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●”日米、2月にも新安保宣言・アジアの脅威に共同で対処”
”米陸軍司令部・座間移転に布石”
日米両国政府が来年2月にも発表する新たな日米安保共同宣言の骨格が21日、明らかになった。中台関係の緊張や北朝鮮の脅威を念頭に、アジア太平洋地域の不安定要因に日米が共同で対処すると明記し、自衛隊と在日米軍の協力強化を打ち出す。日米安保条約や基地使用目的を極東地域に限定した「極東条項」は改定しないが、共通の戦略目標を再設定することで在日米軍再編を円滑に進める狙いがある。
新安保宣言の名称は「日米安全保障に関する戦略合意」(仮称)。2月にも開く外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)での合意を目指す。年明けから米国で審議官級の協議を開き、具体的な文案の最終調整に入る。並行して在日米軍再編を巡る交渉が加速する見通しだ。
2001年の米同時テロを機にしたテロとの戦争など「新しい脅威」や中国、北朝鮮の存在を念頭に日米がどう共同対処するかを定義する。冷戦終結後、日米安保に「アジア太平洋地域の安定」という役割を与えた1996年の日米安保共同宣言を発展的に改定する意味がある。
戦略合意は、新しい危機への共同対処には、在日米軍を機動的に再編する必要があると指摘。米陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)移転や、横田基地(東京都)の第五空軍司令部とグアムの第十三空軍司令部の統合などを実現する理論的な背景にする。沖縄など地元負担の軽減の必要性も盛り込む。
アジア太平洋地域の情勢認識として、中国や北朝鮮など具体的な国名を挙げて不安定要因と位置付ける。中国については軍事的な近代化がアジア太平洋地域の安全保障体制に大きな影響を及ぼすとの認識を共有。北朝鮮については大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発などを「極めて重要な不安定要因」と指摘する。
日本防衛やアジア太平洋地域の安定とは別に、日本が憲法の枠内で積極的に国際貢献する姿勢を明示し、世界規模での日米協力も推進する。イラク復興支援特別措置法などを通じて自衛隊を海外派遣してきた実績を、日米の戦略合意でも明確に位置づける。
●在日米軍 極東域外の活動追認
日米新安保宣言 米、中国けん制も
在日米軍再編を巡る戦略合意は、極東の枠を超えて広範に活動する在日米軍の実態を追認するものだ。個別基地問題で焦点となっている米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間移転に向けた地ならしにもなる。軍事力増強を続ける中国へのけん制も狙うが、日本政府は予想される中国の反発を日中関係の中でどうとらえていくか、微妙なかじ取りも必要になる。
米軍再編問題は当初、第一軍団の座間移転など、個別基地再編が取りざたされたため、移転先とされた自治体が一斉に反発、事態を沈静化させるために、個別基地問題を棚上げして、共通の戦略目標や日米の役割分担など「総論」から調整を進めている。
日米防衛協力に関する共同文書としては、1996年の日米安保共同宣言がある。冷戦崩壊で目的を見失いつつあった日米安保条約にアジア太平洋地域の安定という新たな役割を与えることを狙ったものだった。
ただその後、日本周辺有事の際の対米後方支援を可能にした周辺事態法などの国会審議などで、日米協力の地理的範囲は、あいまいにする方向に逆戻り。結局、安保条約に基づく協力は極東にとどめ、それ以外の地域では日米同盟に基づく協力として「条約」と「同盟」を使い分けている。インド洋とイラクへの自衛隊派遣では個別に法律をつくって対処した。
今回の戦略合意は基本的にこの枠組みを変えるものではないが、極東の枠を超えた在日米軍の積極的な関与を容認するのが特徴。第一軍団司令部はアジア太平洋地域で、テロや大量破壊兵器が絡む災害などが発生した場合、陸海空軍と海兵隊を束ねる統合任務部隊の緊急展開を指揮するが、東アジアから中東にいたる「不安定な弧」へにらみを利かせる機能も持つ。
米軍再編論議をめぐっては、「日本がなし崩し的に米国の世界戦略に巻き込まれる」との懸念も強い。政府が「安保条約や極東条項は見直さない」と強調するのもそのためだ。極東条項については「在日米軍の駐留目的を定めたもので、行動までは縛っていない」との従来見解で切り抜ける構えだ。ただ次の段階として米側から集団的自衛権の行使への期待が高まるのは確実で、さらに高いハードルが待ち構えることになる。
一方、米側は戦略合意を中国への警戒感を鮮明にする好機ととらえている。これまでは中国への配慮から慎重だった日本も先の新「防衛計画の大網」で名指しで警戒感を示す路線に転換した。
(*注:ほとんどが新聞からの転記ですから誤字脱字はお許しを…)