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「モスクで殺人」衝撃、負傷者殺害 反米強めるアラブ
イラク中部ファルージャで米兵がモスク(イスラム教の礼拝所)にいた無抵抗のイラク人負傷者を射殺したとされる事件で、米海兵隊は16日、事件にかかわった部隊を撤退させ、事実関係の捜査を始めたことを明らかにした。旧アブグレイブ刑務所でのイラク人虐待を連想させることから、アラブ系テレビ局は事件をトップニュースで伝え、反発が広がっている。
米NBCテレビのスタッフが撮影した映像では、モスクに踏み込んだ海兵隊員が13日、横たわる負傷者に銃を向けて「こいつ、死んだふりをしている」と言い、射殺した。NBCによると、この負傷者は武装勢力に加わっており、モスクに運ばれて治療を待っていたという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは16日、トップニュースとして殺害の一部始終を流し、専門家や人権活動家のコメントを伝えた。カイロ大のサレハ・アミル教授(国際法)はアルジャジーラで「負傷者の殺害はジュネーブ条約違反だ。殺されたのが民間人の可能性もある。モスクでの殺人は宗教上、禁じられている」と批判した。
AP通信によると、米軍は射殺が国際法や軍法の規定する「自衛」の範囲を超えているかを調べている。米軍は15日、8月にバグダッドのサドルシティーで負傷した民兵を殺害したとして、エリック・アンダーソン少尉を殺人などの容疑で訴追している。
ロイター通信によると、イラク暫定政府のアラウィ首相は16日、「ファルージャに市民はほとんどおらず人道問題は起きていない」との声明を出した。
一方、バグダッドでは16日、米軍車両が攻撃を受け米兵1人が死亡した。武装勢力の蜂起が続く北部モスルでは米軍が1200人を動員し、占拠された警察署などの奪回作戦を始めた。 (11/17 01:38)
http://www.asahi.com/international/update/1116/008.html