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昭和天皇の戦争責任
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投稿者 ゴジラズワイフ 日時 2005 年 3 月 15 日 18:34:34: KlbqKLPeasbcI

 「昭和天皇の戦争責任」と、このような表題をつけると、単細胞な
人たちはすぐに「反日左翼」「東京裁判史観」を思い浮かべることと
思う。しかしこれからワイフが述べることはその期待には添えない。

 「昭和天皇の戦争責任」とは、天皇の大御宝である「民=一般国民」
を、遭わなくてもいい未曾有の戦争災害に導いた、昭和20年初頭以降
のその責任を指すのである。

 これまで人口に膾炙したところでは、昭和天皇は「2.26事件」の後、
終戦の御前会議までは自分の意見を出さなかったということであるが、
これはとんでもない大きな間違いである。

 昭和20年1月、フィリピン陥落の後、最高戦争指導会議筋から
昭和天皇へ「講和へ向けての意見具申」があった。その時に
昭和天皇は「もう一度戦果を挙げてからのほうがいいのではないか。」と、
戦争の帰趨に関わる重大な発言をしているのである。勿論、その中には
「もう一度戦果を挙げてからのほうが有利に講和ができる。」との希望は
入っていた。しかし当時の天皇は現人神でありその発言は絶対であった。
「もう一度戦果を挙げてから・・・」の言葉が、「もう一度戦果を挙げてから
でなくては講和の話は持ち出せない。」と、以後、最高戦争指導会議や
側近を呪縛したのは想像に難くない。日本各地の都市への空襲という
民間人への大虐殺に始まり、6月には住民を巻き込んだ悲劇の沖縄玉砕、
そしてそれまでの無条件降伏から有条件降伏へと日本にとって有利となっ
た7月のポツダム宣言(文中に「条件は以下の如し」とある)。本来であれば
戦況はますます不利になりながら、ドイツの無条件降伏から日本は有条件
降伏へと変わったこの時点で、ポツダム宣言を受ける土台は、軍の中では
すでに半年も前の1月に出来上がっていたのである。それを敢えて無視
(黙殺は連合国からは無視と受け止められた)させたのが、上記の
昭和天皇の言葉であった。

 昭和天皇のあの不用意な言葉さえなければ、少なくともポツダム宣言の
後の広島・長崎の原爆と、ソ連軍の侵攻による満州や樺太での民間人の
受難、シベリア抑留、中国残留婦人や残留孤児という、北方領土問題も
含めて、戦後日本を振り回しているこれらの悲劇はなかったのである。
朝鮮半島の分断も、少なくとも日本の敗戦を原因としてはなかったであろう。

 昭和天皇がこの言葉を発したのは防衛研究所にある当時の記録にも
残っているし、この時代の歴史を少し詳しく調べた者なら誰でも知っている
ことである。それなのに 終戦に至る契機でこの重要な発言を右翼も含め
てほとんどの人が知らない。そして戦後に側近が書いた
「昭和天皇独白禄」のみが錦の御旗のように戦後何十年もの間一人歩きし
ている。これには意図的なものが働いていると考えざるを得ない。

 それでは戦後60年以上も続く「意図的なもの」とは何か? それは冷戦時代
から今に至るまで日本を子飼いにしておきたい米国の意図と、昭和天皇を
ほめ殺しで発言を封じ、自己の保身を図りたかった宮内庁等の意図が、
都合よく合致したからだと思われる。

 しかし、戦後60年、この闇を切り開かなくては、新たな日本は開けない。
当時の昭和天皇の言葉にどれほどの重みがあったか実感できない人は、
今話題の堤義明氏の西武を思い浮かべればいい。戦後の自由であるべき
時代でさえ、組織人間の男性はこのように意気地がないのである。

 考えれば右翼もだらしがない。冷戦時代は暴力革命を鼓舞していた左翼に
対抗するのに街宣車も有効であったが、冷戦が終わり、左翼がうまく市民の
中に入って、草の根の運動に衣替えして以降も、相変わらず街宣車という殻
に閉じこもっている。その右翼に空しさを感じて出てきたはずの新右翼も今で
は一般の庶民から見れば似たり寄ったりの存在でしかない。「勉強会」と称して、
米国や宮内庁の意図に沿って書いているいわゆる愛国学者どもの著書を有難
がったり、講師として呼んだりなどは滑稽そのものである。自分の頭で考え、
自分で資料に当たるという姿勢に乏しい。その姿勢があれば上記の
昭和天皇の言葉は、すでに右翼の共有となっているのである。

 右翼が率先して「昭和天皇の戦争責任」に真正面から取り組めないようでは、
日本の再生は覚束ないと、東京大空襲60年を迎えて、切に感じる次第である。

            平成17年3月15日


この原稿は後日下記のワイフのホームページにアップします。
http://www3.to/gwife

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