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12月18日付・読売社説(1)
[日韓首脳会談]「『北』の分断策封じる連携を図れ」
北朝鮮の“分断工作”に乗じられないか。そんな懸念を抱かせる韓国の姿勢だ。
小泉首相と韓国の盧武鉉大統領の首脳会談で、北朝鮮に核廃棄を迫る六か国協議の早期開催で一致した。
だが、核・ミサイル、日本人拉致問題の具体的な対応となると、大統領の北朝鮮への融和的姿勢が際立ち、日韓間の違いが浮き彫りになった。
北朝鮮に対しては「圧力」が欠かせない。こうした認識の違いから日米韓の連携を損ない、北朝鮮に付け入るスキを与えてはならない。日韓両国には、そうならないための外交努力が求められる。
六か国協議は六月に第三回が開かれてから、再開のめどが立っていない。北朝鮮が、ブッシュ大統領再選後の新布陣や対北朝鮮政策の変化を見極めようとして出席を拒み続けてきたからだ。
会談で首相は、横田めぐみさんのニセ遺骨問題で国内に経済制裁を求める声が高まっていることに触れた。北朝鮮の対応次第で、制裁発動も選択肢に含む圧力をかける考えを伝え、協力を求めた。
盧大統領は日本の方針に理解を示したが、経済制裁による六か国協議への影響は避けたい、との考えも強調した。六か国協議については、「北の変化を促すため、忍耐を持って対話と説得を続ける」と述べた。「対話」のみで、「圧力」を置き忘れたような姿勢である。
大統領は、米国や欧州での講演などでも、核開発についての北朝鮮の主張には「一理ある」「北が崩壊する可能性はほとんどない。韓国も中国も崩壊を望んでいない」と発言した。ブッシュ政権の対北朝鮮政策を牽制(けんせい)したものだろう。
その延長線上に今回の発言もある。だが、北朝鮮の核開発は、地域の最大の不安定要因であり、国際社会の核不拡散体制を大きく揺るがしている。拉致問題にしても、日本が「経済制裁」というカードを選択肢の一つとするのは当然だ。
直面する課題の早期解決へ向け、日韓両国の対北朝鮮政策の調整が極めて重要な局面である。日本は、米国との緊密な関係をてこに、韓国に対して「圧力」の必要性を説き、同一歩調を取るよう、粘り強く働きかけるべきだ。
会談ではほかに、自由貿易協定(FTA)交渉の促進や、羽田―金浦空港便の増便などで一致した。ノーネクタイでの首脳同士のシャトル外交を、日韓国交正常化四十周年を迎える来年以降も行うことも決めた。
両国の交流の着実な拡大、強化によって、北朝鮮問題で認識を共有する環境づくりを進めることも必要だ。
(2004/12/18/02:13 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041217ig90.htm