現在地 HOME > 掲示板 > 戦争65 > 228.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
ユコス子会社落札企業、政権と密接 実態が不明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041223-00000010-san-int
内外から批判、米露に火種?
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権が強行した同国石油最大手、ユコスの中核子会社、ユガンスクネフチガスの競売で、落札したのが政権と密接な関係を持つ正体不明の個人企業だったことが判明、深まる不透明感に内外の批判が一段と高まってきた。ユコス問題は、来年二月に予定される米露首脳会談でも取り上げられ、両国関係をきしませる火種になりかねない情勢だ。
ロシア連邦資産基金が十九日に実施した競売では当初、中国とインドの国営企業が辞退した後に四つのロシア企業が参加するといわれてきた。
だが、ふたを開けてみると、会場に現れたのは露国営ガスプロム系列のガスプロムネフチと、全く無名の有限会社バイカルファイナンス・グループの二社だけだった。
さらに奇妙なことに、ガスプロム側は「最低入札価格(約八十八億ドル)が高過ぎる」と応札を拒否。結局、応札したのはバイカル社だけとなり、同価格をわずかに上回る約九十三億ドルで落札した。落札価格はしかし、それでも実勢価格の三分の一以下とされている。
報道によると、同社入札責任者は落札後、記者会見しなかったばかりか会場から姿を消して長期海外旅行に出発した。
同社の正体をめぐっては、「政権に従順な民間石油会社、スルグトネフチガス関係者が競売直前に設立した」「会社登録された住所に事務所はない」と諸説が飛び交い、なお判然とはしない。
プーチン大統領は二十一日になって、訪問先のドイツで、同社が政権に信頼され長くエネルギー業界に身を置く人たちが設立した会社だと主張。同社が将来的にガスプロムの傘下に入り、エネルギー分野で中国国営企業と協力関係を結ぶという可能性にも言及した。
だとしても、ガスプロム側はなぜ競売でユガンスクネフチガスを直接落札せず、こんな回りくどい方法を取ったのか。
巨額脱税容疑による追徴課税で破綻したユコスは会社更生法の適用に最後の望みを託し、米テキサス州ヒューストンの連邦破産裁判所に競売中止の仮処分を申請、裁判所は十六日に競売の一時中止命令を出していた。
ロシア側はこれを無視する形で競売を強行したため、落札した企業には米国内で米当局に石油製品を差し押さえられたりする危険が出てきた。
ガスプロムは有望市場である米国での展開を視野に入れており、米国内での資産凍結という最悪の事態は回避しなければならない。そこで、直接的な落札を急遽(きゅうきょ)取りやめて、その代わりにダミー会社のバイカルファイナンス・グループに落札させたのだとされる。
今後は、同社の株式をガスプロムや中国企業など複数の企業が秘密裏に持ち合う形で、米当局への対抗措置を取るというのが一般的な見方だ。
そうなれば、政権側は国内で生産される石油の20%以上、政権に従順な民間の石油の分を合わせれば70%近くを、支配下に置けることになり、ロシアの戦略商品であるエネルギーの国家支配はほぼ完成したといえる。
だが、今回の問題は、国益や国家目的のためには手段を選ばないという政権の旧ソ連国家保安委員会(KGB)的な体質をまたもや浮き彫りにする結果ともなった、と西側外交筋はみている。
◇
《米、競売強行を非難》
【ワシントン=樫山幸夫】ロシアの石油最大手、ユコスの中核企業の競売に関し、マクレラン米大統領報道官は二十一日の記者会見で、ロシアを非難し、ブッシュ大統領が来年二月のプーチン大統領との会談でこの問題を取り上げることを明らかにした。
報道官は「ロシアが今回、競売を強行したことに失望している。ロシアの税法に基づき米国の投資を損なうことなく解決されるよう期待していた。海外からの投資を冷却化させることになると強く警告してきた」と激しい調子で述べた。報道官はそのうえで、「プーチン大統領にこうした強い懸念を伝えることになろう」と述べ、二月にスロバキアで行われる米露首脳会談の主要議題になるとの見方を示した。
この問題については、米テキサス州の裁判所が競売差し止め命令を出したこともあり、米政府も状況を注視している。
(産経新聞) - 12月23日4時55分更新