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ドキュメンタリーと政治=荻野祥三
[毎日新聞] 2005.01.15
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/tv/broadcast/index.html
就職情報会社の調査によると、学生に高い人気があったNHKのランキングが急落しているという。不祥事報道が何カ月も続けばやむをえまい。ただ、「底値が買い時」ということもあり、「入るなら人気低落の今」と言えるかもしれない。特にドキュメンタリー番組を作りたい若者にとっては。
今後の展開によっては、「NHK解体論」「不要論」も出かねない状況だが、一般視聴者と話していると、「でも、『NHKスペシャル』のような番組がなくなると困る」という声が多い。本格的なドキュメンタリー番組が民放で冷遇され、辛うじて地方局で生き延びている今、不祥事批判とは別の次元での「NHKへの期待」は大きいのだ。
「NHKスペシャル」=写真は30日放送の「原油高騰、世界市場で何が起きているのか」=の前身は「NHK特集」。NHKのドキュメンタリー番組に、政治家が介入したと報道されている問題で、「NHK特集」時代から活躍したOBの言葉を思い出した。
「『面白いけれど、深い』をモットーにあらゆるジャンルに取り組みました。でも、気を使うこともあった……」。「政治」である。「特に、NHK予算の審議を控えた年末から年度末はね。そういう時には、『日本から遠い国の珍しいお祭り』とか、政治家から文句の来ないテーマを選びましたね。ちょっときわどい問題は予算が国会を通過してから、というのがスタッフの暗黙の了解。その後の人事異動で局内の責任者が代わる時期などは特にいいチャンス」
“現場の知恵”とも言えるが、「政治の圧力」がずっとあり続けていることを示す言葉でもある。長年「NHKスペシャル」を見ていて、思うことがある。海外の事情はよく取材して視点も鋭く参考になるが、「では日本ではどうなっているのか」という部分で不満を感じることが少なくないのだ。やはり「政治」との関係ではないのか?