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石油で大儲けしたサダム・フセインの手口(フォーブス2005年2月号)
http://www.gyosei.co.jp/forbes/forbes.html
The Saddam Shuffle
BY MICHAEL MAIELLO
国連の「食料のための石油プログラム」のおかげで、サダム・フセインとそれに群がった原油トレーダーらは大儲けをした。
国運が作ったプログラムでフセインは250億円稼いだ?
イラク原油の取引に絡んだ金儲けのしくみは、企業どうしか複雑に絡み合っていた。その実態は、イラクの「食料のための石油プログラム」に関した調査から少しずつ明らかになってきた。
このプログラムは、1996年に国連によって作られたもの。イラクのクエート侵攻を理由に91年に起こされた湾岸戦争は、国連多国籍軍の圧倒的な勝利に終わり、国連はイラクに対し「完全輸出入禁止」の制裁を加えたか、イラクの食料自給率か低かったため、イラク国民は困窮を極めた。そのため、「国民のための食料購入」という条件付きながら、イラク政府に対して一定量の原油輸出を認めたのだ。
これによって96〜03年の間に、イラク政府は約7兆円に及ぶ原油を販売。価格は、イラクからの原油購入をためらう相手を納得させるために、通常よりも大幅に低く設定された。
あまりにも割引幅か大きかったので、業界用語で言う「サーチャージ(追加料金)」という実質的なリベートを払っても、買い手は十分な利益を手にすることかできた。その結果、サダム・フセインに支払われたサーチャージは、なんと250億円に達したと見られる。
この取引に加わった企業の一つにロシアのアルファ・グループがある。
億万長者のミハイルーフリードマンか経営する同社は、銀行、通信、石油、商品取引といった各種企業を傘下に持つ。
ロシアの原油トレーダーが荒稼ぎ
アルファ社は、安く仕入れたイラクの原油価格を合法的なやり方でつり上げていった。それは、系列会社や仲間のトレーダー間を転売させていくという方法だ。このやり方は、内部では「ロンド」と呼ばれ、アルファ社には最終的に多額の販売利益が入るというしくみになっているうえ、金の流れも複雑で突き止めにくくなっている。さらにアルファ社は、そうして稼いだ金をジブラルタルのタックス・ヘイプン(税金・回避地)に預け、税金からも逃れていた。
問題は、こうした販売システムがいかにして可能となり、いかにしてフセインに金が還元されたかである。
フセインの石油と武器販売に関して、アメリカのCIA(中央情報局)アナリスト、チャールズ・デュルファーは、「00年12月以降、イラクから原油を購入した石油会社はすべてサーチャージをフセインに払っていた」と最近のレポートで述べている。
アルファ社もその中の一つなのだろうか。デュルファーが公にしたイラク石油省の文書によると、アルファ社の子会社は、01年5月から6か月間で200万バレル(32万kl)の原油をイラクから購入し、さらに01年12月から9か月間で900万バレル(143万kl)を購入したという。
また、アルファ社の別の子会社は、ロシア外務省のために数百万バレルの原油を購入した。
だが、アルファ社の役員に名を連ねるアレクセイ・コウスミチョフは、同社がフセインに金を渡したり、サーチャージを払うようなことはしていないと強く否定している。彼は、
ロンドによる取引についても「全く公明正大なものであり、グループ全体を潤すために行われるごく普通のやり方だ」と説明している。
石油の買い手を選ぶことができたフセイン
イラク原油の割引価格は、国連が石油業界の2つの基準から割り出したものだ。一つはアメリカ市場向けの「WTI原油価格」であり、もう一つはヨーロッパ市場向けの「ブレント原油価格」である。しかしすでに98年には、『プラッツ・オイルグラム・ニューズ』という業界紙が、イラク原油取引にリベートが絡んでいる疑いを報じていた。
同紙によると、当時イラク原油の1バレル当たりの価格は、市場価格よりも70円近く安かった。国連プログラムが実施されていた間、対ブレント原油との比較では、1バレル当たり550円も安かったという。
国連は、原油販売先の選定はフセインに任せた。これによって取引におけるフセインの立場は強くなり、すっかり売り手市場となった。そうした中、特にフセインのお気に入りだったのがロシア企業だ。デューラーによると、国連プログラムが実施されていた7年間で、イラク原油の30%がロシア企業に売られたという。
00年12月以降のアルファ社の取引の詳細は不明だが、その前の資料については、ある訴訟の中で明らかになった。例えば、00年10月8日に、アルファ社は、トルコにあるイラク所有のパイプラインから100万バレル(16万kl)を1バレル当たり25ドル(2750円)で仕入れ、今度はそれを同25.59ドルで、ジブラルタルにあるアルファ社の子会社、クラウン・トレード&ファイナンス社に売った。そしてクラウン社は、エクソン・モービル社に同27.78ドルで売り渡したのである。
この一連の取引でアルファ社は、278万ドル(3億580万円)の利益(利益幅11%)を得たことになる。
イラク原油取引も今はかつてのうまみはない
アルファ社と密接な取引関係にあると同時に、アメリカ市場への窓口役を果たしたのがベイオイル社(テキサス州)だ。同社は99年8月〜00年12月までに、アルファ社系列企業と32回にわたってイラク原油取引を行っていたほか、イラク政府からも直接原油を購入していた。
ベイオイル社は80年代のイラン・イラク戦争中には、1バレル当たり200円余りの手数料を取って、2000万バレル(318万屁)のイラク原油を、チリの武器商人カルロス・カルドエンに斡旋していたことが明らかになっている。
04年5月、ベイオイル社は『フィナンシャル・タイムズ』紙に対して、「フセイン政権との直接取引は01年以降やっていない」と語る。ベイオイル社は今でもイラク原油取引にかかわっているが、現在はエクソン・モービル社などの業界大手とともに公開市場での競争になっている。
ベイオイル社にとっては、イラクの原油取引は、昔ほどボロ儲けできるビジネスではなくなったことだけは確かだ。
イラク原油取引の流れ
ステップ1
アルファ社は、1バレル当たり25ドルという安い価格でイラク原油を仕入れる。
ステップ2
アルファ社はその原油を、子会社のクラウン・トレード&ファイナンス社に同25 ・ 59 ドルで転売。
ステップ3
クラウン社は、それをエクソン・モービル社に同28・78ドルで販売。こうして得た多額の金は、ジブラルタルのタックス・ヘイブンヘと預けられる。
「国連アナン事務総長にもイラク石油スキャンダル」
「1000億ドル使途不明、側近は行方知れず」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1037.html
イラク石油食糧プログラム不正 1億ドル、日本で回収 米公聴会
http://www.asyura2.com/0411/war63/msg/374.html
アナン国連事務総長、息子の疑惑に「残念」
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米大統領「国連、資金疑惑解消へ情報開示を」
http://www.asyura2.com/0411/war63/msg/1396.html