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(回答先: 意識とは只のユーザーイリュージョン何だろうか?− インナートリガーより 投稿者 ブレイン 日時 2005 年 3 月 13 日 14:32:11)
身体運動のなかに宿る意識
http://www.gonmaru.com/www/desk.html
ソニーで四足型の「AIBO」や、二足歩行型の「QRIO」などを手がける藤田雅博氏も、QRIOの行動を見ていて、「行動と行動のあいだをつなぐときに知性を感じる」と語った。実際にQRIOと人(子ども)が遊んでいるビデオを見ると、QRIOと子どもが同じ身体運動をしているところで、意識の誕生や相互の身体的なコミュニケーションが行われているように見える。
しかしながら現時点で重要なことは、「ロボットが人の動作をまねている」のではなく、いわば「ロボットの動きを人がまねている」状態であることだ。つまり、ロボットの認識力は低く、動作は遅く、人ほどの自由度やリアルタイム性をもっているわけではない。
ロボカップの構想の発案者のひとりである大阪大学大学院教授の浅田稔氏は、「社会的コンテキストの中にあるのが意識なのかもしれない」と語った。
だが、人とロボットとのあいだでのコミュニケーションはあるが、その大半は人の側の価値であって、ロボットが意識をもっているわけではないと考えることもできる。人はロボットに意識の萌芽を見るが、ロボットは相手が意識をもっているとは感じないのではないか。
意識は幻想だったのか!?
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の川人光男氏は、脳の特徴はセルフアウェアネス(自己認識)にあり、それをどう作るのかが難しいところだと述べた。ただし、ロボットと脳を比較することで「脳や意識の定義を哲学者に頼らなくてもよいところまできている」と続けた。
1980年代に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で神経生理学を研究するベンジャミン・リベット医師は、意識は現実から0.5秒遅れてやってくることを明らかにした。また、トール・ノーレットランダーシュは『ユーザーイリュージョン』(紀伊國屋書店)で「画鋲の上に座ってしまった経験があるなら、反応に〇・五秒もかからないことはご承知のとおりだ。こういうときは、まず飛び上がり、それからようやく振り返って考える時間ができる。人は、自分が思うほど意識を使っていない。少なくとも、妙な物の上に座ってしまったときには絶対に使いはしない」といっている。
意識が、無意識や身体運動のモニタリング機能なのであるとしたら、ロボットに自己モニタリング機能をつけて、常時快適か不快かをモニタさせ続けたら、それが意識の萌芽になるのかもしれない。これはたいへん魅惑的なアイデアであり、大いに試す価値のある実験のように思われる。
自己モニタリングする機能とは、ホムンクルスを実装すること、あるいは左右の脳をわけて作ることに相当するのかもしれない。身体をもったコンピュータが、自己モニタリング機能を持つようになれば、それは人や意識にますます近づくものになるのかもしれない。
意識の宿るロボット
身体や意識をもったロボットが、可能性の示唆にとどまるのに対して、筆者自身がほしいと思っているのは、じつは身体も意識ももっていないロボットだ。岡山県立大学教授の渡辺富夫氏の作る「うなずき君」がそうである。うなずき君は、音声に反応して、うなずいてくれる。単純なこの機能が、語り手には意識を感じさせ、癒しになるような気がするのである。
あるいは電気通信大学の稲見昌彦氏が開発し、イワヤが商品化しているIPロボット電話もいい。「人型である」ことに意味があるとすれば、人型であることだけを意図したロボットで充分な気もしているのであった。
ロボットは意識を追い詰められるか
たとえばQRIOが「走る」というが、たしかに両足は地面から浮いているとはいえ、走るというのにはあまりに鈍くないか。筆者にとって不思議なのは、現実空間を我々と共有するロボットの動作が遅いということに対して、研究者が感覚的に違和感を抱いていないように見えたことであった。研究者は現在存在する技術をベースに研究を進めるのであって、はじめから未来の高度な技術を前提として研究をするわけにはいかない、ということはわかるのだけれども、現在の二足歩行ロボットに充分な意識は見出しがたい。
速度だけの問題ならば、自律動作しないワイヤードなロボットで解決する方法もある。人間とじゃんけんをして、人間がなにを出そうとするのかを行動から認識し、人間が出すよりも高速にそれに勝つ手を出して勝つという、「あと出し勝ち」ができるほどの速度を持つものもある(広島大学大学院工学研究科の高速ジェスチャーロボット)。
ただ、自律動作しないロボットに対して、人間らしさを感じられるかどうかは疑問でもある。それは単にロボットに人間がファンタジーを投影しているだけなのかもしれない。天外伺朗の別名を持つ土井利忠氏は、植物、鉱物などが意識を持つことに関しても可能性を示唆し、さらに人間の脳の特徴として、手抜き能力、シンクロニシティ、超能力などにも言及していた。
インテリジェント・ダイナミクス2004
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/idsympo2004/
ソニーコンピュータサイエンス研究所
http://www.csl.sony.co.jp/
「インテリジェント・ダイナミクス」 ロボットの知性の設計は,旧来の記号処理による人工知能では限界がある.この分野の研究者から,身体性,環境との相互作用などの重要性が指摘され,「認知発達ロボティクス」という新しいアプローチが模索されてきた.一方,脳科学などの自然科学の分野の研究者も,観察された現象を記述する現象論的アプローチの限界を超え,ロボットと実世界との相互作用を通じて知性モデルを検証する構成論的アプローチが盛んになってきている.
これらの二つの方向性をひっくるめて「インテリジェント・ダイナミクス(知性力学)」と呼ぶことを提唱する.
本シンポジウムでは,まずこの新しい学問分野で際立った業績を上げている講演者たちにより,最新の研究成果を平易に語っていただく.さらに,はたしてロボットは意識を持つ事ができるだろうか,そしてそれは人間や動物の意識とどう違うだろうかという問題を,学問と夢の双方からアプローチしていただく.
ソニー株式会社 業務執行役員上席常務 土井 利忠
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