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NHK特番:
民衆法廷の主催者が抗議声明 NHKを批判
旧日本軍の慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱った特集番組をNHKが01年1月に放送する直前に、当時、官房副長官だった安倍晋三・自民党幹事長代理が「公正中立な立場で放送すべきだ」などとNHK幹部に指摘していた問題で、中川昭一・経済産業相もほぼ同内容の指摘をNHK幹部にしていたことが分かった。
民衆法廷を主催した市民団体「VAWW−NETジャパン」の西野瑠美子共同代表らは12日、NHKや安倍氏らにあてた抗議声明を発表後に会見し、「NHKは裁判で政治介入はないと主張し、偽証を続けていた。怒りとともに報道機関としてのNHKに大きな危機感を覚える」と話した。また、東京高裁から17日に予定されていた控訴審の結審の延期も検討しているとの連絡を受けたことを明らかにした。【NHK問題取材班】
▼中川氏のコメント 公正中立の立場で放送すべきであることを指摘したものであり、政治的圧力をかけて中止を強制したものではない。また、(NHKによる)説明の前後における番組制作の経緯については関知していない。
■「NHKは襟をただせ」田中早苗弁護士
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送番組委員会副委員長を務める田中早苗弁護士の話 民衆法廷の判決が放送されなかったのはいかにも不自然だと思っていた。NHKは「編集権」を掲げているが、問題なのは政治的な圧力があって屈したのではないかと視聴者に疑われてしまうことだ。この点は、政府と対立した場合、対決姿勢を鮮明にする英国放送協会(BBC)と大きく異なる。公共放送だからといって、政府や政治と緊張関係を持ってこなかった責任は大きい。NHKは襟をただすべきだ。
毎日新聞 2005年1月12日 21時28分
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/tv/news/20050113k0000m010108000c.html