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11月22日(ブルームバーグ):チリ・サンティアゴでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は21日、貿易自由化や世界貿易機関(WTO)交渉の推進に向けた自由貿易協定(FTA)推進の重要性などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。
FTA推進は議長国チリのラゴス大統領が最優先課題として提唱。WTOの新多角的通商交渉(新ラウンド)合意への決意を打ち出した昨年のバンコク首脳宣言を踏襲、発展させる狙いが込められたのが今年のサンティアゴ宣言と言えよう。
この数年を振り返ると、2001年9月の米同時多発テロを受けてAPECでも議論の機運が高まったテロ対策、02年9月の小泉純一郎首相の初訪問を契機に国際世論にとって現実味が増した北朝鮮問題のいずれも、過去2、3年の首脳宣言と比較すると、回数を重ねるごとにその取り扱いの優先順位が後退したように映る。
米同時多発テロの翌月に開催された01年の上海APECは、首脳宣言のほかに、もう1つの「テロ共同宣言」を採択した。02年のロス・カボスでの採択は「反テロ行為」と「反テロ対策」の2声明、03年のバンコクは生物化学兵器によるテロ防止の「健康安全保障声明」の1つ。テロの脅威が一段と顕在化したなかで開かれたサンティアゴではついに声明は発出されなかった。
一方、事態打開のめどが立たない北朝鮮問題はどうか。小泉首相の初訪朝直後となった02年のロス・カボスでは「特別声明」が採択されたものの、翌年のバンコクでは、当初予定された声明の文書化が見送られ、議長による口頭総括にとどまった。
そして今年は、そもそも声明の文書化がテーブルに乗せられることはなく、21 カ国・地域のメンバーのうち、北朝鮮問題の解決に向けた決意を表明したのは小泉首相だけ。賛意を示したのはわずか2カ国の首脳だった。
東南アジア諸国連合(ASEAN)メンバーの6カ国に日米韓などを加えた12 カ国で経済問題に焦点を当てて閣僚レベルの討議の場として1989年に発足したAPECは、今では21の国・地域で構成され、討議するテーマも経済問題にとどまらず、政治、外交、安全保障など広範に及ぶ。
来年のAPEC議長国は、核開発問題の渦中にある北朝鮮と北緯38度の軍事境界線を隔てて、国際政治で言う戦略的・地政学的に最も密接にかかわりを持つ韓国である。そして6カ国協議で北朝鮮以外の米中日韓ロの5カ国すべてがAPECメンバーでもある。次回のAPECでは、これまで主要国首脳会議(G8サミット)が取り扱ってきた地域情勢、とりわけ北朝鮮問題が主要テーマとして再浮上する公算が大きい。
記事に関する記者への問い合わせ先:
サンティアゴ 山村敬一 Keiichi Yamamura kyamamura@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
東京 沖本健四郎 Kenshiro Okimoto kokimoto@bloomberg.net
Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時 : 2004/11/22 17:59 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html