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核心
2004.12.23
イラク問題身内からも再任批判
ブッシュ米大統領は、来年一月二十日の大統領就任式で正式発足する政権二期目の閣僚人事をほぼ終え、二十一日、年末年始の休暇に入った。だが、同日の米軍基地への攻撃などイラクの治安情勢は泥沼化の一途。それでも留任するラムズフェルド国防長官への批判が日増しに強まる中で、第二期ブッシュ政権の多難な前途が浮かび上がっている。 (ワシントン・豊田洋一)
■風当たり
「留任に同意してくれてうれしい。彼は本当にいい仕事をしている」
ブッシュ大統領は二十日の記者会見で、辞任圧力が高まっているラムズフェルド長官を擁護した。
同長官は七十二歳と高齢の上、イラクの治安悪化や米軍によるイラク人虐待事件発覚などから、一時は退任説も取りざたされていた。だが、大統領は十一月下旬、国防長官に留任を要請した。
ホワイトハウス当局者は「米国はこれまでとは異なる戦争をしており、勝つことが重要」として、テロとの戦いの継続性や米軍再編推進を留任理由に挙げる。その半面、国防長官を交代させると、治安悪化が続くイラク政策の失敗を認めた形となり、これを避ける意図もにじんでいる。
しかし、国防長官の留任には、身内の共和党有力議員からも批判が出始めた。
発端は、長官が八日、出席したクウェートでの米兵との対話集会。
「なぜ、ごみ捨て場から鉄クズや強化ガラスを掘り出し、間に合わせの装甲として車両に取り付けたりしなければならないのか」などと詰め寄った米兵を、長官は「戦争は手持ちの部隊で戦うものだ」と突き放した。
また、十九日には戦死した兵士の遺族への手紙に記された国防長官の署名が自署ではなく、印刷だったことが発覚。共和党重鎮マケイン上院議員が「長官への信頼感はゼロ」と批判したのを皮切りに、ヘーゲル上院議員ら同党有力者からも長官批判が相次いだ。
さらに二十一日には、イラク北部モスル郊外にある米軍基地が、反米武装勢力によるとみられる攻撃を受け、米兵ら二十二人が死亡。米軍施設への直接攻撃では最大規模の被害となった。国防長官が進めてきた、機動力を重視し、より少ない兵力で戦う戦略が裏目に出た形だ。
米ギャラップ社などが二十日まとめた世論調査によると「国防長官を解任すべきだ」との回答が52%。長官再任は、混迷の船出が予想される政権二期目の「火種」となっている。
■“大幅”改造
ブッシュ政権二期目で交代する閣僚の割合は60%。過去の通例は50%前後で、一九七三年のニクソン政権以来の大幅入れ替えとなった。
しかし、新たに閣僚になる九人のうち、ライス国務長官、ゴンザレス司法長官、スペリングズ教育長官の三人はホワイトハウス内部からの昇格。
ライス氏は、父ブッシュ元大統領時代にホワイトハウス入りし、ブッシュ家とは家族同様の間柄。ゴンザレス、スペリングズ両氏は、大統領がテキサス州知事時代からの側近だ。
さらに、ボドマン・エネルギー長官、ニコルソン退役軍人長官、レビット厚生長官は政権内部からの起用。全くの外部からの起用はジョハンズ農務長官、グティエレス商務長官の二人だけ。大幅な入れ替えを装いながら、実態は側近や内部登用が多く、「イエスマン」をそろえて大統領主導で政権運営をしようとの意欲も漂わせている。
ただ、国土安全保障長官に指名したケリック前ニューヨーク市警本部長が、不法移民の家政婦を雇用していたなどとして指名辞退に追い込まれ、二期目に向かう大統領は、閣僚人事の出ばなでつまずく形となった。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041223/mng_____kakushin000.shtml