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12/15 18:55 盗聴、揺さぶり、対抗馬… 米、続投阻止へ躍起
来年六月の国際原子力機関(IAEA)事務局長選挙にエルバラ
ダイ事務局長が三選出馬表明したことに、イラン核問題対応への「
不満」から米国が反発。電話の盗聴や阿部信泰(あべ・のぶやす)
・国連軍縮局長(事務次長)らの対立候補擁立を画策するなど、続
投阻止に躍起になっている。一方でエルバラダイ氏は途上国の絶大
な支持を受けており、「核の番人」のトップ人事をめぐる駆け引き
は、今月末の立候補締め切りまで激しさを増しそうだ。
▽深まる確執
「驚きはまったくない」
米紙ワシントン・ポスト(十二日付)が「米政権がエルバラダイ
氏の追い落としを狙い、イラン外交官との電話を盗聴した」と報じ
た後、IAEA当局者はこう言明した。両者の確執は「公然の秘密
」で、修復は不可能というのがIAEA担当の外交官の一致した見
方だ。
確執が最初に表面化したのは十月末、米大統領選直前に発覚した
イラクの基地での大量の高性能爆薬紛失事件だ。管理責任を問われ
たブッシュ大統領は民主党候補の追及で一時窮地に陥った。
情報はブッシュ落選を願うエルバラダイ氏側から出たといわれ、
この後、エルバラダイ氏が査察情報をイランに漏らしたとの報道も
流れるなど、両者の確執は決定的となった。
▽紳士協定
米国が「エルバラダイ外し」を画策する最大の理由は、イラン核
問題をめぐる意見の違いだ。イランの核兵器開発を確信する米国は
一貫して核問題の国連安全保障理事会の付託を主張。しかしIAE
Aは慎重な姿勢を崩さず、米国はエジプト出身のエルバラダイ氏が
イランを「擁護している」(米外交官)と疑っているという。
一方のエルバラダイ氏は核拡散防止体制が揺れる中、三期目でI
AEA体制を改革、大幅な権限強化を狙っているとされる。三選に
ついて「中東・アフリカ諸国の支持は固く、本人は自信満々だ」(
IAEA当局者)という。
しかしエルバラダイ氏の三選を長期政権とみて難色を示す声も強
い。「国連機関トップの任期は最長二期まで」(バウチャー米国務
省報道官)という主要国間の〓(始めダブルミニュート)紳士協定
〓(終わりダブルミニュート)があり、日本、欧州諸国もIAEA
の例外扱いには慎重な姿勢だ。
▽政治的言動
核問題を扱うIAEAの事務局長は、場合によっては「一国の首
相以上の権限」(ウィーン外交官)を持ち、安保理常任理事国入り
を目指す日本などには魅力的なポスト。政治的な言動が目立つエル
バラダイ氏には反発もあり、対抗馬が出た場合、予想以上に支持を
集める可能性もある。
エルバラダイ氏の対立候補としては阿部氏のほか、高須幸雄(た
かす・ゆきお)・駐ウィーン国際機関代表部大使や韓国、ブラジル
の核問題専門家らが取りざたされている。ダウナー・オーストラリ
ア外相は米国の出馬要請を断っており、水面下での候補者探しが続
いている。(ウィーン共同=小林義久)
20041215 1855
[2004-12-15-18:55]