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<前略>
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2004/12/13 564号 (転送紹介歓迎)
[JCJふらっしゅ]
世界の平和にかかわる最新ニュース、マスメディアのニュースの検証など、市民とジ
ャーナリストによる平和のネットワークづくりのためのメールマガジンです。メディ
ア関係者、マスコミOBにもおすすめです。
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C・O・N・T・E・N・T・S
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〇◎〇「12/11イラク派兵差止訴訟全国原告交流集会・名古屋」レポート
―――近藤ゆり子
◆同集会アピール
◎◎Y記者の「ニュースの検証」
9日 小泉内閣総理大臣/
自衛隊のイラク派遣延長に関する記者会見の内容とチェック項目
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〇◎〇「12/11イラク派兵差止訴訟全国原告交流集会・名古屋」レポート〇◎〇
―――近藤ゆり子
「12/11イラク派兵差止訴訟全国原告交流集会・名古屋」は140名の参加を
もって成功裏に終わりました。各地訴訟を中心的に担う方々の熱い熱い思いが寄せら
れました。
単なる仲良し集会に終わらない思い・・・懇親交流会のときに激しいとまで言える)
議論の一つ一つをとってみても「一刻も早く撤兵させたい」「勝ちたい。勝つことで、
もう二度と(大日本帝国から数えれば何度目か!!)侵略戦争に加担させない」とい
う真剣な思いが溢れていました。
これからも各地訴訟が連携を緊密に取り合うこと、また「いつ・どこ」までは具体
化しないものの、全国原告交流集会をまた開催すること、を確認しました。各地での
「地域密着・草の根」運動の構築、平和を目指す諸グループとの積極的連携、全国さ
らにアジア・世界を見渡す情報発信などの方向も出されました。
私たちは、各地からのこの真剣で熱い思いを受け止めさらに前進します(12/21
に名古屋地裁に追加提訴をします)。また各地訴訟の原告は着実に増えています。1
月には5000人になるでしょう。1万、2万の「普通の市民」の提訴を目指します。
違憲かつ非道な戦争加担への憤りと加担させられる苦痛を訴えます。私たち自身が、
そして次世代が戦禍の加害者・被害者にならないために、基本的な人権救済を裁判所
に求めているのです。どうか一人でも多くの皆様が原告となり、さらに周囲の方を誘
って下さることをお願いしたく存じます。
(自衛隊イラク派兵差止訴訟の会・スタッフ)
自衛隊イラク派兵差止訴訟の会
http://www.haheisashidome.jp
……………………………………………………………………………………………………
「12/11イラク派兵差止訴訟全国原告交流集会・名古屋」アピール
−「派遣期間延長閣議決定」に抗議します。一刻も早い撤兵を−
私たちは、これまでにない決定的次元の憲法違反である自衛隊イラク派兵を許さな
い、という思いで、各地裁(札幌、東京、名古屋、山梨、静岡、大阪、仙台)に提訴
した原告、または具体的に提訴準備(栃木・岡山)をしている者です(全部で450
0名以上)。
私たちの声をさらに大きくし、勝訴を得るために、全国の原告が連帯・連携してい
きたいと、本日名古屋に集いました。
小泉内閣は、「自衛隊のいるところが非戦闘地域」などと主権者を愚弄する発言を
繰り返すことで、説明責任を回避し、国会での議論を封じたまま、12月9日、「1
年間の派遣期間延長」を閣議決定しました。
米英軍主導によるイラク“戦争”そのものが何の大義も正当性もなく国際法違反・
国連憲章違反の侵略行為であることは、すでに広く国際社会が認めています。日本政
府がそのイラクに重武装した自衛隊を派兵していることは、米英軍が犯している侵略
行為の「加担」以外の何物でもありません。
日本国の最高法規である憲法第9条第1項は、「戦争を放棄」し、「武力の行使」
や「武力による威嚇」もしないことを定めています。私たちは、世界に誇れるこの憲
法9条を改悪する勢力と断固として闘い、守りきって行く決意です。自衛隊が「自衛
」目的のものであり第9条に違反しないという政府の見解に立ったとしても、日本に
武力攻撃を全く加えていない国(イラク)に対する重武装の自衛隊派兵は「防衛」目
的を超えており、明白な憲法違反です。
また、11月上旬以降のファルージャへの総攻撃は、民間人への攻撃、文化財及び
礼拝所に対する敵対行為の禁止、軍事目標と民間人・民用物を区別しない無差別攻撃
を禁止したジュネーブ条約第一追加議定書第51条に違反する更なる戦争犯罪です。
また文民病院へのいかなる場合でも攻撃を禁止した同条約第四議定書第18条にも違
反しています。沖縄の基地から出撃した米軍が国際法違反の虐殺行為を行っています。
こうした不法・非道な泥沼の侵略戦争に加担し続けるという今回の「期間延長」に、
私たちは心からの憤りを覚えます。小泉首相に強く抗議し、一刻も早い自衛隊撤兵を
求めます。
野党各党は小泉政権の、憲法無視、国会無視、民意無視のこの暴挙を許さない運動
を強く進めて下さい。
各地裁の訴訟において、被告・国は「訴訟自体が不適法」と頑なに言うのみで、ま
ともな対応を避け続けています。私たちは力を合わせ、国に正面から応えるように強
く求めていきます。一人でも多く原告になって貰い、裁判所を動かしていきます。
私たちはこの集会で、国の頑なな壁を打ち破る知恵と力とを得ることができました。
イラク撤兵を迫る各地の運動とをつなぎ合う基を築きました。
平和で、自由な民主的国家を形づくろうとするイラク民衆への熱い連帯の思いを表
明すると共に、この力をもって、日本各地で声を上げている方々、そして平和を愛す
る諸国民との連帯を強め、この不法な戦争を一刻も早く終結させ、全世界の国民が平
和のうちに生存する権利を享受できる社会を創り出すために、さらに前進することを
ここに宣言します。
2004年12月11日
12/11イラク派兵差止訴訟全国原告交流集会・名古屋 参加者一同
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◎◎◎◎┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓◎◎◎◎
┃Y・記・者・の・「・ニ・ュ・ー・ス・の・検・証・」┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
□■9日 小泉内閣総理大臣/
自衛隊のイラク派遣延長に関する記者会見の内容とチェック項目
以下出所;首相官邸 小泉総理の演説・記者会見等
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/12/09press.html
【小泉総理冒頭発言】 ●数字●=首相発言部分 ◇◆以降=チェック内容
●1●
本日、政府はイラクでの自衛隊人道復興支援活動を1年間延長することを決定いた
しました。このことにつきまして、私は基本的な考えを申し述べたいと思います。
◇◆閣議決定ですむという法律でも、それで押し通そうとするのはなぜですか? そ
れは許される行為だとお思いですか?
イラク特措法で、延長等について閣議決定で決められるようにしている(多数をも
って勝手にそう決めている)が、無視していいというわけではない。これは現代社会
の常識である。それを事後報告で済む、済ませようとするところにこの内閣がかかえ
る非常に特殊な事情が感じれらる。
世論と政策が大きく乖離している場合、単に説明責任を果たすだけでなく、相当の
議論を必要とするのが民主主義社会である。先細りに恐怖心を抱く自民党にとって、
右旋回は生き残りのための「劇的な内部変革」のつもりなのだろうが、それは自民党
の都合であり、市民と共有するものではない。
北の核やテロの脅威など、恐怖をあおり、軍国主義化を進めるのは、市民の口を封
じるためである。日本の平和主義、民主主義に対する重大な「挑戦」といわざるをえ
ない。
メディアは「説明責任を果たしていない」という程度の指摘でとどまっている。説
明責任さえ果たしていないのであり、十分説明しろだけでは直面している状況に適切
な声をあげたことにはならない。言うべきことを言わず、世論の反対が60%を超え
たら、こんどは「営業上」の理由から世論の側につく、あるいは多少配慮するように
なる。そういう傾向が顕著になっている。
これはマスメディアが言論・報道機関としての役割を投げ捨て、政府広報ないしは
営業の継続のみを自己目的化した「成熟化」を示すものである。これは衰退への道を
選択する行為であり、各メディア企業のすべての利害関係者及び情報の受け手である
すべての市民の危機となる。メディアの再生、ジャーナリズムの復権にむけたあらゆ
る活動が期待されるところである。
●2●
まず第1に、自衛隊の活動する地域は非戦闘地域でなければならない。現在も、非
戦闘地域でありますから、国会における答弁におきましても「自衛隊が活動する地域
は非戦闘地域である」という答弁をしてまいりました。
◇◆憲法を違反して自衛隊を派遣できて嬉しいですか?
明白な言い逃れである。発言の前後関係を無視して再構成したフィクションである。
あの発言を首相に「冗談」とかばってみせる自民党議員もいるが、そうではない。政
府解釈の国または国に準じる組織による戦闘行為は、もともとイラクでは想定外のこ
とであり、いかなるゲリラ攻撃、いかなるレジスタンス行為も最初から戦闘と認めな
い論理構築がなされているのであり、その姑息な法システム自体が、派遣地域の実態
を無視した欠陥法である。そうと知りながら、政権の延命のために強弁を続けること
自体、まったくの失態であり、違法行為である。メディアは「野党の追及も甘い」な
どと、他人事を気取っていられる状況ではない。メディアの存立基盤にかかわる重大
な役割を放棄していることに気づく必要がある。
●3●
私は、今後もこの非戦闘地域の状況が続くであろうと判断いたしました。もちろん、
予断を許さない厳しい状況であります。
100 %確実かと言われれば、世の中に100 %ということはありませんから、予断を
許さない厳しい状況であるというふうに認識しております。いろいろな状況を考えま
して、事態の変化、状況の変化に対しましては適切な措置を講じます。
◇◆厳しい状況のなかへ突っ込んでいくのがお好きなんですね?
いかなる苦難にも負けない強靭な魂というのは、こういうことではない。子どもた
ちに間違えないように、きとんと教える必要がある。また、現政権の使い古されたレ
トリックでいけば、「適切な措置」とは厳密には「適切と思われる措置」に過ぎず、
イラクでの犠牲者を増やすだけの無能な政権運営を許容できるものではない。
その上、首相は、「適切と思われる措置」を具申させ、その失敗は担当者の責任に
し、騒ぎになると第三者の立場から「調整」をほのめかすだけの無責任を繰り返して
いる。何が起ころうとも、「政府としては、その時々、適切と思われる措置を講じる
だけです。残念です」で済むと思い込ませた責任の多くは、メディアに帰結されるべ
きところが大きいのではないか。
●3●
そして、現在、イラクのサマーワ地域におきましては、自衛隊諸君の献身的な活動
のお陰によりまして、多くの現地の住民から深い感謝と高い評価を与えていただいて
おります。自衛隊諸君の、厳しい状況にもかかわらず、毎日毎日汗を流して、自分た
ちの活動がイラクの国民のために役立っているんだと、自分たちの使命に対して誇り
と自信を持って活躍しております自衛隊の諸君に改めて深い敬意を表したいと思いま
す。
同時に、イラクの暫定政府、大統領、首相を始め、地元の知事、現地の方々から日
本政府に対して自衛隊の人道復興支援活動、是非とも今後も継続してほしいという要
請が日本政府に寄せられております。
◇◆新聞はあまりご覧にならない?
派遣の延長は国家として重大な決断である。小泉首相の感想で決められるものでは
ない。サマーワの現地の住民から深い感謝と高い評価を受けているという、その根拠
を明らかにする義務がある。この発言自体が、世界の報道を真っ向から否定するもの
であり、明らかなメディアへの挑戦と受け取るべきものである。
読売新聞や産経新聞のような立場をとる新聞も、論説はいざしらず日頃の報道を否
定されているのであり、それに抗議しないのはおかしい。首相という立場から、首相
の認識の表明は、国民に対する報告の意味合いを包含するもとと解すべきである。読
者は小泉純一郎首相の情勢認識と新聞記事とどちらを信じればよいのか。それとも、
自社の報道でも、サマーワの住民には自衛隊撤退を求める声は載せないのか。あって
も小さいものだと、デフォルメしているのだろうか。
日本に対する期待は大きいと聞く。しかし、それが裏切られたとする声も広がって
いる。自衛隊撤退を要求するデモもある。占領軍と一体と見なすとのサドル師派の声
明も出ている。一方、小さな島国なのに一度は米国を痛い目にあわせた、原爆を落と
されながら復興を遂げ経済大国となった、同じアジアの民として平和的に経済関係を
築いてきたなど、過去の遺産もまだ生きている部分もあるかもしれない。自衛隊の駐
留が、米軍の直接統治を阻んでくれるのではというような、いわば実質的な「防衛」
に期待するむきも存在していると私は思っている。
だが、その期待さえ裏切る発言を小泉首相は平気で言ってしまう。ファルージャの
総攻撃に対する賛成発言だ。これでは、サマワの人々は、自衛隊に何を期待できるの
か。米軍の大虐殺さえ支持してしまうような日本であれば、その期待が急速にしぼみ、
警戒、反感が強まっても不思議ではないのである。日本政府は、少なくとも米国に同
調するイラクの人々だけを見るのではなく、それ以外の多数の人々のこともきちんと
視野に入れねばならない。
それが、本当の意味で、米国や英国と一線を画した、日本らしいイラクとのかかわ
り方を発想させる根源として求められるものである。小泉首相にはそれがない。日本
を代表していると称して、民意と大きくかけはなれた「発言」を、安易にしてしまう。
首相の器にふさわしいとは到底いえないのではないか、と私は思っている。
●4●
今、イラクの国民は自分たちの国を自分たちの手でつくり上げようとすることで懸
命であります。苦しい状況であります。このイラクに安定した民主的な政権をつくる
ために、このイラクの暫定政府に協力している人たちに対して、テロ行為も各地で起
こっております。何とかイラクに安定した政府をつくらせない、イラクをテロの根拠
地にしたいという勢力と懸命に戦っております。
こういうことを考えますと、来年1月、イラクにおいては自分たちの国は自分たち
でつくるんだという議会の選挙が予定されております。この自分たちの政府をつくろ
う、民主的な政権をつくろうとして、1月の選挙実施に向けてイラクの政府も、イラ
クの国民も立ち上がっております。このときに、果たして多くのイラクの国民から、
政府から、地元の方々から、自衛隊活動を継続してくれという要請を断るのは妥当で
はないと思っております。
テロに屈せず、イラクの政府は自分たちでつくるんだという、そういうイラクの方
々の意欲を後押ししたいと、手助けしたいということから、私は自衛隊の活動が必要
であろうと。今までも自衛隊諸君の努力によって、イラクの住民から高い評価を受け
て、将来にわたってイラクが一番苦しいときに、日本はこのイラクの国づくりに手を
差し伸べてくれたなと、必要な支援をしてくれたなと、評価を得られるような活動を
今後も継続していくのが日本の責任だと思っております。
◇◆ご自分で見たくないと思うものからは、目をそらして忘れてしまう質ですか?
「テロに屈せず、イラクの政府は自分たちでつくるんだ」とイラクの人々は思って
いると、勝手に決めつける言い方。これは虚言である。イラクの政府を自分たちでつ
くろうとしているからこそ、占領軍のやり方に反対し、反発し、拒絶し、身を守るた
めに銃を取り、なかには過激な戦闘行為に走るグループも出ているのである。反米感
情の高まりを力で抑えつけることは出来ない。本当に、「イラクの方々の意欲を後押
ししたいと、手助けしたい」と考えるならば、期限を迎えた自衛隊を撤収することを
躊躇すべきではなかった。イラクの人々の思いを汲み取る努力が欠落しており、情勢
を認識がかなりあやしいと判断されてもしかたがない。
●5●
そして、私は就任以来、日本の外交の基本は、日米同盟と国際協調だと、これを両
立させることが、日本が平和のうちに発展・繁栄する一番な方針であるということを
述べてまいりました。それを、今、具体的に実施に移していると。
開戦の経緯においては、アメリカやイギリスとフランスやドイツと意見を異にいた
しました。しかし、現在、フランスもドイツも、米軍がイラクから撤退しろとは一言
も言っておりません。むしろ、米軍の存在が必要だと言っております。そういう状況
から、開戦の経緯はともかく、国連ではフランスもドイツも含めて、全会一致で国際
社会がイラクに安定した民主的な政権をつくるために、加盟国に対して、それぞれの
国にふさわしい支援を要請してきております。アメリカも大きな犠牲を払いながら、
イラクに安定した自主的な政権をつくろうとしている。
◇◆それは誤解を招きかねない発言ですね。
フランスやドイツは、撤退より、アメリカが責任を取るべきだという立場である。
「現在、フランスもドイツも、米軍がイラクから撤退しろとは一言も言っておりませ
ん。むしろ、米軍の存在が必要だと言っております」という説明は誤解を招く。首相
発言としては、好ましいものではない。
また、「イラクに安定した民主的な政権をつくるために、加盟国に対して、それぞ
れの国にふさわしい支援を要請してきております」というが、これでは、まるでサマ
ワへの自衛隊派遣が国連の要請に基づくものといわんばかりだ。これも国民に大きな
誤解を招く発言だ。明確なウソに類する発言との批判が出ておかしくない言い回しで
はないだろうか。
また、平和憲法をもつ日本が、この事態において果たすべき役割について深く、広
く検討した形跡は感じられない。政治家に期待されることが、なんら行われていない
のではないだろうか。
●6●
約三十か国の国々が今、イラクに部隊を派遣して、アメリカやイギリスとともに、
治安活動始め、イラクの暫定政府と協力しながら、安定した国づくりに努力しており
ます。
日本として、アメリカ、イギリスとは活動は一線を画しておりますが、日本にふさ
わしい支援活動をできるだけするのが、同盟国の日本として、また国際協調が大事だ
と思う国として、必要ではないかと。日本はよその国とは違った活動をしております。
日本は、治安活動には参加しておりません。武力行使もしておりません。イラクの人
道支援、復興支援に自衛隊の諸君に汗を流していただいている。各国とは違う支援を
行う。それは日本にふさわしい支援をしているからであります。
でき得れば、自衛隊の諸君だけでなく、民間の方々にも、民間の企業にも、イラク
の復興支援活動をいろいろやっていただける状況ならいいんですが、今そういう状況
ではありません。自衛隊の活動は日本の支援の一部であります。しかし、現在の厳し
い状況においては、自衛隊の諸君による人的支援と、そして政府開発援助ODAによ
る資金援助、物資援助、こういう日本にふさわしい支援をしていくのが、国際社会の
一員としての日本の責務であり、日本の発展と繁栄というものは、世界の平和と安定
の中にあるということを考えるならば、この日米同盟と国際協調の方針を具体的に実
施に移している今の日本の支援策は、日本の国益にかなうと確信しております。
どうか、国民の皆様の御理解と御協力を、心からお願い申し上げます。
◇◆イラクへの派兵国は半減すると見られていますが?
イラクに部隊を派遣した国々のうち、撤退を表明したり、撤退を検討している国々
についてふれていない。なぜふれないのだろうか。それらの国々を除くと、20ヶ国
になる。37カ国から20カ国に減ろうとしている現実を、なぜ国民に報告し、その
上で了解を求めようとしないだろうか。延長反対の人が6割をこえるなかでも、さら
にこうした大事なことに言及しないやり方。現代民主主義の日本で、こういうことが
まわり通るようなことがあってはならない。
*記者会見はこのあと、首相と記者との質疑応答となる。官邸のサイトの文書では、
その質疑応答の内容も収録している。記者それぞれの努力や力点の違いがわかるので、
ぜひ目を通してほしい。質問者の社名は載っていないので、ビデオにとった人や、メ
モをとった人に聞くのもいいし(私は全部は覚えていないので)、また、やりとりの
内容から想像してみるのも面白いのではないだろうか。
質問の中で私としては、最後の最後に出された「再延長ということも選択肢にはあ
るんでしょうか」という質問には拍手。首相は撤退に関連して、「現地の復興の進展
状況、またはイラクにおける政治プロセスの進展状況、現地の治安状況、多国籍軍の
活動状況など、総合的によく勘案して、それに対応できるような適切な措置を講じた
いと」と、答えているが、この表現は玉虫色で、撤退だけでなく、再延長の判断にも
つなげた発言だったからだ。
以下長くなるので、首相と記者との質疑応答の部分は、下記を参照されたい。
首相官邸 小泉総理の演説・記者会見等
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/12/09press.html
<以下略>
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200412131730000000102032000
全国で自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟を起こしている原告団や支援者が11日、名古屋市中区の市教育会館で交流集会を開き、派遣延長の閣議決定に抗議し早期撤退を求めるアピールを前回一致で採択した。
差し止め訴訟は、北海道、宮城、山梨、愛知、大阪など8件で、原告は約4500人。愛知の原告団が「勝利のために原告が連携する必要がある」と呼びかけて集会が実現。各地から約140人が出席した。
集会では、訴訟の趣旨や原告の思いを裁判所や市民に伝え続けることや、原告団の訴えを国連や各国首相に送り、日本政府に圧力をかけるなどの提案を連携して実施することを検討することにした。
呼びかけ人「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」(名古屋市)の池住義憲代表(60)は「派遣延長や防衛大綱の閣議決定など悪い方向に向かうプロセスの中で、こういう声が出せたことは重要。派兵をやめさせる歴史的戦いにしたい」と語った。【清勝天】
2004/12/12