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バグダードにいるダール・ジャマイルのウェブログから,12月6日の記事。我が物顔のCIAと傭兵集団,ガソリン危機と物価高騰,「車をどかさないと踏み潰す」と言われる市民生活,そしてファルージャ再建プラン……。
「モデル都市」としてのファルージャ
Fallujah as a "Model City"
December 06, 2004
http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000149.php
昨日バグダードを車で走っていたら,武装した男を満載したGMCが,私たちの車にぶつかりそうになって追い抜いていった。窓から私たちに(そして他の車すべてに)銃を向け,2〜3人の男たちが手を窓の外に突き出して地面の方に向けて振っている。この車が通るから道を空けていろと指示するためだ。
CIAおよび/または傭兵たちは,ここではいつもこんなふうに移動する。
SUVが取りすぎてゆく。金属のバリアを隔ててガンマンが座っている。ガンマンのマシンガンは私たちに向けられている。彼は私たちの方を照らし,私たちは下がっていなければならないという事実を強調する。
2台目のSUVはヘルメットを着用した武装した男たちを満載して,通りすぎてゆく。友人のアハメドが私の方を向いて言う。「ここはいったいどこだ。イラクはどこでもない場所になってしまった。俺たちの暮らしを見てみろよ,まったくもう。」
耐えがたいほどのガソリン危機は,さらにひどくなっている。ガソリンスタンドの列は,ところによっては8マイルにもなっていて,人々はガソリンを手に入れるために何時間も,場合によっては何日も待たなければならない。運がよければ,自分の番が回ってくる前にスタンドのガソリンが切れてしまうことなく,満タンにしてもらうことができる。
ヤミ市場でのガソリンの値段は,もし幸運にも見つけることができたとしても,リッター当たり1ドル近い!
発電機も燃料不足だ。だから電気がない。バグダードのほとんどの地域での送電は1日に6時間。1日に2時間という地域も多い。
ガソリン危機で輸送費が上昇し,食料の価格が急騰している。ケロセンやプロパンといった調理用の燃料もそうだ。
今日また,ベイジの製油所とバグダードを結ぶパイプラインが破壊された。むろんそんなことをして改善されるわけがない。
書かなければならないものを片付けるために,ずっとホテルにいた。またもや近くで大きな爆発があり,窓のガラスがカタカタと鳴った。そして散発的な自動火器の銃声は,バグダード中にしている。
「もうほんとマジやんなったよ,ここが」と,今晩私の部屋に来たサラームが言う。近くに駐屯している兵士たちによって,イラク警察に所持品検査をしてもらうよう指示されたということで,怒っているのだ。警察のひとりはサラームに「兵隊たちはほんとに腐りきったバカ(stupid mother fuckers)だから,私たち警察に検査をさせてくれないか。あなたがここにしょっちゅう来ていることは私たちにはわかっている。兵隊たちには覚えられないにしてもね。私たちも仕事なのでやらないといけないので。」
サラームは昨日ネットカフェにいたのだが,そのとき狭い通りに駐車しておいたので,戦車が通れなくなっていた。イラク警察の警察官がネットカフェにいるサラームを見つけて,「兵隊たちが,車をどかすか,さもなくば踏み潰すを言っているのだけど,動かした方がいい。前に踏み潰すのを見たことがある」と言った。
イラク人の人心掌握(the winning of hearts and minds)には,ファルージャ住民のために整備されたものもある。軍は,ファルージャ住民が自分たちの町に戻ることを許すために用いようと考えている計画を,発表した。
彼らは「手続きセンター」をファルージャ周辺に設立し,人々のアイデンティティ(個人情報)のデータベースを,DNAテストと網膜スキャンを使って,構築する。また,住民は住所を書かれたバッジを受け取り,そのバッジを常に身につけていなければならない。
住民たちはバスで町に輸送される。各自の車は,軍が自爆攻撃に用いられることを恐れているので,禁止される。
検討されているアイディアはほかにもある。男性は軍隊流の大隊で働いて報酬を得るものとする,というもの。大隊内の「労働隊」が,スキルに応じて,建物や上下水道設備を再建する。
「瓦礫除去」の小隊もできるという。
米国の司令官とイラクの指導者たちの目的は,ファルージャを「モデル都市」にすることである。
彼らはこれをバグダードでもやるつもりだろうか。ファルージャを破壊することによって,レジスタンスを潰し,安定を創り出すという目的はたいそううまく行き,レジスタンス戦士は,現在バグダードで,米軍に協力するイラク人を探して,ハイファ・ストリートを自由に歩き回っている。
彼らはタハリル・スクエア(Tahrir Square)でコラボレイター(協力者)と疑われた男性を処刑した。それから,暫定政権と米国大使館が位置している「グリーン・ゾーン」からわずか3ブロックのマサフ・スクエア(Mathaf Square)に移動した。
ジャマイルが書いているファルージャ再建プランについては,数日前にどこかで読みましたが(英語のウェブログか掲示板のようなところで),投稿されたものを読む限り,当然のごとく,「ユダヤ人は全員バッジを着けること」というナチス・ドイツの例のあれが連想されているようでした。
米英はイラクでいろいろと実験したいんじゃないかという記述もいくつか読んだことがありますが,その中には「Big Brother(<ジョージ・オーウェル『1984』参照)国家」の実験,というのもあったと思います……ただし私が読んだとき(1年くらい前?とにかくCPAでブレマーだった頃)には,ブラックユーモアとして書かれていました。
投稿者:いけだ