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西原克成著「生物は重力が進化させた---実験で検証された新しい進化の法則」では、その第3章で、「遺伝に変化は次代に伝わる」を論じ、「二重の意味で愚かなワイスマンの実験」の項で、「この愚かな実験の誤りが見抜けなかったために、進化の学問は100年を棒に振った。」と嘆いている。
以下に、この項の内容を引用する。この本に出合えてよかった!
--------------------引用開始;
第1章で簡単に紹介したが、「獲得形質遺伝の法則」が成り立たないことを実験で検証し、これによってラマルクの「用不用の法則」を完全に否定したとされるのがワイスマンである
彼は、22代、1600匹におよぶネズミの尾を切り続け、これが遺伝しないことを検証した、とされる。
現在でも、このワイスマンの実験は、水戸黄門の印籠のように、ダーウィニズムを信奉する研究者の間でまかり通っている。
ワイスマンは二つの点で非常に愚かであった。
一つは、ラマルクの第二法則だけを切り離して考え、これを「獲得形質遺伝の法則」と位置づけしてしまった点である。
もう一つは、獲得形質の遺伝を否定したとされるこの実験自体が大きな誤りなのである。
第一の点についてはすでに述べたので明らかだと思う。
(引用者註;ある行動様式により獲得された形質は、
その様式が引き継がれるならば、との条件付でなら、
それは次世代に伝えられていく、こと。)
第二の点について考えてみよう。
筆者は第2章で、重力を中心とした生体力学的な対応で脊椎動物の形や器官が変ってしまうことを検証した。
体の使い方を長く一定に保っていると、徐々に骨格が変り、形も変ってくる。これをウォルフの法則という。体の使い方を変えたことによって、体内の液性の流動が変化して骨や筋肉をつくっている細胞の遺伝子の引き金が生体力学因子によって引かれ、それによって組織の作り変え(リモデリング)がおこり、変形が起こる。
このことを念頭に置けば、ネズミを尾を切ることがどういうことかよくわかる。
ネズミにとって尾がきられるということは、獲得形質でもなんでもなくて、
ただのケガである。
用不用とは何の関係もない。
いきなり降りかかってくる災難である。
局所の細胞の遺伝子が発現するひまもない、あっという間に起こる突発事故である。
つまり、そもそもネズミは、「尾が切れて短い」という形質を獲得などしていないのである
もともと獲得していないものが、次の世代に伝わるはずがない。
この愚かな
実験の誤りを見抜けなかったために、
進化の学問は100年を棒に振った。
-------------------引用終わり:
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