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<輪廻転生>みもふたもないチベット仏教の歴史【飲茶教】
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投稿者 へなちょこ 日時 2005 年 5 月 05 日 22:55:26: Ll6.QZOjNOr.w

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<輪廻転生>みもふたもないチベット仏教の歴史【飲茶教】

輪廻転生…。生まれ変わり…。前世…。
東洋系の宗教で、よく聞く与太話だが。


それって、本当にあるのだろうか?

そもそも、キリスト教の影響が強い西洋では、
「生まれて、死んで、審判を受けて、天国か地獄へ行く」という、
「ただ一回の生」しか認めていない。

まぁ、少なくとも、どっちかがウソを言っているわけだ。
(もちろん、どっちも、自分は真理を言っていると豪語しているわけだが)

じゃあ、輪廻転生は、ウソなのだろうか?
いやいや、そう結論するのは、まだ早い。
偉大な先人達の教えは、そう簡単に切り捨てられるものじゃない。

だって、「前世の記憶を持つ転生者」 が世界中にたくさんいて、
「輪廻転生した」と証言しているではないか!
なにより、輪廻転生のたしかな証拠として、
チベット仏教の「ダライ・ラマ」がいる!

チベット……、なんて神秘的な響きだろう。
インドもそうだが、僕たちは、チベットという場所に対して、
ものすごく神秘的なイメージを持っている。

「チベット(もしくはインド)の奥地には、ストイックに真理を探究している人たちがいて、
 そこには、本当の宗教と教えがある。」

そんな憧れにも似たイメージを僕らは持っている。
(精神世界や東洋哲学にハマッているココロの弱い連中ほど、その傾向は強い。)

その、チベット仏教が「輪廻転生」があるって言っているんだよ?
他の戦争ばっかりやっている宗教や、うさんくさい新興宗教なんかが、
言っているんじゃない。

チベット仏教の悟りを開いた高僧たち……そして、その最高峰が言っているんだよ!?
「ワタシ 輪廻転生 シマシタ〜。シンジナサイ。」って。

もし、チベット仏教までも、どこぞの新興宗教と同じように、信者を騙すために、
ウソばっかり並べていたとしたら……、もう、宗教なんて信じられませんよ、ホント。

じゃあ、そのチベット仏教の歴史を追ってみましょう。

そもそも、

「民衆を救済するために、何度も生まれ変わって、世界を導いてくれる」

というダライ・ラマ制度は、
1578年、モンゴルの王族アルタン・ハンから
「ダライ・ラマ(大海上人の意)」という称号を与えられるところから始まります。

って、おい!1578年!?

歴史的に言えば、つい最近じゃねえか?
昔から、あったわけじゃないのかよ!!
・・・・・・・・
チベットでは、仏教が盛んだったが、ひとつ大きな問題があった。

そもそも、どんな宗教でもそうだが、宗教家というのは、
高いカリスマ性をもっている必要がある。
カリスマ性、指導力のない人物のもとには、人々は集まってこない。当たり前の話だ。

だから、逆にいえば、カリスマ性を持ったお坊さんがいる寺には、
たくさんの民衆が集まっていく。

だが、もちろん、そんな偉いお坊さんだって、いつかは死んでしまうのだ。

問題は「その偉いお坊さんが死んだらどうするか?」である。

そういう偉いお坊さんの後継者として、親族や弟子が引き継いだとしても、
うまいこと師匠に匹敵するようなカリスマ性や指導力を持っているとは限らない。
(というか、大抵はダメ。)

後継者がダメだと、民衆は、去っていく。
民衆の支持で、生活が成り立っている寺にとって、それは死活問題なのだ。

さてさて。
当時、チベット仏教は、4つの宗派に分かれて争っていたのだが…。
そのうちの、カギュ派(さらにそのなかの一派であるカルマ・カギュ派)が、
この問題について、うまい方法を考えた。

「あ、そうだ!じゃあ、師匠の生まれ変わりを立てればいいんじゃないの?」

と考えたのである。

そこで、いきなり、他人の家に上がりこみ
「この子こそ、ワレワレが探していた師匠の生まれ変わりです!」と持ちかける。
そりゃあもう、信仰心の厚い国柄だもの
「オラの子供が?へぇへぇ〜、もったいねぇ〜。」と言って、当然のように子供を差し出す。

そうして、何も知らない子供も教育して、師匠の生まれ変わりとして、祭り上げるのだ。

そうしたら、これが大ヒット!!

カギュ派は、大きく発展した。
これで、もう偉大な師匠が死んでも、師匠の信者をそのまま維持できるのだ。
減る心配はもうない。
さらに、「生まれ変わり」という神秘性も功を奏して、信者がどんどん
集まってきたのだ。

こうなると、当然、他の宗派は、面白くない。
そうきたら、もう手はひとつ。

「ウチの師匠は死にましたが、この子が、その生まれ変わりです」

と他の宗派も一斉にマネをし始めたのである。
こうして、チベットの歴史に、突如、
「お坊さんの輪廻転生ブーム」が巻き起こるのであった。

まったく……。

チベット仏教として、古くから、
「お坊さんが輪廻転生で生まれ変わって、民衆に道を説く」ということが
いつのまにかあった……という話であれば、まだいい。

それなら、まだ信じるに値する。

だが、歴史的に、チベット仏教をみてしまえば、
「輪廻転生による高僧の生まれ変わり」が、いかに歴史が浅く、
明らかに信者獲得のために作られた、ウソっぱちだってことが、
はっきりしてしまうのである。
・・・・・・・・

チベット仏教のある一宗派(カルマ・カギュ派)は、
「輪廻転生による生まれ変わり制度」を作ったことで、大きく発展した。
「なるほど、こりゃあ、いいや」ってことで、他の宗派もみんな真似をし始めたわけだが、
そのなかでもゲルク派という宗派は、もっとうまくやった。

強力な軍事力を誇るモンゴルの王族アルタン・ハーンに取り入ったのである。

「あなたの子孫が、モンゴルと中国を統一します。
 あのチンギス・ハンのモンゴル帝国が復興するのです!」
という予言をしたのだ。
(もちろん、ウソっぱちです。
 こんなふうに、宗教関係者は平気でウソがつけるのだ。)

とにかく、取り入ることに成功したゲルク派のエセ予言者は、
権力者から「ダライ・ラマ3世」という称号を与えられる。

そうなんす、ダライ・ラマは、いきなり「3世」から始まります。
(「1世」「2世」は、すでにお亡くなりの故人に割り当てられています)

そして、次の転生者「4世」は、あまりに露骨で酷かった。
あろうことか、アルタン・ハーンの親戚から、ダライ・ラマを選出したのである。
「偉大なるダライ・ラマの転生者は、あなたさまの親族でございます!」ってわけだ。

これには、さすがにゲルク派内部から「ちょっと、やりすぎじゃない?」と
批判が出たほどである。

しかし、まぁ、とにかく、この茶番劇により、
ゲルク派は、モンゴル軍の強力なサポートを得ることに成功する。
そして、「ダライ・ラマ5世」の時代になると、その軍事力によって、
対抗勢力をぶっつぶして、チベットの支配者となることに成功する。

1642年、ダライ・ラマ政権の誕生である。

そして、チベットの支配権を得たダライ・ラマ政権は、その威光を高めるために、
前世のスタートを観音菩薩に改め、さらに、チベットの歴史上で、偉大な人物は、
すべてダライ・ラマの前世として、前世の系譜にどんどん追加し始めた。

この威厳づけは、功を奏して、素朴なチベット人たちに、
「チベットは有史以前から、ダライ・ラマに庇護(支配)される国」
ということを植えつけることに成功している。
これで洗脳完了。素朴な民衆などチョロイものだ。
(そして、いまだに信じている人はたくさんいるし、
 そのようにダライ・ラマを紹介している本もたくさんある。)

こうして、偉大なる「5世」が、確固たる政権の地盤を築いたわけだが、
こうなると、あとは、もう堕落と衰退の一途であった。

その次の「6世」は、性格に問題があり、酒と女にうつつを抜かす放蕩者であり、
最後は、資格なしとみなされ、失脚してしまい、
別の人がダライ・ラマとして急遽立てられる(笑) という騒ぎとなった。
結局、彼は、23歳という若さで謎の死を遂げる。(暗殺説が有力)

そして…、ダライ・ラマ9世の頃になると、
この「ダライ・ラマ制度」の欠陥が、はっきりとしてくる。

そもそも。
何も知らない子供をつれてきて、「おまえはダライ・ラマの生まれ変わりだ!」
なんてやるわけだから、もちろん、そんな小さい子供が、
すぐに政治をとりしきるわけじゃない。
その子をきちんと教育して、その子が育つまでの間、国をしきる人間が必要である。

それはたいてい、その生まれ変わりの子供を見つけてきた僧が、その役を担う。

つまりは、生まれ変わりを連れてきた僧は、大きな権力を握ることができるのだ。
だから、ダライ・ラマが死んだ瞬間に、みんな、必死で生まれ変わりを探しに行く。(笑)

そして、みんな、一斉に連れてくる

「「「ダライ・ラマの生まれ変わり、みつけてきました!!」」」×5人

おいおい!どれが本物だよ!(笑)
そこでしかたなく、作法(というかルール)を決めて、選抜試験をする。
ダライ・ラマが死ぬたびに、
「第○○回、チキチキ!生まれ変わり決定バトル!!」
が開催されるのだ。

それは、クイズ形式(笑)で、「生前、使っていたものはどれでしょう〜」と
あてずっぽうにやっても、当たるような選択問題だ。
こうして最後まで残った子供が、生まれ変わりとして決定される。

そのうち、どんどん不正がはじまる。
試験問題の流出はまだいい方で、暗殺が、当たり前のように起こり始める。

実際に、9世〜12世までは、立て続けに、若いうちに死んでいる。
(このあまりに不自然な連続死は、毒殺だと考えるのが妥当だろう。)

ちなみに、「13世」は長生きした。
彼は、非常に用心深い性格だという記録が残っており、
自分の信用できる側近が毒見した食事しかとらなかったのだ。(笑)


以上のように、
歴史的にチベット仏教をながめると、西洋の貴族たちが権力闘争で行うような
ミットモナイ喜劇が、チベットの山奥でも、同様に起きていることがよくわかる。

末端の信者たちは、いまだに、ココロの底から、チベット仏教を信仰しているし、
日本人の僕らも、「チベット」と聞くと、なにやら神秘的で「本物の教えがあるところ」
という印象をうけるが、
なんのことはない、ただのフィクション、ありがちでミモフタモナイ現実があるだけだ。

(補足)
もちろん、このことを持って、「輪廻転生なんてありえない」と主張できるわけではない。
輪廻の思想自体は、もっと古くから世界中にあるし、
チベット仏教がどうだろうと、本当に輪廻転生はあるかもしれない。

ただ、言えるのは、
世間に溢れている輪廻転生の事例なんて、あまり真に受けない方がいい
ということだ。(他の宗教的な伝説や逸話なども)

真理を究めるのに血道をあげてきた宗教国家でさえ、
神秘のベールを少しめくってみれば、こんな程度なのだ。
おそらく、彼らによって、輪廻転生を証明するような、エピソードなどはいくらでも
捏造されたことだろうし、
それらのエピソードは オカルト好きのジャーナリストや学者たちによって、
さも事実のように、報道・出版されただろう。
そして、多くの人々が、そのウソをまんまと信じ込んで、利用されてきた。

それは旗から見ると、喜劇以外のなにものでもない。

(補足2)
ただし、現在のダライ・ラマ14世のことは、好きだ。
この輪廻転生システムの問題点をきちんと認識しているからだ。
チベットの文化や伝統を否定しないように気を使いながらも、
できれば、こんな非健全なシステムは無くしたいと考えているフシがある。

次の「15世」がどうなるか、今から楽しみだ。

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