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訂正:新日鉄社長:自力拡大モデル追求−国内で足場固め、生産漸増へ (ブルームバーグ)
2005年2月21日(月)19時28分
(5段落目の三菱鋼との関係の年次を「96年」から「94年」に訂正します)
【記者:藤元茂、小松哲也】
2月21日(ブルームバーグ):アジア市場の拡大に歩調を合わせる形で国
際的な再編が進む鉄鋼業界。国内最大手、新日本製鉄の三村明夫社長はこのほど、
ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、自力拡大型モデルを追求する方
針をあらためて強調した。経営手法の違いや新興国の産業政策を考慮すると大型
の合併・投資といった手段は取りにくいとみており、国内企業との部分提携およ
び財務体質の強化を進めたうえで、次の一手を探る考えだ。
ロンドンの調査会社ISSBによると、世界の鉄鋼生産ランキングの首位は
ミタル・スチールで約4880万トン、欧州アルセロールは約4280万トン、新日鉄
は3130万トンで第3位。ミタルは米ISGの買収を完了する3月末には同7000
万トンに達する見通し。
三村社長は、ミタルによる既存設備の買収・拡大戦略を歓迎・評価している
ものの「だれにでも真似できるビジネスモデルではない。新日鉄は買収による大
型化は不得意」として、大型買収の可能性を否定。同社長は取り得る手段として、
新規の製鉄所建設、増産の障害部分(ボトルネック)の解消、部分的な設備買収
といった選択肢を挙げたが、このうち高炉建設には慎重姿勢を堅持しており、現
状では「急速に5000万トンのプレーヤーになる道はおそらく取らない」との方
針を示した。
新たな鉄鋼市場としてのアジア地域の台頭に伴い、国内鉄鋼会社も中国など
への市場確保に動いている。ただかつての日本がそうであったように、新興国は、
国内企業を育成する観点から外資の進出を制限する傾向がある。三村社長も、中
国が過半数の外資シェアは認める可能性は乏しいと判断しており「平和的なやり
方で設備を取得するといった手法に頼らざるを得ない」と受けとめている。
国内企業との提携を加速−中山鋼、住金、三菱鋼
こうした現状認識に基づいて手掛けてきたのが、中山製鋼所、住友金属工業、
三菱製鋼などとの提携。中山鋼が02年7月に高炉を休止したことを受ける形で、
新日鉄はボルトや線材事業で提携。また住金とは和歌山高炉や中国事業の共同事
業化を行っているほか、三菱鋼の休止電炉の買収を決めた。住金と中山鋼とは
01年、三菱鋼とは94年の三菱製鋼・室蘭特殊鋼の操業時以来の関係。既存の遊
休設備を活用することで「コスト的に安く、能力も増えず、短期間に戦力化す
る」ことを実現し、需要の7割を占める国内市場の態勢を固める考えだ。
規模拡大に向けての態勢整備
三村社長は、規模拡大の方向性自体は否定していない。川上の鉱山業界が寡
占化されたうえに、川下の自動車業界も6グループ程度に集約。需要家のニーズ
に応えるためには「鉄鋼サイドも大きくならなければならない。新日鉄の世界シ
ェア3%は少なすぎる」とみるからだ。
その一方、日本の鉄鋼業界はつい3年前までは長期不況に苦しんできただけ
に、自動車業界などと比べると経営体力面で見劣りがするのも事実。このため同
社は低コストの投資を優先することで「財務構造の健全化と事業規模の拡大の両
立」を図り、将来に備える方針だ。三村社長は、現在では効率的な投資が一巡し、
「第2段階の設備投資案件を社内で検討している」ことを明らかにしており、同
社の次の一手が引き続き注目されそうだ。
新日鉄の株価終値は前日比1円(0.4%)安の279円。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 藤元 茂 Shigeru Fujimoto sfujimoto@bloomberg.net
小松哲也 Tetsuya Komatsu tekomatsu@bloomberg.net
東京 吉田尚史 Naofumi Yoshida nyoshida@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
阿部直哉 Naoya Abe naoyabe@bloomberg.net
シンガポール: Peter Langan at plangan@bloomberg.net.
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