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11月25日付・読売社説(2)
[イラク支援]「議会選挙へ国際社会が動く時だ」
イラク問題をめぐり利害を異にする国々が、来年一月の国民議会選挙を成功に導くため、支援姿勢を打ち出した。
そうした認識を共有した政治的意義は、小さくない。しかし要は、国際社会がどのような具体的行動へ踏み出せるか、ということである。
イラクの民主化を支援する主要八か国(G8)・周辺国閣僚会議は、選挙から来年末の本格政権樹立へ至る政治プロセスを着実に実施することの重要性を再確認し、共同声明を採択した。
共同声明は、選挙における国連が果たす主導的役割に期待を表明したほか、イラクの諸勢力による会議の招集を提唱するなどした。しかし、それらの一つ一つを実行に移すことは、容易ではない。
民主主義の経験のないイラクで公正な選挙を実施するには、特に国連の実務面での指導が不可欠だ。
昨夏の爆破テロで多数の要員を失って以降、最小限の要員しか派遣できないでいた国連が、本格復帰の条件として挙げてきたのは、要員の安全保護に当たる兵員の派遣である。共同声明は、国際社会に必要な支援の提供を求めており、各国とも対応を迫られることになった。
国連のアナン事務総長は、「増員を検討している」というが、どの国が兵員を出すかとなると、見通しは立っていないのが現状だ。
選挙前の早い段階で、政治・社会諸勢力による会議の招集を求めたのは、選挙へのイラク国民の幅広い参加を促すためだ。アラウィ首相率いる暫定政府ばかりでなく、各派指導者は、会議開催へ全力を挙げる必要がある。
だが、イラクでは、戦後情勢の混迷と並行して、民族や宗教ごとに、国家再建へ向けた姿勢の違いが鮮明になりつつある。とりわけ、選挙ボイコットの構えを見せているスンニ派の政治・宗教勢力が国内外の要請にどこまで応じるか。
治安の改善が、相変わらず最大の課題だ。反政府武装勢力の拠点であるファルージャでの米・イラク軍の軍事作戦は最終段階に入ったが、バグダッド南部では新たな掃討作戦も展開されている。
問題は、武装勢力の活動が、他の地域へ飛び火しないかということだ。共同声明は、多国籍軍に対しても、過度の武力行使を避けるよう求めた。一般国民を巻き込み、混乱を増幅させかねない軍事行動には、慎重でなければならない。
会議に出席した町村外相は、イラク暫定政府代表から、サマワにおける自衛隊の活動継続を求められた。国際社会の支援姿勢を、具体的な行動で示す必要がある。日本は要請に応えるべきだろう。
(2004/11/25/02:19 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041124ig91.htm