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●師走は何かと雑事が多く、ウェブログ書き込みも滞り気味です。
そろそろポンカン(屋久島特産柑橘類の一種)の収穫をはじめていますが、今年は度重なる台風で実を落とされたために数が少なく、最低限の必要量さえ確保できるかどうか。そのうえ、台風は自然林の実りも落としたらしく、腹を減らした野猿たちが果樹園に手を出す勢いも例年以上です。
●自衛隊派遣延長は閣議決定され、北朝鮮非難の嵐は燃え広がるばかり。前者は“小泉特攻作戦”ともいえる確信犯的墓穴堀りで、弄ばれる自衛隊員がかわいそう。いっぽう、後者はあまりにも歴史的視野を欠いていて、珍しく政府の慎重さに共感をおぼえます。被害者やご家族の悲痛はわかりすぎるほどわかるけれど、北朝鮮はもともと、現在の拉致事件と比べものにならない日本の植民地暴政に対する武装レジスタンスから生まれた国。実質的に、その戦争状態がいまなお続いているわけで、まず何らかの和平交渉を完結させない限り、“戦時中”の被害をいくら言い立てても、それを理由に経済制裁を発動しても、先方には響きにくいでしょうし、経済制裁で苦しむのはいつも民衆です。アメリカの核のスカートに隠れて(対北朝鮮)“戦時中”を意識せず、自力でそれを終わらせる努力を怠ってきたのは、ぼくら日本人一人ひとりでした。
●現在発売中の月刊『世界』(2005年1月号)に、知る人ぞ知るカナダきっての女性論客ナオミ・クラインによる入魂の論考「バグダッド零年――ネオコンのユートピア幻想に奪われたイラク」を訳しています。以下はその解説文。この「戦後60年」特集号は読みごたえのある記事が多いですが、久々に読む柄谷行人へのインタビュー「『一九四五年』と『二〇〇五年』」もお薦めです。
一九七〇年、カナダ生まれのナオミ・クラインは、インド出身のブッカー賞作家アルンダティ・ロイ、アメリカの良心を代表する独立系メディア「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマンと並んで、現代英語圏の三女傑、いや働き盛りの三大語り部に数えられる。帝国とグローバリズムに立ち向かう情熱はいずれ劣らぬものの、クラインの持ち味は世界的なベストセラーとなったデビュー作『ブランドなんか、いらない』(はまの出版)以来の徹底した市場経済原理主義批判だろう。米英によるイラク侵攻=占領=支配を、自由市場番外地創出の野望とその挫折という文脈で論じた本稿は、クラインの面目躍如たるものがある。
活躍の場は、英ガーディアン、カナダのグローブ・アンド・メールの二紙と、米リベラル左派の牙城ネーション誌を中心に、ニューステイツマンやニューヨークタイムズ、ミズなど幅広く、独立系サイトへの転載も盛んだ。邦訳は前掲書の他『貧困と不正を生む資本主義を潰せ』があるが、ロイ同様、あいにく売れっ子すぎて版権のガードが固く、ネットで読めるものは少ない。下記に最近の注目邦訳記事URLを二つご紹介しておく。とくに後者は、膨大なイラク債務の放棄を各国に求めるブッシュの特使ベーカー元国務長官が、逆にクウェートの対イラク債権(戦後賠償)確保を狙う米カーライルグループの上級顧問と大口株主に納まっていた事実をスクープしたもので、本稿との併読をお薦めしたい。
ブッシュ再選を受けてパウエルら閣内中道派やCIA内現実派の辞任が相次ぎ、選挙期間中はなりを潜めていた右派ネオコンの天下となりそうな二期目、イラク経済再建にも劇薬路線の復活があるのか。引き続きクラインの筆鋒に期待しよう。(星川)
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-bd6f5fe7c5900e7f4b0c8d301393b7a4.html
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/10/post_7.html
http://blog.melma.com/00067106/