁される見込みで、販売ルートの多様化は一層進む。営業職員のノルマ引き下げや待遇改善だけでなく、人海戦術に頼らない経営への転換が求められる。
http://www.asahi.com/paper/business.html