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チェ・ゲバラが「市場の神」になるとき(Countercurrents.orgより)
かつてカストロの盟友だったチェ・ゲバラが、CIAに組織されたボリビア軍事政権の手にかかって殺されたのが1967年ですが、現在、ある団体が「チェ記念館」を地域振興のための観光資源として活用しようとしているようです。
米国の反体制誌Countercurrents.orgの記事からですが、長文ですので、最後の部分だけを和訳します。全文は下のUrlから入ってご覧ください。
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http://www.countercurrents.org/rawat270405.htm
When Che Became A Market God
By V.B.Rawat
27 April, 2005
Countercurrents.org
【前略、翻訳開始】
エルマはこの監視地域でのチェの不法な殺害の証人であった。軍隊がこの村を取り囲んでいた。村民の一部は軍に通じておりチェの情報を郡に流していた。彼らが捕らえられた後この学校につれてこられた。夜になって彼女は物音を聞いたが、軍の脅迫のために誰も家を出ようとしなかった。最初の5年の間は我々は彼の名前をつぶやくことすらできなかった。チェに関係するすべてのものはボリビアでは冒涜的であった。彼の死体は長い間隠され不明にさせられた。しかしボリビアの指導者たちの役割が単に非難されるべきものであったばかりではなく、実際にはこの監視地域での国際的な政治犯を殺害するという国際法違反に対して何の非難も無かったのである。彼の死体は他の3名と共にバジェグランデの空軍基地に埋められた、と言われ、それは30年後に発見された。現在、ボリビアの文化省によってチェ記念館の名前を広めようという努力が為されているのだが、この場所にはその歴史性についての看板だけがあり、世界中の様々な場所からやってきてこの場所で涙する人間たちに役立つものは何一つ無い。
あらゆる奇妙さにもかかわらず、チェは一つの市場なのだ。世界最貧国の一つであるボリビアのような国は、チェ・ツーリズムの威力を理解しなかった。今までの政府がこの伝説的な人物を無視し続けている一方で、人々はチェを崇拝してきた。この国は革命を必要としており現在の政治指導階層がそうするだけの度胸を持っていない、と彼らが考えているからである。そこでラ・イグエラの人々は10月のチェ受難の非を大きなファンファーレでもって祝う。これらの日に涙を流す我々とは異なり、この村の人々は祭りを開く。彼らは歌い踊り、彼の行った偉大な仕事のためにチェに感謝を捧げるのだ。チェはこの村にはさほどの貢献もできなかったはずだが、しかしいまチェ・ツーリズムの威力はこの村に再び活力を与えている。それぞれの家にあるチェの絵のポスターや彼に個々に関係のある場所のすべては、おそらくチェ・ツーリズムの利益について物語っている。チェの死体が検死のために運ばれたバジェグランデの病院ですら「観光名所」なのだ。人々はここにやって来てその壁にチェに対する彼らの愛を書き残す。チェは世界中の若者に大変な人気なのだ。そしてこれが彼を訪ねて彼らが群れ集まる理由なのだ。彼らはチェの書いたものや米国が監督する軍隊による彼の処刑に関するものを読んでは泣くのである。
しかし最大の皮肉は二つの形をとってやってくる。一つは信仰であり他は市場である。この二つともチェが激しく非難したものだ。チェがこの村でキリスト教の神となるようなことは、誰も考えなかっただろう。彼自身、西側の市場が彼の名前を「原住民を助けた」ということで利用するようになるだろうとは夢にも思わなかったに違いない。そう、実を言うと、ケア・ファンデーション(国際的なカトリック組織)とDFID(英国政府国際開発局)の二つが、チェがこの小さな国に観光客を引き寄せ空っぽの国庫に収入を与える威力を持っていると気付いてからは、チェ記念館の拡大を計画しているのだ。そこでこの二つの組織は現在、ラ・イグアラへのパッケージ・ツアーをスタートさせる計画を立てている。その観光収入でボリビア原住民たちのための基金を立ち上げるのに利用できるように、である。おもしろいことに、チェの肖像が十字架とともに並べられ多くの村人がチェをある種の神と感じているのを見るときに、私は、いつの日かキリスト教の復古主義者たちが彼をそのコミュニティーの「偉大な戦士」として利用するのではないか、と感じてしまう。しかし一つのことは確かである。西側世界は、チェのように、その人生が真のインターナショナリズムであり他のオサマのようなファナティックな者と一緒くたにはできない人物に対して、決してダブルスタンダードの姿勢をとることはできないのだ。しかしその市場の本性から言えば、ひょっとしたら将来、アメリカ人たちが、自分たちが爆弾で殺した貧しいアフガニスタン人のために基礎を置いたトラ・ボラなどの場所に、オサマの友人や支持者のためのパッケージ・ツアーを開始しないとは言い切れないだろう。
【翻訳終り】
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文中にある「ケア・ファンデーション(Care foundation)」についてですが、ニュージーランドに本部を置くカトリック・ケア・ファンデーションというものはあります。しかしこれはそんなに大きな国際団体とも思えません。
http://www.hn.catholic.org.nz/ccf/
ニュージーランドには他にもCare Fundationを名乗るNPO組織がありますが、これはカトリックとは関係が無いように思えます。
http://www.care.org.nz/
また米国で始まったCAREという団体もあり、内容的にはこれが一番臭いな、とは思いますが、これもカトリックとは無関係なようです。
http://www.care.org/
作者が混同しているのか、あるいは他にこの名を名乗る団体があるのか、今のところこれがどんな団体なのかよくわかりません。
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