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12/26 16:06 民主化の裏に財閥の暗闘 東西の富再配分へ
ウクライナ大統領選のやり直し決選投票は野党候補ユーシェンコ
元首相優勢で二十六日の投票日を迎えた。クチマ現政権と一部新興
財閥の癒着を批判する元首相に「オレンジ革命」と呼ばれた民主化
実現への国民の期待が高まっているが、背後には一九九一年の独立
後も偏在してきた東西の富の再配分をめぐる新興財閥の暗闘がある
。
ウクライナでは/(1)/ドネツク州のアフメトフ氏(鉄鋼業)
/(2)/ドニエプロペトロフスク州のピンチュク氏(鉄鋼、エネ
ルギー業)/(3)/キエフで財閥を率いるメドベチュク氏―の三
人が経済界を牛耳っているといわれる。ソ連崩壊後に巨万の富を得
たこれらの新興財閥はそれぞれテレビ局を所有、言論界も支配下に
置く。
ピンチュク氏はクチマ大統領の娘婿。メドベチュク氏は大統領府
長官だ。アフメトフ氏は同郷のヤヌコビッチ首相に近い。東部出身
のクチマ大統領率いる現政権とこれら財閥の密接な関係を、野党側
は「ならず者が国を支配している」と厳しく糾弾してきた。
しかしユーシェンコ氏の最大野党「われらのウクライナ」の主要
メンバーはキエフの富豪ポロシェンコ氏、西部の都市リビウ出身の
チェルバネンコ氏やジワニア氏(造船業)ら、主に西部の新興財閥
。キエフの外交筋は「ウクライナではほとんどの政治家がビジネス
とのかかわりを持っている。ユーシェンコが当選しても別の財閥が
取って代わるだけ」と予想する。
この背景にあるのが、東部と西部の経済格差や歴史の違いだ。十
一月の決選投票でユーシェンコ氏が優勢だった親欧米の西部は農業
や食品加工が産業の中心。一方、ヤヌコビッチ首相が優勢の東部は
ソ連時代に重化学工業が発達、冶金(やきん)工場や炭坑などが集
中し、ロシアの軍需産業との結び付きが強い。
双方の人口はほぼ同じだが、国民総生産(GNP)に占める西部
の産業の割合は約30%で失業率は高く、賃金水準も低い。西部は
東部の発展に対するねたみがある一方、東部住民の側には税金など
の形で「自分たちの稼ぎを西部に取られている」との意識が強い。
ユーシェンコ、ヤヌコビッチ両氏の激突は、それぞれが背負った
東部と西部の利害のぶつかり合いでもある。(キエフ共同=佐藤親
賢)
20041226 1606
[2004-12-26-16:06]