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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu86.htm
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中国の全人代常務委員会、反国家分裂法案を採択
中国はこの法案で平和的手段による台湾吸収を断念した
2005年1月8日 土曜日
◆中国の全人代常務委員会、反国家分裂法案を採択
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041230-00000016-reu-int
[北京 29日 ロイター] 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は、台湾の独立阻止を狙った「反国家分裂法」案を採択し、来年3月5日から開催する全人代に送付することを決めた。
国営メディアが報じた。
新華社によると、呉邦国・常務委員長は、台湾の分離独立派に対抗し、中台の平和的統一を促進するには、同法制定が「絶対に必要」と発言。台湾独立を容認しない考えを示した。
米政府は、同法案が地域の安定を脅かす恐れがある、との認識を示している。
(ロイター) - 12月30日10時49分更新
◆<中共の新台湾政策>太田述正コラム#585(2005.1.5)
http://www.ohtan.net/column/200501/20050105.html#0
◆1 始めに
先月(コラム#562)、台湾の総選挙に中共が「介入」しなかったことに注目するとともに、「中共に面子を失わせることなく政策転換を行わしめる猶予を与えたという意味では、今回の選挙結果は、巧まずして最善の結果であった、と言えるのかもしれません」と記したところですが、どうやらこの私のヨミは浅かったな、と反省しています。
どういうことかと言いますと、一昨年の暮れ(コラム#216、217)に、台湾では国民党まで実質的に台湾「独立」派になってしまった以上、「可能性は極めて低いとは思いますが、中国共産党が支那内陸部のナショナリズムのガス抜きを図るとともに、支那沿岸部の上述した精神状況の引き締めを図るためにも、(例えば金門・馬祖に侵攻するような形で)何らかの武力行使をする可能性を完全に排除することはできないと思っています」と申し上げたラ
インでついに中共が動き出した、と思えてならないのです。
とはいえ、実際に武力行使をするのではなく、その代わりに持ち出してきたのが反国家分裂法だった、というわけです。
◆2 反国家分裂法
先月の16日、11日に実施された台湾総選挙の直後に、新華社は、反国家分裂法が近々全国人民代表大会(全人大=国会)に上程される、と報道しました。
この法律の具体的な中身は明らかにされていませんが、中共当局が、この法律は香港やマカオは対象にしていないと言っていることからして、台湾「独立」を対象としたものであることは間違いなく、しかも台湾「独立」の動きを弾圧し、軍事力を行使してでもこれを阻止する、という内容であろうと噂されています。
(以上、http://www.washingtonpost.com/ac2/wp-dyn/A8861-2004Dec17?
language=printer(2004年12月18日アクセス)による。)
台湾世論はこの中共の動きに強く反発しています(後述)。
今次台湾総選挙が民進党の敗北に終わったことから、中共としては、台湾に対して融和政策に転換する絶好の機会だったというのに、正反対の動きを見せたことを訝る声が台湾や米国の中から出ています(http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-china19dec19,1,848886,print
.story?coll=la-headlines-world。2004年12月20日アクセス)。
この法律が、現状を維持しようとする「反国家分裂法」であって、現状を変更しようとする「台湾統一法」でないところに着目する見解(http://www.atimes.com/atimes/China/FL21Ad02.html。2004年12月21日アクセス)、胡錦涛政権の法治主義志向の表れとする見解、あるいは中共の現憲法前文が「台湾は中華人民共和国の神聖なる領土の一部である。台湾を本土と再統一するという偉大なる任務を遂行することは、台湾の住民を含む全中国人の不可侵の義務である」としているのにその上同趣旨の法律を作ろうとしていることを皮肉る見解(http://www.atimes.com/atimes/China/FL21Ad01.html。2004年12月21日アクセス)等にぎやかなことです。
いずれにしても、こんな法律が成立したら、中共内部において新たな発想に立った統一問題の議論ができなくなりかねず、かつ台湾世論の一層の反発を呼ぶことも必至であることから、中共が追求してきた台湾の吸収(統一)が更に遠のくことは確実です(http://www.atimes.com/atimes/China/FL25Ad02.html。2004年12月25日アクセス)。
新華社の報道がなされた時から、台湾世論は強く反発しており、緊急に実施された台湾政府の世論調査によれば、73%がこの法律は「統一」をむしろ妨げるものだとし、83%がこの法律を受け入れがたいとしています。そして、中共の対台湾政策が非友好的だとする者は5ヶ月前に比べて9%も増え、79.4%に達しました。(http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2004/12/25/2003216633。12月26日アクセス)
台湾政府より先に国民党がこの中共の動きを非難したこと(http://www.asahi.com/international/update/1219/002.html。12月19日アクセス)は象徴的です。
◆3 私の見方
胡錦涛政権は、こうなることは百も承知で法律を成立させようとしている、というのが私の見方です。 つまり、中共は「統一」をあきらめ、台湾を「懲罰」するために、金門・馬祖侵攻くらいはすべきところ、それすら行わず、反国家分裂法導入でお茶を濁した、ということです。
今次台湾総選挙に中共が介入しなかったのは、民進党系が勝とうが国民党系が勝とうが、台湾「独立」の潮流は押しとどめることができない、と考えたからだとすれば平仄が合います。
この法律に批判的な発言をした馬英九(Ma Ying-jeou's)台北市長に、彼が国民党の次期主席に擬せられている有力者だというのに、返還後二度訪れている香港に渡航するビザ支給を香港当局が(間違いなく中共の指示を受け手)拒否した(http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2005/01/06/2003218210及びhttp://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2005/01/06/2003218217。1月6日アクセス)ところに、胡錦涛政権の決意のほどがうかがえます。
全人代常務委員会は先月25日に反国家分裂法案の審議に入り、早ければ今年3月の全人代で採択される見通しです(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041225id21.htm。12月26日アクセス)。
ボールは台湾側にあります。
実質的な「独立」には中共は目をつぶると言っているに等しいのですから、それで満足するか、形式的な「独立」まで突っ走るか、今次総選挙の結果も勘案すれば、陳水扁政権の対応は容易に想像できますね。
◆台湾の選挙と独立 2004年12月27日 田中 宇
http://tanakanews.com/e1227taiwan.htm
アメリカ以外にも、オーストラリアやシンガポールといったアメリカの同盟国が最近、台湾を見捨てて中国に接近する態度をとっている。最近、南太平洋のバヌアツ共和国で、台湾から資金援助を約束されたボオール首相と、中国から資金援助を受けてきた他の政治家たちが対立する事件があったが、このときオーストラリアは中国側を支援してバヌアツに内政干渉した。その結果、ボオール首相は辞任し、台湾との関係は断絶され、中国から追加の資金援助が入って終わっている。(関連記事)
今年8月に台湾を訪問したシンガポールの新首相も、中国から非難された結果、中国にすり寄って台湾を批判する言動に転じた。東南アジア諸国は全体として親中国の方向に傾いている。
対米従属の国是に基づき、反中国意識が高まる日本の言論界では「アメリカは、オーストラリア、東南アジア、台湾、日本とつながる中国包囲網を強化していくだろう」という分析をよく聞くが、オーストラリアやシンガポールの態度を見ると、その見方は間違いであり、希望的観測であると感じられる。ブッシュのアメリカは、2001−02年には中国を敵視して包囲網を強化するように見えたが、その後は方向を逆転し、親中国に傾いている。
(私のコメント)
最近の香港の様子を見ると一国二制度は有名無実になり、中国は香港を必要ではなくなってきたようだ。つまりは香港をモデルにして台湾をも香港化しようという中国の野心は断念したように見える。台湾の国民党も台湾独立派になりつつある現状では、中国は選挙に介入しても効果がないのでは、総選挙でも露骨な干渉はしなくなったようだ。
「反国家分裂法」は内容すらどのようなものか分かりませんが、台湾を平和的な手段で吸収するのを諦めて、むしろチベットなどの反政府活動などを取り締まるのが主眼になるのだろう。香港などの自治政府に対する締め付けにもこの法律は向けられたものではないかとおもえる。
中国の胡錦涛にしても露骨な台湾干渉は2008年のオリンピックなどに対しても悪影響が出かねず、なし崩し的な台湾独立を認めるような方向になりつつあるのだろう。中国がこのような政策転換してきた背景には、アメリカの代理店とする日本が中国への強腰の政策へ転換してきた影響によるものであり、日本の軍事力強化が中国の台湾吸収にとって最大の障害となるからだ。
アメリカにとっても中台戦争に直接関与することは、米中戦争への引き金となりかねず、その代わりとして日本が台湾に関与することで、実質的な台湾独立が進んでいくと見るべきだろう。だからこそアメリカを始めオーストラリアなどが安心して中国接近が出来るのも、中国接近が中国による台湾吸収につながらないと見たからだ。
日本政府が意外とすんなり台湾の李登輝氏のビザを認めたのも、この流れを象徴するものであり、中国政府もどのような報復手段を講じてくるか注目されましたが、日本の親中派の国会議員の訪中が中国側から延期された程度で留まった。むしろ小泉首相に近い中川氏の訪中は延期されていないから、中国も親中派の橋本派を見限った動きとも取れる。
このように日本政府が中国に対する強腰政策に転じてくれば、中台関係にも影響が及び実質的な台湾独立が可能になる。もし日本政府が親中派の内閣で固まれば台湾の独立も危ういものになるだろう。だから朝鮮半島や台湾は日本政府がどのような政策をとるかで大きな影響を受けるから双方からさまざまなプロパガンダ合戦が日本国内で行われる。
以前なら中国から「靖国参拝はけしからん」と抗議されれば、中曽根総理以降ピタリと参拝を中止するなど、中国のプロパガンダは絶大な影響力を持ちましたが、アメリカのブッシュ政権と小泉内閣の誕生で流れが変わってしまった。「靖国」は日中の外交関係のバロメータになり、小泉首相がのらりくらりと靖国参拝を続けるのはアメリカからの圧力だろう。
アメリカの民主党よりの田中宇氏は、世界各国は中国への関係を強めており、中国包囲網は間違いだという見解ですが、アメリカの主流派はなかなか本心を明らかにせずわかりづらく読めませんが、反主流派は華々しくスローガンを掲げてよく目立つ。日本でも同じであり主流派は何を考えているのかよくわからず、反主流ほどマスコミなどを通じて主張を明確にする。
主流派がなぜ本心を隠すかというと政権を持っているから、相手に先を読まれることはまずいから本心を隠す。ブッシュ政権にしてもなぜイラクに侵攻したのか決して本心は明らかにしない。小泉内閣にしても構造改革の中味はいくら尋ねても本当の事は言わないだろう。主流派とはこういうものであり、中国包囲網が本心であるかは推測するしかない。せいぜい怪しげなサイトでポロッと書かれている程度だ。