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◆ いまさら間違いとは言えない
◆ 日本振興銀行の社長交代劇
◆ 成果が見られない省庁削減
◆ 財界と仲良くしないと政権はとれないのか
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◇◆ いまさら間違いとは言えない ◆◇
6日付の読売新聞、「ブッシュUの世界」という連載記事の中で、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授の言葉が印象に残った。―ブッシュ政権のイラク政策の何が過ちだったか―という問いに、彼はつぎのように答えている。
「・・・貧弱な情報に基づき判断し、十分な兵力も投入しなかった・・・政府首脳は当然(イラク政策が)成功でないと気づいている。それでも大統領が過ちを公然と認めることはないだろう・・・」
今年に入ってイラクの情勢はさらに危なくなってきた。暫定政府内からも選挙実施に慎重論が出始めた。アッシャーラン国防相は「スンニ派が参加を約束すれば選挙の延期も考慮する」と発言、ヤワル大統領も4日に「選挙が可能かどうか、国連に判断の責任を任せるべきだ」と語った(6日付朝日新聞)
誰が見てもまともな選挙は無理だ。しかしファルージャ掃討作戦までやっていまさら選挙の延期など米国には出来ない。ブッシュ大統領は5日、ヤワルに電話をして予定通り選挙すべきだと釘をさした(6日付日経夕刊)。小泉首相も、5日昼、首相官邸で記者団につぎのように強調した。
「・・・テロリストは選挙を妨害しようと必死だろう。それに負けないで何とか実施しようというイラク政府の努力を支援しなければならない」(6日しんぶん赤旗)。
そこには貧弱な情報どころか、目の前の現実から目を閉ざして、自己正当化だけに腐心する権力者の強引な姿しか見えない。
◇◆ 日本振興銀行の社長交代劇 ◆◇
民間銀行の社長交代を、6日付の夕刊フジと日刊現代が大きくとりあげていた。なぜか。それはこの銀行の成立過程と、新社長になる木村剛氏と金融庁の深い関係が問題視されるからである。
小泉改革のひとつとして竹中前金融庁長官は不良債権問題解決に力を注いできた。その結果、貸し渋り、貸し剥がしが横行し企業は悲鳴を上げた。特に中小企業は困った。その駆け込み寺と期待されて昨年4月につくられたのが日本振興銀行なのである。
1月1日付で社長となる木村剛氏は、設立当初から社外取締役で筆頭株主だったという。金融コンサルタント会社の代表である木村氏は元日銀マン。その経歴をかわれて竹中・前金融・経済担当大臣率いる不良債権処理特別プロジェクトチーム委員に抜擢され「金融再生プログラム」の策定に携わった。その木村氏が、影で「木村銀行」と言われるほど、この銀行を裏で動かしてきた。しかし思ったほど融資がのびず業績の建て直しが必要なところに人事のゴタゴタが続いた。木村氏が文字通り表に出て建て直しを図らざるを得なくなったということらしい。
それにしても金融庁とこの銀行の関係は不明朗だ。金融庁が異例のスピードで銀行免許を許可したのは「木村氏が竹中前金融・財政担当大臣に覚えがめでたかったから」である。今月予定の臨時株主総会で木村氏の社長就任が承認されるのであるが、反主流派の攻撃を封じるかのように、木村氏は、「私が銀行から離れたならば、金融庁が黙っていないだろう・・・」と関係者に嘯いているという(6日付夕刊フジ)。この発言は看過できない金融庁と一私人の癒着関係をはからずも露呈した。
対照的なのが金融庁のUFJいじめである。かつての三和銀行幹部の一人は大蔵省のノーパンシャブシャブ醜聞を検察に白状した。その意趣返しに財務省はその幹部が合併で異動したUFJをいじめている。行政がここまで民間を恣意的に取り扱うことを許してはいけない。
◇◆ 成果が見られない省庁削減 ◆◇
国の事務減量と効率化を目指した中央省庁再編から6日で丸4年がたつ。そのためか6日付の産経新聞と朝日新聞がその効果を検証していた。
産経新聞の特集記事「省庁再編4年」では、国家公務員の定員は再編前の約84万人から平成16年度末の約33万人に大きく減っているように見えるが、これは郵政公社化(約29万人)や国立大学の独立法人化(約13万人)などによる見せかけの削減に過ぎず、実質的な人員削減はわずか1万8千人、人件費削減はたった3.2%であることを明らかにしている。
朝日新聞の社説「小泉行革大綱」に至っては、納税者に負担を求める前に徹底した行革を断行するのが筋であるのに、昨年末に閣議決定した新行革大綱からは官僚を対峙する小泉首相の覚悟はまったく伝わってこない、官僚の作文を追認しているに過ぎないと断じ、「改革は政治の力によってしか出来ない」との石橋湛山の言葉を引用している。
私は、財政赤字に取り組むカナダや豪州が大幅な公務員削減と省庁削減を行って乗り切ってきた事実をこれらの国に勤務して目撃してきた。なぜ日本の政治家は誰一人として官僚の削減が出来ないのか。不況の下、民間企業がリストラなどで苦しんでいるのに、官僚の世界では「(普通は)仕事があるから人を配置するのに、(官僚の世界では)人がいるから仕事があると考える」(前述産経新聞)のが普通になっている。そしても国民もそんな官僚の無駄を批判することなく官僚志望が不況下にますます増える。「親方日の丸」という体制追認の特性が日本人の意識の中にある限り、行政改革は殆ど不可能なのかもしれない。
◇◆ 財界と仲良くしないと政権はとれないのか ◆◇
6日の読売新聞に岡田民主党代表の仕事始めの記事が出ていた。その記事の見出しはこうだ。「民主、経済界へ売り込み」、「献金目標、年間5億円」。
そして記事の内容はこうだ。
「・・・岡田代表は都内で開かれた日本経団連など経済三団体の『新年祝賀パーティー』に出席した。同席した小泉首相や自民党幹部と競うように、財界人らに次々と握手を求め、精力的に民主党を売り込んだ。・・・昨年11月には、民主党幹部が経団連幹部との朝食会に臨み、岡田氏は『政権を担うよう努力する。経済界と意見交換を図りたい』と述べている。・・・先月12月には福岡市での民主党大会後、党三役らが大阪に立ち寄り関西経済連合会幹部らと会談し、その際川端幹事長が『党財務局長がお願いにいっていると思うが、意を汲んでお願いしたい』と献金を要請した。・・・」
こんなことをやっているから「財界総理」などとおだて挙げられて勘違いする財界人が現れるのだ。政策を見て政治献金の額を決めるなどという不遜な言葉を平気で吐ける財界人が出るのだ。本業そっちのけで政策論ばかり評論する財界人がテレビや新聞をにぎわすのだ。
選挙に勝つ為には資金が必要だろう。大企業の利益に反する政策を唱えていては政治献金をもらえないこともわかる。しかし本来政治というものはもっと堂々としたものであるべきではないか。右顧左眄することなく正しい政策を唱えそれを実現すれば政権が取れる、そういう日本になれないものかと思う。
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