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(回答先: 米、核廃絶の約束死文化 NPT、重大岐路に【河北新報社(共同)】 投稿者 JFK 日時 2005 年 1 月 03 日 11:03:22)
12/31 15:18 核廃絶の約束死文化 米、国際合意ほご狙う 拡散に拍車も NP
【ワシントン31日共同=太田昌克】核保有五カ国が核兵器廃絶
への「明確な約束」をうたい、二〇〇〇年の核拡散防止条約(NP
T)再検討会議で採択された核軍縮措置をブッシュ米政権が「歴史
上の文書」とみなし、五月にニューヨークで五年ぶりに開かれるN
PT再検討会議で死文化させる狙いであることが分かった。
NPTは核保有国の軍縮義務と引き換えに、非保有国の核兵器獲
得を禁じており、核軍縮措置は条約を支える大黒柱。核超大国がほ
ごにすれば、北朝鮮など核疑惑国に条約軽視の口実を与え、核拡散
に拍車が掛かる恐れが強い。発足三十五年のNPT体制は重大な岐
路を迎えた。〇五年は広島、長崎への原爆投下六十年の節目で、被
爆国日本の立場も問われそうだ。
再検討会議の交渉に詳しい米政府当局者や議会筋が十二月三十一
日までに明らかにした。
米政府当局者は二〇〇〇年の再検討会議で合意した、核廃絶への
明確な約束を盛り込んだ十三項目からなる核軍縮措置について「核
不拡散をめぐる情勢は劇的に変化した」と述べ、縛られないとの認
識を表明。「法的拘束力のある指針とみなさない」と言明した。
その上で「過去の文書」を踏襲せず「(中枢同時テロなど)過去
五年間の出来事を反映した新文書を探究すべきだ」と強調。北朝鮮
のNPT脱退宣言や「核の闇市場」発覚を受け、非保有国の不拡散
義務の強化を優先させる方針を示した。
議会筋も「NPT第六条(保有国の核軍縮義務)は冷戦下の米ソ
軍拡競争を踏まえた規定。五月の会議で(米政府は十三項目の軍縮
措置を前提とするつもりはなく)もはや争点にならない」と強調し
た。
クリントン前政権の米国を含む核保有五カ国は二〇〇〇年の会議
で、非保有国側の強い要求に折れる形で、十三項目の措置に同意。
しかし、ブッシュ政権は大量破壊兵器やテロの脅威の対抗手段とし
て核戦力を重視、小型核など「使える核」の開発を模索する安全保
障戦略を打ち出した。
米歴代政権の軍縮政策に関与したグレアム元大統領特別代表(大
使)は「ブッシュ政権は核廃絶への『明確な約束』との表現に賛成
しないよう交渉団に指示するだろう」と語った。こうした米国の姿
勢に非保有国側が巻き返しを強めることも予想される。
20041231 1517
[2004-12-31-15:18]
12/31 16:08 遠のく「核なき世界」 テロ対抗へ核再定義
【ワシントン31日共同=太田昌克】ブッシュ米政権が核軍縮措
置の死文化を狙うのは、中枢同時テロの発生と核拡散という国際安
全保障環境の激変を受け、核兵器を冷戦期の「対ソ連抑止力」から
テロ組織や「ならず者国家」に対する不可欠な戦力として再定義し
ようとしているためだ。
核兵器廃絶への「明確な約束」を盛り込み「歴史的」と評された
、十三項目の多国間軍縮合意は、小型核の開発など「使える核」を
模索するブッシュ政権の核戦略にとって障害でしかない。イラク戦
争で見せた単独行動主義が、核軍縮面でも頭をもたげたといえる。
ブッシュ政権は包括的核実験禁止条約(CTBT)への反対を表
明。また、ならず者国家などのミサイルの脅威に対抗するミサイル
防衛を推進する立場から弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約も
一方的に離脱、同条約は消滅した。これらは十三項目の核軍縮措置
に反する動きだ。
核超大国の姿勢は、広島、長崎の惨禍を踏まえ核廃絶を希求する
国際世論と正面からぶつかり合う。五月の核拡散防止条約(NPT
)再検討会議で五年前の「非核の誓い」が踏みにじられる事態とな
れば、核軍縮の流れは一気に後退。非保有国の核放棄の決意は揺ら
ぎ、「核なき世界」はさらに遠のく。
米当局者は「現在約一万発の核弾頭を二〇一二年末までに六千発
に削減するなど核軍縮義務を果たしている」と反論。十三項目の核
軍縮措置はCTBTの早期発効やABM制限条約堅持など、非現実
的な要素が含まれ、時代にそぐわないと強調する。
だが削減される核弾頭も貯蔵され再配備が可能で、米政権が描く
戦略からは、テロ組織やならず者国家への対抗という枠を超えて、
台頭する中国などを見据えて圧倒的な核戦力で米一極化の世界秩序
を確立しようとする意図が明白だ。
核軍縮に逆行する超大国と核保有に動く非保有国―。NPTが直
面する難問は「中枢テロ後」の不安定な時代に核とどう向き合って
いくかという根源的な問いを国際社会に突き付けている。
20041231 1608
[2004-12-31-16:08]
12/31 16:15 真価問われる被爆国 日本の働き掛け不可欠
【ワシントン31日共同】核兵器廃絶に向けた「明確な約束」を
柱とする核軍縮措置がほごにされる恐れが出てきたことで、唯一の
被爆国日本の「非核外交」は真価を問われそうだ。米国の軍縮専門
家は、同盟国米国に対する日本の働き掛けが核超大国の国際公約履
行に不可欠と主張している。
シンクタンク「米軍備管理協会」のキンボール会長は、五月の核
拡散防止条約(NPT)再検討会議で米国と非核保有国の間に「深
い亀裂が生じる」と予測。ブッシュ米政権が核廃絶への新たな具体
的措置を示した文書採択を支持することはないと言い切る。
しかし同時に「もし日本や欧州の首脳がブッシュ大統領に直談判
すれば、米国が『核廃絶』という表現を盛り込むことで妥協する可
能性もある」と指摘。小泉純一郎首相がブッシュ大統領との盟友関
係を利用すれば、米国が譲歩する可能性も否定はできないとみる。
ただ、ブッシュ政権が「使える核」をにらんで開発の地ならしを
進めている小型核や強力地中貫通型核の問題が、日米首脳会談で正
面から取り上げられたことはない。小泉政権の働き掛けに過大な期
待は禁物だ。
20041231 1615
[2004-12-31-16:15]
12/31 17:07 13項目の核軍縮措置
13項目の核軍縮措置 核兵器廃絶への具体的道筋を定めた13
項目の重要合意。核拡散防止条約(NPT)再検討会議が2000
年5月20日、全会一致で採択した「最終文書」に盛り込まれた。
/(1)/保有核兵器を全面廃絶するという明確な約束/(2)/
包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効とそれまでの核実験禁
止/(3)/兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の
5年以内の妥結/(4)/第2次戦略兵器削減条約(START2
)の早期履行、START3交渉の早期妥結/(5)/弾道弾迎撃
ミサイル(ABM)制限条約の堅持、強化―などが主な内容。(共
同)
20041231 1707
[2004-12-31-17:07]
12/31 17:06 核拡散防止条約
核拡散防止条約(NPT) 核兵器廃絶を理念に掲げた多国間条
約。1970年3月発効、95年に無期限延長された。約190カ
国が加盟(事実上の核保有国であるイスラエル、インド、パキスタ
ンは未加盟)。核保有国を米国、ロシア、英国、フランス、中国に
限定。非保有国に「原子力平和利用の権利」(第4条)を認める一
方、核兵器製造や取得は禁止。これと引き換えに核保有5カ国には
「誠実に核軍縮交渉を行う義務」(第6条)を課した。北朝鮮やイ
ランなどがNPTを隠れみのに核開発を進めているとの疑惑が浮上
、条約の有効性が問われている。(共同)
20041231 1706
[2004-12-31-17:06]
12/31 17:15 核関連の米文書や発言
核をめぐるブッシュ米政権高官らの発言や政策文書などは次の通
り。
2000年9月 「包括的核実験禁止条約(CTBT)は(核拡
散防止の)処方せんにはならない」(ブッシュ共和党大統領候補)
02年1月 「(北朝鮮、イラン、イラクは)悪の枢軸」「危険
が募っているのに手をこまねいて待つことはしない」(ブッシュ大
統領)
同 /(1)/核と通常兵器の統合/(2)/核戦力の柔軟性拡
大/(3)/非常時に核攻撃対象になり得る国はロシア、中国、北
朝鮮、イラク、イラン、リビア、シリア/(4)/核戦力近代化と
貫通力の高い低威力核爆弾/(5)/核実験再開準備期間の短縮検
討(核体制の見直し)
5月 「米ロ両国は12年12月31日までに戦略核弾頭の総数
を1700―2200発に削減」(戦略攻撃兵器削減条約)
9月 「米国は(核兵器を含めた)単独先制行動による自衛権行
使をためらわない」(国家安全保障戦略)
12月 「米国は(核兵器など)すべての手段を含む圧倒的戦力
で対抗する権利を留保する」(大量破壊兵器と戦う国家戦略)
03年5月 「核兵器を使わせない最善の方策は、核兵器使用の
信頼性を確実にすることだ。(小型核兵器は)抑止力として有効に
機能する」(ブルックス・エネルギー省核安全保障局長)
04年4月 「(核保有国が核拡散防止条約=NPT=第6条で
規定された核軍縮義務を果たしていないとする)『6条問題』など
存在しない」(ボルトン国務次官)
5月 「(非核保有国への核先制不使用公約の)重要性は失われ
つつある」(ラドメーカー国務次官補)
(共同)
20041231 1715
[2004-12-31-17:15]