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http://www.sankei.co.jp/news/morning/16pol001.htm
米軍横田基地 司令部機能を維持 日本に打診、グアム移転を撤回
米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)をめぐり、米政府が米軍横田基地(東京都福生市など)の司令部要員の大半をグアムに移転する案を撤回し、司令部機能を維持する方針を日本政府に打診してきたことが十五日、分かった。日本側は、中国や北朝鮮への抑止力維持の観点から歓迎しており、横田基地を民間機が使用する軍民共用化にも障害はないとみている。
この方針は、再編案の取りまとめにあたる米太平洋軍(司令部・ハワイ)のファーゴ司令官がラムズフェルド国防長官に報告。米政府で最終決定されれば、近く行われる日米外務・防衛当局の審議官級協議で日本側に正式に伝えられる見通しだ。
横田基地には、在日米軍の空軍部門である第五空軍司令部がある。米側は昨年四月、アジア・太平洋地域の空軍司令部機能をグアムに集中させるため、第五空軍司令部をグアムの第十三空軍に移転・統合、要員も二百四十人から六十九人まで削減する案を提示した。
これに対し、日本側は横田基地の司令部が空洞化し、基地機能の低下や航空自衛隊との連携態勢が弱まることを懸念。米側に移転案の見直しを求めるとともに、空自の航空総隊司令部(東京都府中市)を横田に移して第五空軍司令部と一体化することで基地機能を維持する案を米側に示していた。
こうした日本側の意向を受け、米側は第五空軍司令部の移転案を白紙に戻して検討。北朝鮮の弾道ミサイルや航空戦力を増強している中国の脅威を踏まえ、司令部を現状のまま維持する方針に転換した。グアムへの空軍司令部機能の集中という米側の計画が、司令部の施設整備などで時間がかかり、短期間には実現できないことも影響しているという。
日本側は、第五空軍司令部の機能が維持された上で空自の総隊司令部と一体化されれば、「共同訓練や作戦計画の調整がいっそう円滑になる」(防衛庁幹部)と受け止めている。