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新防衛計画大綱を決定 自衛隊の海外派遣「本来任務」に
政府は10日の安全保障会議と閣議で、今後10年間の安全保障政策の基本的な指針と防衛力のあり方を示す、新たな「防衛計画の大綱」を決定した。国際テロや大量破壊兵器、弾道ミサイルなど「新たな脅威」への対処を第一に掲げ、国土防衛に加えて、国際的な安全保障環境の改善に取り組むことを新たな目標に掲げた。そのため、海外派遣の本格的な態勢を構築するほか、輸送力を中心とする装備を強化する方針を明示した。国土防衛のための必要最小限の「基盤的防衛力」(中期防)を維持する方針からの転換だ。新大綱に基づき05年度から5年間の「中期防衛力整備計画」も同時に決定。予算総額は約24兆2400億円で、今年度予算と比較した平均伸び率はマイナス0.2%となり、予算面では一定の抑制策をとった。
新大綱は、9・11テロにみられたような国際テロ組織の活動や大量破壊兵器と弾道ミサイルの拡散など「新たな脅威」への対処を優先課題と位置づけている。また、日本周辺の情勢について、北朝鮮の軍事的な動きを「重大な不安定要因」とみなすとともに、中国についても軍事力の近代化や海洋での活動範囲の拡大を指摘し、「動向には今後も注意していく必要がある」とした。中国への警戒感の明記は、76年に最初の防衛大綱が策定されて以来、初めて。
中東から東アジアに至る地域についても「我が国にとって(この地域の)安定は極めて重要」として、積極的に関与する方針を打ち出した。
こうした情勢認識のもと、国土防衛を主眼としてきた自衛隊の位置づけを改め、「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に脅威が及ばないようにする」という目標を設定。国際テロ対策などのために自衛隊を海外でも積極活用する方針だ。
具体的には現在の自衛隊法で「付随的任務」とされている自衛隊の海外任務について、新大綱は「自衛隊の任務における同活動の適切な位置づけを含め所要の体制を整える」と明記。防衛出動と同じ「本来任務」に格上げする方向を示した。海外派遣のための教育訓練や部隊の待機態勢、輸送能力強化などをうたった。防衛庁は国連平和維持活動(PKO)であれば、安保理決議採択から30日以内に派遣できる態勢を目指している。
また、イラクでの日米の協力などを念頭に、新たな脅威への対応にも日米安保が「重要な役割を果たしている」と指摘。現在の米軍再編協議を踏まえ、日米で戦略目標を共有して役割分担などを協議する戦略対話に取り組むとして、安全保障面での一層の「日米一体化」を志向している。
特に弾道ミサイルについては「ミサイル防衛(MD)システムの整備を含む必要な体制を確立する」と明記し、MDの運用開始を目指している。迎撃ミサイルSM3搭載のイージス艦を4隻、同じくPAC3保有の地対空誘導弾部隊を3個高射群整備する。同日、発表した官房長官談話でMDの運用について「法的措置を含む所要の措置を講ずる」とし、閣議などの手続きを経ないでも迎撃できるよう、手続きを簡素化する方針を示した。
自衛隊の定数や装備を示す「別表」では、陸上自衛隊の定数を5000人減の15万5000人と定め、戦車を約900両から約600両に減らすことなどを記した。本格的侵攻の可能性の低下やMD導入に伴う措置だ。
また、大綱が対象とする期間を「おおむね10年」と初めて明示し、「5年後または情勢に重要な変化が生じた場合」に見直す規定も盛った。米国が4年ごとに安全保障戦略を見直していることから、日米間の戦略調整を容易にするためだ。
中期防では、海外活動の本格化にあわせ、航続距離を飛躍的に延ばすためC1輸送機の後継機を8機導入するほか、F4戦闘機の後継となる新型戦闘機7機の導入を盛り込んだ。 (12/10 11:15)
http://www.asahi.com/politics/update/1210/004.html