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12月15日付・読売社説(1)
[EU武器禁輸]「解除は中台関係を不安定化する」
深刻な懸念を抱かざるを得ない動きである。
欧州連合(EU)が、一九八九年の天安門事件以来、十五年間にわたって続けてきた対中国武器禁輸措置を、来年にも解除する可能性が出てきた。
EU側が、先に開いた中国との首脳会議で、解除について「前向きに検討している」と伝えた。
EUの対中武器禁輸解除については、ブッシュ米政権が再三にわたり、反対の意向を表明してきた。EU諸国の先端軍事技術が中国の軍事力近代化を促せば、アジアの軍事均衡に深刻な影響が及ぶのは間違いない。特に、台湾にとっては大きな脅威となる。当然の懸念である。
無論、日本にとっては、それだけにとどまる話ではない。自らの安全保障にかかわる重大な問題である。
ここ一年の中国の動きを見ても明白である。原子力潜水艦が領海を侵犯し、違法な海洋調査を繰り返している。東シナ海では、日本が主張する「中間線」近辺でガス田を開発し、日本が求める情報提供に応じていない。
そうした中国の軍事力強化につながるような動きは、看過できない。政府は、対中武器禁輸解除を思いとどまるよう、EU各国の指導者に対し、これまで以上に強く働きかけるべきである。
EUが対中武器禁輸解除へと動く背景には、近年、加速の度を増している両者の関係強化がある。天安門事件直後、中国の人権政策をめぐって冷え込んだ関係は、その後徐々に改善の方向に向かい、九八年以降は、定期首脳会議を開催するまでになっている。
特に貿易面では、中国はEUにとって第二の貿易相手、EUは中国にとって最大の貿易相手となるほど、その伸長が著しい。昨年から今年にかけ、英独仏伊などEU主要国の首脳が相次いで訪中したのも、中国市場を意識してのものだ。
こうした状況の中で、中国は、武器禁輸が続けば両者の関係に悪影響が及ぶ、と解除へ圧力を強めてきた。EU側も、主として独仏両国を中心に、解除に積極的な姿勢を示していた。
EU加盟国の中には、英国や北欧諸国のように、中国の人権状況に依然、目立った進展がないことを挙げ、禁輸解除に慎重な姿勢を崩さない国もある。ただ、中国が、政治的権利の擁護などに関する国際人権規約を批准すれば、こうした反対意見が弱まる可能性がある。
EUは国際政治における重要なプレーヤーである。経済権益を追求するあまりアジアの不安定化を招くようなエゴは、控えてもらいたい。
(2004/12/15/01:36 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041214ig90.htm
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参考までに、読売新聞は日本の武器輸出について何といっていたか?
http://www.asyura2.com/0411/war63/msg/1387.html
「安全保障環境の変化や軍事技術の進展に合わせて、武器輸出政策も、絶えず見直していく必要がある。」