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□イラク選挙に固執する背景に米国、イスラエル、イランによる分割の陰謀 イラク人元外交官の分析 [ML アラブの声]
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/message/282
イラク選挙に固執する背景に米国、イスラエル、イランによる分割の陰謀 イラク人元外交官の分析
30日付のバスラ・ネットなどはイラク人政治分析家のサラーフ・アル・モフタール氏の緊急警告を掲載した。
現在イラクを分割する一大陰謀が進行中である。先ず「何故選挙に固執するのか?」という問いを繰り返し、あらゆる可能性を検証しなければならない。
すっかりケチの付いた選挙にアメリカとイランが固執するのは、米国が一石二鳥を狙っているからだ。一つは内戦の煽動でその理由は、武装革命の拡大と抵抗勢力による制圧地域が拡大した結果、イラクにおける米国の計画が崩壊し、イラクの制圧に失敗したためだ。そこで米国は出来るだけ早期にイラクから撤退することを決めた。とりわけバース党司令部が、無条件撤退以外の取引や交渉を拒否したからにはなお更だ。
二つ目は、イラクにおける公表済みの米国の目的、その最後が選挙の実施を実現したので、イラクからの撤退を(面子を保つために)強者の立場に立つアメリカが下す決定であると演じることだ。
イランは米国と完全に協調しており、強国イラクが再生するあらゆる希望を粉砕するために、統一イラクに止めを刺し分割しようとしているのだ。イランがことを急ぐのは、米国がイラクからの撤退を決定したことを確信しているからだ。これこそイランが、水資源を含むイラク南部を支配するという数世紀にも及ぶイランの夢を実現する黄金の機会である。イランは水資源が枯渇するとか埋蔵石油の寿命が長くないという深刻な地政学的危機に直面している。
(イラン系のイラクのシーア派最高権威)シスターニが選挙実施に熱心なのは、イランがイラク南部に於けるイランのプレゼンス保護のために直接に軍事介入する合法性を与えるカードを持ちたいからだ。従って現在南部諸州が将来の政治体制として連邦制を採用したいと発表したことは偶然ではない。
分割の輪を完成させるために米国は、ザルカーウィーの脅威を大々的に騒ぎ立てた。特に最近の数ヶ月は、イラク愛国抵抗勢力に特有な全ての軍事作戦を、ザルカーウィーによるものだと意図的に発表している。これは相互に関連する二つの目的実現のための大嘘である。第一目的は、占領崩壊と占領軍の撤退後に、武装革命愛国運動の司令部への政権移行を防止することで、第二目的は、イスラム法学者機構内の一部グループや、イスラム党(モフセン・アブドルハミードが主催し、暫定政府に参加)、イラクなどで活動している無統制なイスラム改革主義者などのスンナ派の分派主義勢力にイラク中部を支配させ、武装革命勢力の司令部への協力を拒否するよう後押しすることだ。
これによりイラクに重大な事態が発生する。最も深刻なのは、それぞれ単独ではイラクを支配できない相対立する武装勢力の存在だ。それはイラクを自己の支配下に置くための殺戮合戦の入り口となる。これらのグループはイラン系にせよ、スンナ派系にせよ、同盟関係樹立が無理な程に相対立する分派的な文化に染まっているので、唯一の選択肢は、長びかない戦闘の勃発である。長びかない理由は、各グループがイラクを南部と中部、中北部に分割すると発表することになるからだ。
クルド人の北部地域は事実上分離している。クルド人指導層が、「相互に争う宗派集団やクルド人が受け入れ可能な唯一の実際的解決策として、イラク全土を連邦制にしたい」と宣言することで、南部と中部の分離は促進される。それにより米国の圧力で国連が、イラクの実質的分割決議をするよう推し進めることになる。
すなわち形式的には統一イラクであるが、実質的にはイランや米国、(無論この計画の基本的な推進国であるイスラエルも)、地域のアラブ分派・反動主義に支援された武装勢力が握る(分割された)イラクが樹立されることになる。
イラクの現状を観察すれば直ちに、1)イラク国家の崩壊や、2)イラク軍や治安組織の解体、3)シーア、スンナ両派などを組織内に包含し、宗派主義や民族分離主義を拒否することでイラクの国土統一を守れる唯一の愛国主義政党としてのバース党の撲滅、4)ザルカーウィー神話の捏造、5)抵抗活動をするイラク民衆の勇敢な行為をこのような幻の集団に関連付けること、6)アラブの衛星テレビ局による意図的なバース党とその司令部の悪魔化、以上の全ては、北部にクルド人の、北部と中部にスンナ派の、南部にイラン系の3小国にイラクを分割することに基づくシオニストと米国の計画の一部であることを、難なく理解できる。
米国とイラン、イスラエルは流血の宗派間、民族間の騒乱を煽動し、バース党とその愛国的な司令部を一掃しなければ、イラクの分割はあり得ないことを十分に認識している。バース党は特定の集団を代表しない国民政党として、イラクの全集団の代表者を取り込み、最大かつ最強の組織として鉄の結束を誇っている。
従って占領軍が国家を解体しバース党根絶法を採用したのは決して間違いではなかった。またイラクを復興させないのは、ブレマー(元CPA総督)などが主張したように経験・資金不足や政策の誤りが原因ではなく、イラクを分割するための事前に準備された不可欠な条件であったのだ。混乱や、犯罪と腐敗の蔓延こそ、宗派主義や民族分離主義を筆頭とする諸悪を生み出す土壌なのだ。
上記は単なる分析ではなく、分析と現実に起きている情報とを総合的に判断して導かれるものだ。占領軍とイランの煽動によって日毎に増す混乱の陰でイラクで何が起きているかを見るが良い。
シオニストたちがイスラエル建国以来、いかに分割計画を実行してきたかを思い出すが良い。ベギン元イスラエル首相の顧問、オーデド・ヤヌンは、「80年代におけるイスラエルの戦略」と題する小冊子で、クルド人に北部を、スンナ派に中部を、シーア派に南部をとイラクを3国に分割することを提言し、その早期実施のためにクルド人指導層を更に支援し、戦争でイラクを撃退しイラクのバース党政権崩壊に導くシーア派革命によってイラクを分割するためにホメイニーのイラン支援するよう進言しているのだ。現在起きていることは、正に世界シオニスト計画が文字通り適用されているのではないか。
しかし、どっこい分割計画は成功しないと断言できる。米国とイランがこのシナリオを実行に移しても、武装イラク革命はこの計画を挫折させるに十分な力と主導権を持っている。彼らが束になっても抵抗するイラク民衆の意志を挫くことは出来るものではない。
http://www.albasrah.net/maqalat_mukhtara/arabic/1204/almukhtar_301204.htm
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サルーフ・アル・モフタール氏は、月刊現代1月号の拙稿に記したように、抵抗勢力の内情に精通し強い影響力を及ぼす党暦46年のバース党重鎮である。現在はある東方アラブの国に居住して政治分析と執筆に専念している。
アラブの声ML 齊藤力二朗
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