現在地 HOME > 掲示板 > 戦争65 > 1163.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
■警備艇 10メートルまで接近
「銃口を見てパニックになった。生きた心地がしなかった」。江田島市沖の瀬戸内海で、操業中に米海兵隊岩国基地の警備艇から銃で威嚇されたという同市能美町、鹿川漁協所属の漁船船長静間久尚さん(38)。十四日、現場の海を訪れ、九日前の突然の出来事の恐怖を語った。(藤原靖成)
漁場の長島沖は、自宅裏の桟橋から沖合五キロで、船で約十分。午後一時ごろから、朝に仕掛けた刺し網を揚げていた。次の場所に移動しようとした時、一隻の船が西から近づいてきた。
迷彩服の兵士が船首に立ち、何かを叫びながら銃口を向けていた。「何を言っているのか分からない」。両手を上げるのが精いっぱいで声も出なかった。「今にも撃ちそうに見えた。何でこんな所に銃を持った人間がいるのか」。目を疑った。
約十メートルまで近づいた時、兵士が操舵(そうだ)室のもう一人に向かって、こちらの船体番号を英語で読み上げているのが分かった。星条旗が見え、「米軍だ」と気づいた。
息を殺していると、船はいったん東に移動。再び引き返してきて岩国方面に去って行った。遠く離れてから、ようやく手を下ろし、携帯電話で第六管区海上保安本部に通報した。
「わずか二、三分が、とても長く感じた」。後で海保職員から「不審船を追い掛けていたようだ」と聞き、少し前に船が一隻通ったことを思い出した。
昨年十二月中旬に市内の会社を辞め、兼業から漁業一本でやっていくと決意。この日が新年の最初の操業だった。銃口を見てから漁に出ていない。仕掛けた網もそのままなくなった。「せめて休んでいる間の補償を」。漁をいつ再開するか決めかねている。
■「米単独の追尾は問題」 専門家指摘に米側は正当性主張
米海兵隊岩国基地の警備艇が江田島市沖の瀬戸内海で漁船の船長を威嚇したとされる問題で、岩国基地は十四日、「提供水域外まで不審船を追尾したことに問題はない」との見解を示した。外務省も「追尾は正当」としているが、日米地位協定に詳しい法政大人間環境学部の本間浩教授(66)=国際法=のように「米軍だけの追尾は問題で、少なくとも日本側が関与する必要がある」と指摘する声も出ている。
今回の追尾について、岩国基地は「提供水域内に脅威を与える不審船を海域を越えて追跡することは当然」と強調。漁船に銃口を向けていないとあらためて説明する一方、約十三キロに及ぶ追尾を正当だと主張する。外務省日米地位協定室も「威嚇については事実確認中」としながら追尾自体は正当としている。
根拠の一つは国際法で、自国の領海内で違法行為をしている船を発見した場合、領海を越えて追尾することを認めているという。今回は日本国内にある米軍基地の管理する海域からの追尾という特殊な例で、国際法にも明確な規定はないが、外務省は「提供水域の安全を保つために一定の措置を取ることを地位協定でも認めており、今回の追尾も違法性はない」と説明している。
しかし、本間教授は基地周辺での追尾を米軍にすべて委ねるのは提供地域・水域の拡大解釈にもつながると強調。「テロ警戒で米軍は過敏になっており、今回のような問題はまた起こる恐れがある」と指摘した。
また「米軍基地は例外的に認められた存在であり、米軍が不審船の追尾をする場合は、海上保安庁などと連携するなどの仕組みが必要だろう」と話している。
今回の威嚇問題では、岩国基地は第六管区海上保安本部などへの通報はしておらず、船長から通報を受けた六管が岩国基地に照会して事実が判明した。六管も「違法性はないにしても、連絡はほしかった」としている。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn05011502.html