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核心
2004.11.19
米軍への抵抗続くファルージャ
イラク中部ファルージャへの総攻撃で、駐留米軍が「ほぼ制圧」したはずの反米武装勢力。だが、米軍が首謀者と主張するザルカウィ容疑者らの姿はそこにはなく、戦火は逆に周辺地域へと拡大した。そもそも緻密(ちみつ)な国内情報を要する要人暗殺などが、ザルカウィ容疑者らの外国人組織に可能だったのか。イラクの人々は、武装勢力の“正体”が、多くの武器や情報を持つ旧フセイン政権の治安組織を核にした勢力であることに気づき始めている。 (カイロ・秦融)
米軍が「ほぼ制圧」との発表を繰り返していたころ、ファルージャ中心部に入ったイラクの治安部隊は、多くの民家の壁がくりぬかれたり、地下トンネルでつながっていることを発見。要塞(ようさい)化された武装勢力の拠点は、既にもぬけの殻となっていた。
「トンネルなどでつながっていたのは確認しただけで五十軒。逃走を用意周到に準備していたようだ。米軍の中心市街地突入前に、相当数の武装勢力が、北部モスル、バグダッド南部など、別の拠点に移動したことをわれわれは確認した」
暫定政府のサーダ首相報道官は十七日、本紙の電話取材にそう答え、米軍発表の「制圧」が実態のない独りよがりの可能性を示唆した。
さらに、今回退却と見せかけた武装勢力が再集結する可能性も「あり得る」(同報道官)という。ファルージャと同じ、旧フセイン政権の中核をなしたイスラム教スンニ派の住民が多いバグダッド北方の都市サマラでは、米軍の掃討作戦でいったん退却した勢力が、米軍撤収後に再集結する動きが、この数カ月、繰り返されているからだ。
同報道官は、イラクの反米組織について、主体は「旧バース党、前政権の国軍、警察、共和国防衛隊の関係者」と分析。ヨルダン人のザルカウィ容疑者ら外国人組織はごく一部で「核は旧政権の関係者」と述べ、米側と正反対の見解を示した。
その根拠は、南部を除きスンニ派地域のほぼ全体に延びた“戦線”の広がりと、急増している暗殺の特徴だという。
イラクの暫定政府要人や行政当局者の暗殺は、最近報道されただけでもバクバを州都とするディヤラ州の高官(先月二十六日)、前駐アラブ首長国連邦大使(同二十八日)、石油省局長(今月三日)と相次いで起きている。「標的に関する正確な情報と暗殺技術がなければ不可能な事例が多く、土地勘のない外国人の主導でできる芸当ではない」と同報道官は指摘する。
米軍車列や拠点への自爆、ロケット弾攻撃で反米をアピールする武装勢力の戦略は、その一方で、暗殺によって政府・行政当局者に恐怖を植え付け、政権運営に深刻なダメージを与えている。
バグダッド大学のサルマーン・アルジョマイリ教授(政治学)=スンニ派=は「イラク全土で既に三十五人の大学教授が暗殺された。医者や科学者などを加えると、暗殺の犠牲者は二百人を超えるのではないか。まるでイラクの知識階層を抹殺しようとしているようだ」と話す。
同教授は、ザルカウィ首謀説を強調し続ける米国の真意を「アルカイダとの関係を訴え続けることで、米国民の支持を取り付けるのが狙い」と指摘。さらに、「外国勢力と旧政権勢力が連携している」とのサーダ首相報道官の分析に対しても「それは違う。旧政権に賛同した十代後半から二十代のイラクの若者たちが、抵抗運動に続々と加わっているのが真相。この戦争は、本当の意味でイラク市民による抵抗運動になった」と主張する。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041119/mng_____kakushin000.shtml