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11月20日 ◎自衛隊派遣延長の裏話 ◎自民党の憲法改革試案 ◎シラクとブッシュ ◎拉致問題をめぐる週刊フライデーの記事
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□★□ 天木直人11月20日 メディア裏読み □
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◎自衛隊派遣延長の裏話
◎自民党の憲法改革試案
◎シラクとブッシュ
◎拉致問題をめぐる週刊フライデーの記事
◇◆ 自衛隊派遣延長の裏話 ◆◇
ここまでブッシュ大統領の顔色をうかがって自衛隊派遣が行われていたのかと唖然とする。これはもはや外交でも政策でもなんでもない。あるのはどうやって国民をあざむいて米国の要求を満たしていこうかとする工作である。もちろんイラクの将来やイラク人の犠牲などはじめから念頭にない。
11月20日の毎日新聞は「迫る、12・14−イラク派遣延長問題」という特集記事を掲載していた。そこでは、まず自衛隊がサマワでどれだけ歓迎されているかを与野党議員に説明する外務省幹部の決まり文句が紹介される。すなわち外務省幹部は誰かれかまわず、つぎのようなエピソードを金太郎飴のように繰り返しているというのだ。私もかつて本省にいた頃の経験から目に浮かぶ思いである。
「今月11日、150人ほどのサマワの住民が自衛隊宿営地前にバス二台に分乗してやってきましてね、『復興支援活動をやり遂げてほしい、テロリズム反対』といった横断幕を持ち、自衛隊撤退に反対するデモ行進をしたんですよ。・・・」
それがどうしたというんだ。まさか金をばら撒いてやらしているんじゃぁないんだろうなあ。その一方で、自衛隊の撤退を求める様々な動きについて知らないとでもいうのか。我々でさえインターネットなどで容易に入手できる自衛隊反対の様々なイラク人の動きについても説明しないとミスリードするではないか。そうかはじめからミスリードしようとしてやっているのか。
「対米関係を考えると、延長しない選択肢はない」と外務省は言っているらしい。「イラク攻撃を支持しない選択肢はない」というあの時の態度と全く同じである。それでも延長幅について3つの選択を考え始めたという。これまでの1年案のほかに、3ヶ月案、6ヶ月案という小幅延長案が出てきたという。3ヵ月案は来年3月オランダ軍が撤退し自衛隊を守る軍がいなくなることを考えたものであり、6ヶ月案は国連決議によって多国籍軍の活動について1年後の来年6月の段階で再点検することが明記されているからだという。
外務省内でつぎの噂が流されているという。小泉首相は森派の幹部に対し、「もしケリーが勝ったら、自衛隊を引いたかもしれない」と打ち明けたというのだ。この程度の判断なのだ。首相官邸筋は、「延長しなかったら、ブッシュは烈火のごとく怒りますよ」と撤退論をはねつけているらしい。それはまた超大国・米国に同調するしかないと考える外務官僚の感覚でもあるという。こんな裏話を聞かされると「これはもうどうしようもない」と思う。
◇◆ 自民党の憲法改革試案 ◆◇
自民党憲法調査会の憲法改正素案が発表された。来年の結党50周年を機に固めるという。本気でそんな改正が出来ると思っているのだろうか。そもそも憲法改正などという一大国家事業は、今の日本のように国民生活が多くの面で危機に瀕し国民の気力、体力が弱っている時に出来るはずがない。つまり今の日本はそんな事にエネルギーを費やす余裕はないのである。だから私は憲法改正などは出来ないと確信しているがそれにしても自民党素案はひどい。
そう思っていたら身内からも批判が出ているという。20日付の各紙は、片山虎之助参院幹事長が19日の記者会見で、「正しいとは思わない。読んで反論する。全部反論する」と強く反発したという。もっとも彼の反発は参院の抜本的選挙制度改革や衆院の優越性が示されているといった「参院軽視」について怒っているのであるから相手にするのも馬鹿馬鹿しい。しかし韓国の国会議員が反対声明をだしたというニュースには驚いた。
すなわち20日付のしんぶん赤旗によれば、韓国国会の71名の超党派の国会議員が、「日本は21世紀に帝国主義の復活を夢見るのか」という批判声明を発表したというのだ。定数299のうちの71名の議員が声明に署名したという事は軽視できない。しかも彼らは声明の中で、「日本が改憲に慎重をつくすようあらゆる可能な手段を動員して対応する」と強調しているという。
いずれ中国も同様の動きをみせるであろう。自民党は改憲などできるはずがないのである。
◇◆ シラクとブッシュ ◆◇
18日の毎日新聞夕刊に、フランスのシラク大統領が17日に放映された英国BBCのテレビ会見で、イラク戦争に伴いテロが増加し、「世界はより危険になった」と述べたことが載っていた。同記事によれば、
「・・・フセイン元大統領が追放されたのは好ましいが・・・世界がより安全になったとは確信が持てない。・・・いくつかの国でイスラム教徒の反発を呼び世界はより危険になった。イラク情勢を一因としてテロが増えたのは確かだ。・・・」などと述べた後、イラク戦争に反対した理由としてシラク大統領は@戦争は常に最悪の解決策であるA戦争がやむをえない時には国際社会の決定でなければならないと述べたあと、「(米仏の)どちらが間違いで、どちらが正しかったかは歴史が証明するだろう」と語ったという。
これは「世界は安全になった」と選挙演説や勝利宣言で繰り返し、戦争を正当化するブッシュ大統領の評価と真っ向から対立するものである。そういえばブッシュ大統領は「イラク戦争を後の歴史家はどう評価すると思うか」と記者に聞かれて、「みんな死んでこの世にいないからどうでもよい」といった趣旨の答えをしていた。
この二人の大統領の言葉を聞いて、わが小泉首相のことを思い出した。イラク状勢が緊迫していた頃シラク大統領は何度も小泉首相に電話をかけていた。パレスチナ情勢やイラク情勢について小泉首相の意見を尋ねるシラク大統領に対し、小泉首相は中東のことは一切口にせず、「シラクさんは日本びいきだから、今度日本にこられたら相撲と寿司を楽しんでください」と話してシラクを失望させていたのだ。シラク大統領側近から聞いた話だが、シラクは呆れていたという。
◇◆ 拉致問題をめぐる週刊フライデーの記事 ◆◇
19日に発売された週刊フライデーに第三回実務者協議についての詳しい記事が出ていた。その中でいくつかの驚くべき文章があるので紹介しておきたい。
外務省関係者の言葉として次のようなものがある。
「調査団が安否不明者10名以外のことも追及しようとすると、北朝鮮側は逆ギレして席を立とうとしたそうです。あまりにいい加減な態度に、同行した警察庁の人間が声を荒げる場面が何度かあったと聞いています」
見逃せないのが日本政府内に「拉致問題解決より国交正常化が先」という動きがある、としてフライデーはつぎのように書いている。
「・・・日朝協議が始まったまさにその夜、めぐみさんが二度脱北を試みたが失敗したという旨のニュースを日本テレビが流して横田夫妻を激怒させている。家族がめぐみさんの死を受け入れやすくするため、意図的に悪いニュースを流したのでしょう。リークしたのは官邸筋だと聞いています(家族会幹部)。・・・増元さんのもとには、北朝鮮のある高官から信じがたい情報が寄せられていた。今回の交渉で、横田、有本、増元の家族に、墓や遺骨をみせる動きがあるだろうというんです。なぜならこの3家族を片付ければ拉致問題は終結させられる、と北に助言した自民党の代議士がいるからだと。・・・10月中旬、日本のゼネコン10社が訪朝を組んだのはご存知ですか?すでに国交正常化後の利権争いは始まっています。ある労働党幹部は来年2月〜6月ころ正常化されるでしょうといっていました。(救う会いばらきの松尾代表)。・・・」
拉致問題は果たしてどのような結末に終わるのか。その時にこれらすべての情報の正しさが証明されるのだ。
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