★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争63 > 696.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
天木直人・メディア裏読み(11月22)NHK特集に映し出されたファルージャの惨状 ほか
http://www.asyura2.com/0411/war63/msg/696.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 11 月 22 日 18:52:49:2nLReFHhGZ7P6
 

11月22日 ◎NHK特集に映し出されたファルージャの惨状 ◎APEC首脳会議報道をどう読むか ◎1月30日に決定したイラク国民議会選挙 ◎イベロアメリカ首脳会議 ◎渡辺正太郎という経済人
■□■                   ■
□★□ 天木直人 11月22日 メディア裏読み□
■□■                   ■


◎NHK特集に映し出されたファルージャの惨状
◎APEC首脳会議報道をどう読むか
◎1月30日に決定したイラク国民議会選挙
◎イベロアメリカ首脳会議
◎渡辺正太郎という経済人

◇◆ NHK特集に映し出されたファルージャの惨状 ◆◇
 
21日日曜日の夕方6時過ぎ、たまたまNHKを見ていたら米国のファルージャ攻撃の特集番組が目に飛び込んできた。思わず目が釘付けにされた。米軍のあまりの凶暴さにあらためて強い衝撃を受けた。外国人武装抵抗組織の一掃が目的の攻撃なんてウソだ。民間人は退避させたなんてウソだ。無抵抗な市民に与える容赦のない攻撃。負傷し、抵抗できないイラク人に対する虐殺行為。家を壊され家族を殺された人達の怒りと悲しみ。これを平和な日本のテレビの前で見た時の断絶感。穏やかな気持ちでいられた人がどれほどいたであろう。カメラの前で被害状況を語っていたイラクの男性の目から自然に涙があふれ出ていた。それを見て思わず泣けた。なぜなんだ。この涙は何か。イラク人への同情なのか。米国への怒りなのか。それとも何もできない自分へのもどかしさなのか。

ブッシュ大統領を許すことはできない。彼は歴史に残る戦争犯罪者だ。そのブッシュ大統領にヘラヘラ笑って追従する小泉首相はもっと軽率な戦争犯罪者だ。それを支える自民党、公明党の政治家は共犯者だ。外務官僚や防衛官僚は自らの判断を放棄した熱き血のないロボットだ。そしてその小泉首相を放置している無気力、無関心な国民は自らを恥じるべきだ。

ブッシュや小泉の政策を直ちに止めさせる事は我々にはできない。しかし声をあげる事はできる。小泉首相を訴える事は出来る。小泉政権不支持の意思を表示することはできる。この歴史的な犯罪を自分は決してゆるさないと行動をとる事は出来る。それが重要なのだ。それを記録に残し自分の子や孫に言い伝えられるようにしよう。それさえもしなかったとすればその人は本当の生を生きているとはいえない。ごまかしの人生を生きているという事だ。それほど米国のイラク攻撃は不正義なのだ。後世の歴史家は必ずそれを証明するであろう。「実は自分もあの戦争は間違いだと思っていた」。後でそういったところで何になる。そういう人間が米国をここまでのさばらせたのだ。


◇◆ APEC首脳会議報道をどう読むか ◆◇
 
22日の大手各紙はいっせいにAPEC首脳会議のことを報じていたが、その会議がどの様な意味を持つ会議であったのか誰も書かない。自由貿易の推進が目的であるこの会議で殆ど経済の事が報道されない。テロ対策強化で一致したとか、北朝鮮へ6カ国会議の参加を迫るとか、あるいは各国首相の二国間首脳会議のことなどか断片的に取り上げられるばかりだ。わずか読売新聞だけが、「・・・2001年の米同時テロ以降、安全保障分野に大きく比重を移しつつあったAPECだが、今年は最近の原油高を受けたエネルギー安全保障の強化や、WTOの新多角的貿易交渉の推進など、原点である経済討議に回帰する動きが目立った。・・・」と書いている。その程度の首脳会議に意味はあるのかと思っていたら、23日付日刊ゲンダイに、今回のAPEC首脳会議の実態を的確に表現した文章を見つけた。

「・・・イラク戦争が泥沼化し、フランス、ドイツ、ロシアが米国から離反。オランダなどイラク撤退を決めた国も増えているからブッシュはAPEC諸国を味方につけようと必死。各国首相も批判をひかえた。さながら“ブッシュ再選おめでとう”会議でした(同行関係者)・・・」。そんなヨイショの最先端を走ったのが「テロ対策はAPECの共通課題だ」と発言した小泉であるというのだ。なるほど納得がいく解説だ。要するにくだらない首脳会議だったということだ。


◇◆ 1月30日に決定したイラク国民議会選挙 ◆◇

イラクの国民議会選挙は、国連事務総長特別顧問のブラヒミ氏が今春示した「ブラヒミ構想」基づいて、6月に採択された国連安保理決議1546で実施が確認されたものであったが、日程に関しては来年1月末までとしただけで具体的に決まっているわけではなかった。それが昨日11月21日になって、イラク独立選挙管理委員会は来年1月30日に実施すると発表したのだ。イラク情勢が混沌とする中、今更選挙を延期するわけにもいかずギリギリ最後の日曜日を選んだという訳か。しかしファルージャの掃討作戦は、その思惑とは反対に、反米勢力の抵抗を全国的に拡散させとても選挙どころではなくなりつつある。しかしそのことよりも注目すべきは、選挙後のイラクは内戦状態になるという米軍最高責任者の発言である。

22日付のしんぶん赤旗によれば、マイヤーズ米統合参謀本部議長は20日付のポルトガル紙プブリコに掲載されたインタビューのなかで、来年1月にイラクで実施予定の国民議会選挙後に、イラクで内戦が勃発するおそれがあるとの見解を示したというから驚きである。いくらイラク暫定政府や米国が選挙の日取りを1月のぎりぎりまで延ばしたところでまともな選挙が出来る筈はない。それどころか戦況を一番良く知っている米軍のトップが選挙の後にむしろ内戦になると認めているのである。

米国のやっていることが如何にイカサマであるかという事だ。ブッシュはもう半ばイラクの安定化をあきらめているのではないか。小泉首相や外務官僚、自衛隊の連中はよく考えたほうが言い。「自衛隊派遣を延長して復興人道援助をやらなければ無責任と批判される」などと寝ぼけた事を言っている場合ではない。下手をするとどこまでもついていった米国にハシゴを外されて一人内戦の地に取り残されることになりかねない。人道援助であるから止めるわけには行かないであろう。はやく撤退の潮時を考えるべきだ。


 ◇◆ イベロアメリカ首脳会議 ◆◇

 こんな首脳会議が開かれているとは知らなかった。どこの新聞も報じていないが、22日付のしんぶん赤旗が貴重な情報を提供してくれた。チリでAPEC首脳会議が開かれている丁度その時、同じ中南米のコスタリカの首都サンホセで、第14回イベロアメリカ首脳会議が開かれていた。この会議は、スペイン、ポルトガルとそれら両国の植民地だった中南米諸国の首脳で構成された会議であるという。

 驚いたことに、この会議で採択された宣言は、イラク戦争に象徴される米国の先制攻撃を批判し、国連中心の紛争解決を求める立場を確認しているのだ。
 すなわち採択された「サンホセ宣言」は「国際法および国連憲章の目的と原則への支持と、主権ならびに国家間の法的平等の尊重をあらためて確認する」と強調し、「不干渉、国際関係における武力の使用及び威嚇の禁止、領土保全の尊重、紛争の平和的解決、あらゆる人権の擁護と促進」を支持するとうたっている。

 APEC首脳会議なんかより、はるかに有意義で格調高い宣言案ではないか。そしてその内容こそ、テロとの戦いに結束することではなく、紛争を平和的に解決し主権と領土の保全を尊重することであるという、今日の世界がまさに必要としていることを盛り込んでいるのだ。
我々はすべて米国中心にニュースを追いすぎている。もっと重要なことがいくらでも世界で行われているのだ。世界は米国だけのものではないということだ。


 ◇◆ 「映画人9条の会」の結成 ◆◇

 22日付のしんぶん赤旗は、「映画人9条の会」の結成準備が進んでいることを報じている。これは井上ひさし、加藤周一ら9氏の呼びかけで結成された「9条の会」を、映画の分野でもと、黒木和雄、羽田澄子、降旗康男、山田洋次ら映画監督らが呼びかけ人となって結成しようとするもので、会への参加申し込みは既に350人以上に上るという。賛同者には大林宣彦、吉永小百合なども含まれているという。

同じしんぶん赤旗には、井上ひさし、加藤周一、澤地久枝、三木睦子の「9条の会」の4氏の講演会が21日仙台で開かれて4,500人が集まったこと、更には同日、九州福岡市で、イラク侵略を市民の手で裁く「イラク国際戦犯民衆法廷」が開かれ、元イラク占領監視センター所長のエマン・アフメド・ハーマスさんが米軍の無差別攻撃、逮捕、拷問などイラク占領の実態を証言したことが報じられている。この「民衆法廷」は全国各地で公聴会を開きブッシュ大統領や小泉首相を被告として、市民の手で、その「戦争責任」を追及するものだという。

小泉首相率いる自民党が、時代に逆行するかたちで強引に改憲を進めようとしている中で、それに抗う動きが全国で様々な形で広がりつつある。興味深いのは、憲法9条を守ろうとし、あるいは平和の重要性を訴える人たちは一様にその活動において知的水準が高く、また「法の支配」の重要性を深く考える人達である。それに比べ改憲を叫ぶ連中の共通した特徴は、歴史に学ばず、時代の流れを読めず、世界の国民の声を知らない、自分の思い込みだけで物事を断じる人たちであるという事実だ。彼らの頭にあるのは軍事力でしか国を守れないという単純な思考であり、それしか主張しようがないから勉強する必要もなければ客観情勢を考えなくてもいい。要するに、そういう人間なのだ。


◇◆ 渡辺正太郎という経済人 ◆◇

日本の財界人にも聞かせる話をする人がいたことを知った。経済同友会の副代表幹事、渡辺正太郎氏が、22日付の日経新聞「領空侵犯」という中で、「わが意を得たり」と思う意見を述べていた。彼は三位一体改革の迷走について、つぎのように明快に解説しているのだ。

「・・・旧軍部がアジア大陸などで領土拡張を仕掛けたことに対し、国内経済の生産性を高めて貿易を通じて国益を図るべきだと反論したのが石橋湛山元首相の小日本主義です。主権を中央政府から地方政府に移す三位一体改革を現代版の小日本主義ととらえてもいいではないでしょうか。・・・森前首相や自民党文教族は教育水準が下がると反対していますが、戦後の成功体験にしがみつき、全国一律教育を続けることが日本の為でしょうか。学ぶ側の意識は多様になり、教師のあり方も問われている。地域間で教える中身や教師の質を問う。その結果、ここに住んでみたい、と考える人を増やす。その積み重ねが日本全体の底上げ、活性化につながります。・・・文教族や文部官僚がいうように教育費を削り必要性の小さい公共事業に資金を回す首長が出たとしましょう。その地域はやがて没落し、首長は不信任を突きつけられるまでです。地方が失敗する機会を得るのも主権の委譲。われわれは日本人である前に、地方人の自覚を持つべきです。・・・いままで日本人は十分に日本人すぎたんじゃぁないか」

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

 次へ  前へ

戦争63掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。