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イラク支援、あまりに危険…国境なき医師団仏事務局長
国際的な民間活動団体(NGO)「国境なき医師団」(MSF)フランス支部のピエール・サリニヨン事務局長(38)は17日、都内で読売新聞と会見し、「現在のイラクは人道支援活動を行うにはあまりに危険だ」と述べ、人道活動を取り巻く環境悪化の原因は、連合国が人道活動を戦争遂行の大義名分に「悪用」しているためだとして米国などを批判した。
MSFは11月、「深刻な危険」を理由にイラクから全面撤退した。事務局長は、イラク駐留米軍が自らも人道援助を行っているなどと主張し戦争と人道活動を混同しているため、「武装勢力が、外国の占領軍と人道団体とを一体視し、人道団体も襲撃するようになった」と指摘。責任は、米国だけではなく自衛隊を派遣している日本にもあると強調した。国連や米国はイラク復興にはNGOなどの協力も必要だとしているが、紛争地帯での活躍が知られるMSFさえ撤退したことは、今後のイラク復興に民間団体がかかわることの難しさを浮かび上がらせている。
サリニヨン事務局長はMSFのイラクや北朝鮮などでの活動を統括する立場にある。
(2004/12/18/00:22 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041217id23.htm