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【暮らしと経済】生活とマネー 納得!eマネー&ライフ
ペイオフ全面解禁近づく 決済用預金など優先的に保護
有馬啓人(マーケット)です。杉夫先輩が「四月に全面解禁のペイオフって知ってるか。おれはコノミーと勉強ずみで、対策はバッチリ」って自慢するんだ。今さら尋ねるのも恥ずかしいけど、銀行が破綻(はたん)したら、お年玉も使わずためてきた財産がどうなるか心配だ〜。
ペイオフとは、預金保険金の支払いのこと。銀行などの金融機関は、預金として預かったものはちゃんと返すという約束を果たすために、自らに保険を掛けています。つまり、金融機関が破綻して預金の払い戻しができなくなった場合、預金保険機構が、預金保険制度のもとで預金保険金を支払ったり、救済金融機関との合併などに資金を援助するなどのしくみが整っています。
この預金保険による保護の範囲は三月三十一日まで、普通預金、当座預金などは「全額保護」、定期性預金などは「一金融機関につき、一預金者あたり元本の合計千万円までとその利息」です。四月一日以降、(1)利子が付かない(2)預金者がいつでも払い戻しを請求できる(3)通常必要な決済サービスを請求できる−という三つの条件を満たす普通預金や、当座預金の決済用預金は全額保護されますが、利子付きの普通預金は定期性預金などを合算し、「元本千万円までとその利息」に限られ、預金者には厳しい内容に変わります。
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日本国内に本店のある金融機関は預金保険制度への加入が義務づけられていますが、それらの海外支店や、政府関係金融機関、外国銀行(日本国外に本店のある銀行)の在日支店は預金保険制度の加入対象にはなっていません。
さて、金融機関が破綻した場合、「名寄せ」という作業が行われます。同じ金融機関でも複数の支店に口座があると、それらの口座の金額を合計。一預金者の名義に集められるので、名義が異なる夫婦や親子は別の預金者として扱われます。そのため、本来なら親の預金を子どもや孫の名義に換えることもありますが、金額により贈与税の負担に注意が必要です。
一人が二つ以上の立場で預金している場合もあります。たとえば自分自身の預金の他に、マンション管理組合の理事長とか、町内会の会計担当としての名義のような場合、個人名義の預金とは別に計算します。結婚前の旧姓名義や、住所変更手続をしていない口座などがある場合、本人確認のための資料が必要になることも。
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保護される預金の優先順位を図で確認しましょう。まず決済用預金や、破綻時の決済機能の混乱を防ぐために新たに作られた、利子がない普通預金は全額保護。次に期日のない利子付きの普通預金、期日があっても満期の早い定期預金、さらに期日が同じなら金利が低いものという順番で優先的に保護されます。図にある概算支払い率とは、金融機関の精算後に残余財産があれば、元本千万円を超える分が戻ることもあり、その見込み率のことをいいます。
預金保険金の支払いに日数を要する場合、必要な請求手続をすれば、普通預金から一口座あたり六十万円を限度に支払いを受けられる仮払い制度も用意されています。その他に借り入れがあれば、預金と相殺もできるので、いざというときに慌てないことです。
(生活経済研究所代表 有田敬三)
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≪文籍腹に満つといえども一嚢銭(いちのうせん)に如(し)かず≫
知識だけでは腹は膨れない。実行力を伴わない知識は宝の持ち腐れである。ペイオフ対策も同じ。