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12/20 18:40 再度の一騎打ちは野党優位 １０年の強権体制終えんへ
首都キエフでの連日の野党支持者による大規模抗議行動を背景に
実施が決まったウクライナ大統領選のやり直し決選投票が二十六日
、行われる。与党候補ヤヌコビッチ首相（５４）と野党候補ユシチ
ェンコ元首相（５０）の再度の一騎打ちは、ユシチェンコ氏勝利の
公算が大きく、クチマ大統領による二期十年の強権体制が終えんを
迎えつつある。
親ロシアのヤヌコビッチ氏と欧米志向の強いユシチェンコ氏。北
大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）加盟国とロシアの間に位置する戦略的
要衝ウクライナを舞台にしたロシア対欧米の代理戦争となったが、
野党側が勝利すれば、ロシアのプーチン政権は、欧州への傾斜を深
める隣国との関係見直しを迫られることになりそうだ。
これまで政権側の影響下にあったマスコミから無視されてきたユ
シチェンコ氏。だが、最高裁による決選投票無効決定を勝ち取った
「オレンジ革命」後は偏向報道もなくなり、大規模不正の再発防止
策を盛り込んだ選挙法改正も行われるなど選挙戦はこれまでと様変
わりした。
ユシチェンコ氏は十七日には、与党側の地盤である東部の中心都
市ハリコフで数万人の支持者に迎えられた。野党側選対は勝利に自
信を深めている。
一方のヤヌコビッチ氏は休職に追い込まれたため現職首相として
の優位な立場を事実上失い、選挙運動は地盤の東部に限られている
。最近は「野党の街頭行動に対し無策だった」などと、与党候補で
ありながらクチマ大統領批判に転じており、当選を目指すよりも、
今後の政界での生き残りに重点を移しているとの見方も出ている。
ヤヌコビッチ氏は支持者に「野党の不正があれば二十六日にキエ
フに集結を」と呼び掛けている。投開票当日には欧米や日本などか
ら八千人以上の選挙監視団が入り、選挙の行方を見守るが、中央選
挙管理委員会がユシチェンコ氏当選を発表すればヤヌコビッチ氏陣
営の異議申し立てが必至とみられている。
野党側の要求で人事が刷新された中央選管は、混乱回避のため慎
重に開票、集計に臨む方針だ。（モスクワ共同＝佐藤親賢）
20041220 1840
[2004-12-20-18:40]
12/20 18:39 戦略見直し迫られるロシア 欧米、対立回避へ根回し
親欧米のユシチェンコ元首相優勢のウクライナ大統領選やり直し
決選投票を前に、与党側候補を支持してきたロシア側は、安保・外
交戦略立て直しを迫られそうだ。一方の欧米側は、ウクライナの民
主化前進に期待しながらも、ウクライナの分裂回避、面目を失うロ
シア側との関係維持に向けた根回しに動き始めている。
元首相が当選すれば、欧州連合（ＥＵ）加盟のみならず、ロシア
が是が非でも回避したいウクライナの北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ
）加盟問題が現実味を増す。ウクライナを取り込む「統一経済圏構
想」などで「ソ連復活」を目指していたプーチン・ロシア政権にと
って大きな打撃だ。
このため先の決選投票まで親ロシアのヤヌコビッチ首相へ露骨に
肩入れしてきたロシアは一転、軌道修正を図っている。
プーチン大統領は最近「経済関係の深いウクライナのＥＵ加盟は
ロシアの歓迎するところ」とすら発言した。一方で大統領は、ウク
ライナのＮＡＴＯ加盟は容認できないと述べ、明確にくぎも刺した
。隣国ウクライナへのＮＡＴＯ拡大を、ロシアの安全保障に深刻な
影響を与えるとみているからだ。
ロシアの政治学者マルコフ氏は、ロシアの軍事産業界と密接な関
係にあるウクライナがＮＡＴＯ傘下に入った場合の衝撃は計り知れ
ないと指摘。ロシアとＮＡＴＯとの緩衝地帯を失うため、ロシアに
とって大きな脅威となると予想する。
一方、ウクライナと陸続きの欧州諸国は、民主主義という共通の
価値観が野党側の勝利で定着することを期待。米政府もユシチェン
コ元首相が選挙戦を優位に進めている現状を好感している。
中でもウクライナとの歴史的なつながりが深い隣国ポーランドは
、一九八〇年代の東欧革命をリードした自負があり、同様の「革命
」をウクライナ野党に期待。ウクライナでの十一月下旬の決選投票
後の混乱でも、クワシニエフスキ・ポーランド大統領のシャトル外
交など、積極的な介入が目立った。
欧米では、ロシア志向の強いウクライナ東部と、欧米志向の強い
西部が対立を深めることに対する懸念も強い。
米政府はウクライナの「国家統一の確保が重要」（パウエル国務
長官）として、ロシアなどへ働き掛けを強めていく構え。ドイツの
シュレーダー首相も二十日からのプーチン大統領のドイツ訪問で、
ロシアの面目を保った上でのウクライナの東西対立激化の回避策を
模索するもようだ。（モスクワ、ベルリン、ワシントン共同＝佐藤
親賢、永田正敏、辰巳知二）
20041220 1839
[2004-12-20-18:39]
12/20 18:35 やり直し決選投票
やり直し決選投票 ウクライナ大統領選は１０月の第１回投票で
クチマ大統領の後継者の与党ヤヌコビッチ首相と野党候補ユシチェ
ンコ元首相が決選投票に進出。１１月２１日に行われた決選投票は
大接戦となり、同国中央選挙管理委員会はヤヌコビッチ氏の当選を
発表したが、野党支持者が選挙の不正を訴えて大規模な抗議行動を
起こした。最高裁は今月３日、投票に不正があったことを認め、決
選投票を無効と判断、再投票を２６日に行うよう求めた。（共同）
20041220 1835
[2004-12-20-18:35]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。