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アラブ連盟とスペインが、文明間同盟発足へ向けて、一つの団体を作る(エル・ムンド)
12月5日付のエル・ムンド紙(電子版)は、パレスチナ、イスラエル、エジプト各国を訪問中であるスペイン外相ミゲル・アンヘル・モラティノスがカイロでアラブ連盟の事務総長などと会談し、スペイン政府が提唱している「西側世界とアラブ・イスラム世界の間での文明間同盟」への支持を取り付け、実現へ向けてあるグループを作ることに合意した、ということを報道しています。
この「多元主義」をベースにする「同盟」は、米国ネオコンが推し進める一元主義・文明の衝突路線と真っ向から対抗するもののように見えますが、うがった見方をすると、『悪役』を演じている米国の力を使ってアラブ・イスラム世界を欧州の手の内に追い込んでいるようにも思えます。そうだとすると、こんな提唱はサパテロだからこそできることで、あのコワモテが売り物のアスナールでは到底無理でしょう。もちろんスペイン政府独自の発想ではありえません。
モラティノスはこの後にソフィアでパウエルに会って話をする予定です。何をたくらんでいることやら。この記事は全訳します。
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La Liga Árabe y España crean un grupo para poner en marcha la alianza entre civilizaciones (El Mundo : Domingo, 05 de Diciembre de 2004)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/12/05/espana/1102257295.html
『アラブ連盟とスペインが、文明間同盟発足へ向けて、一つの団体を作る』
カイロ : アラブ連盟はスペイン首相ホセ・ロドリゲス・サパテロの、西側世界とアラブ・イスラム世界の間の「文明間同盟」の創設という提唱に対して賛同を与えた。そしてこの提案に対して、その道と形態を作り内容を高めるための連絡グループを作ることに同意した。
「文明間同盟の第一歩が踏み出された」スペイン外相ミゲル・アンヘル・モラティノスはこのように強調した。彼はアラブ連盟の事務総長アムロ・モウッサ、およびこの会議の委員と会合を持った。
モラティノスは、スペインは米国や中国などの支援を求めていることを語り、アラブ会議の次回の閣僚会談で「文明間同盟」を協議するとの約束をモウッサから受け取った。
外相は、3月にアラブ会議の中で正式な形でこの同盟が取り扱われるだろうと語った。
一方モウッサは、国連事務総長コフィ・アナンを支持することでモラティノスと一致したのだが、9月の国連総会においてサパテロが行ったこの提案に対してアラブ連盟があらゆる支援を与えることを確約した。
このスペインの提唱は、憎悪と無理解が新たな壁を作ることを避けることを目的としており、そのために国連事務総長にこの提唱の実施に向けての実力者グループを作るように提案している。
[多元主義]
モラティノスはアラブ同盟の委員たちにこの提唱を説明し、紛争と新たな脅威を解決するより良い方法は多元主義を通してのものであることを表明した。
そのためには、国連のような機関----その正統性と能力がそこで実行される改革をより良いものにしなければならないが----と手段と実行力が必要である。
外相はこの文明間同盟の目的が政治手段と安全と教育の面におけるものであることを説明した。
モラティノスはまず最初に、テロ活動を行うことにどのような正当化もできない原則に基づいた、より正しく安定した国際秩序を強化することを強調した。
教育は、不寛容さや争乱や偏見を防止する能力を持たねばならない。
外相によれば、この文明間同盟は最終的に、寛容さと理解と事由によって治められる世界を作る作業をするために重要な役割を約束するものである。
外相は、このスペインの提案は決してユートピアではない、との確信を述べた。彼は、来年10周年を迎えるバルセロナ・プロセスのような、この同盟を実現させるためのメカニズムが存在することを語った。
[パウエルとの会見]
モラティノスは、EUおよび先日のイベロ・アメリカ会議で大部分の国々からこの提唱に対する支持を取り付けており、EU内でトルコの協力が可能であることにも触れた。
近東情勢に関して、モラティノスは、パレスチナ、イスラエルおよびエジプトを訪問した後、この地域での平和は可能であり、1月9日のパレスチナ大統領選挙後に対話が再開されうることを、確認することができた。
モラティノスはカイロからブルガリアのソフィアを訪れるが、それはOSCE会議に出席するためであり、その場で米国国務長官コリン・パウエルに今回の外遊の印象を語る予定である。