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11月16日付・読売社説(1)
[日朝実務協議]「やはり考えるべき『北』への制裁」
北朝鮮に対する不信が、いっそう募る。
第三回日朝実務協議で、北朝鮮側は、安否不明の拉致被害者十人について「八人死亡、二人未入国」という従来の主張の繰り返しに終始した。北朝鮮側の説明も、カルテなどの資料も、その延長線上にあるものばかりである。
横田めぐみさんの遺骨とされるものもその一例だ。結論はDNA鑑定に待つとしても、北朝鮮には、関係ない人骨を拉致被害者の遺骨と偽った前歴もある。
北朝鮮の説明にはあまりにも不自然な点が多い。読売新聞の世論調査でも、有権者の八割以上が、北朝鮮が真剣に調査したとは考えていない。
政府は北朝鮮の説明や資料を徹底的に精査し、問題点を厳しく追及しなければならない。納得できる説明がなければ、経済制裁をいつでも発動できる態勢を整え“圧力”を強めることも必要だ。
実務協議は、交渉担当者を局長級に格上げして、初めて平壌で行われ、総計二十時間以上にも及んだ。安否不明の拉致被害者十人の再調査の責任者と称する、人民保安省局長が出席した。横田めぐみさんの夫とされる人物などに面会し、入院していたという病院も訪れた。
北朝鮮が、形の上で柔軟な姿勢を見せたのは、時間稼ぎや制裁の動きに対する牽制(けんせい)、さらには食糧支援を早く引き出す狙いもあるのだろう。
日本国内では、北朝鮮に対する制裁発動への動きが強まっている。外務省内でも、制裁措置を取る場合の具体策を検討し、自民党の拉致問題対策本部は五段階の制裁実施案をまとめている。
人道名目の二十五万トンの食糧支援のうち、実施が決まっていない半分についても凍結論が強い。拉致問題に何の実質的進展もない現状では、無論、実施できるはずがない。
米国では先に、拉致問題について、拉致被害者の安否情報の開示や帰国の実現がなければ、経済支援は行わない、とする北朝鮮人権法が成立した。国連人権委員会が作成中の、北朝鮮の人権問題に関する初の特別報告では、拉致問題も対象になる見通しだ。
核・ミサイルは無論、拉致問題は、今や国際社会が重大な関心を抱く問題である。米国も、ブッシュ大統領再選で、北朝鮮への圧力をさらに強めるだろう。北朝鮮は自らを窮地に追い込んでいる。
「八人死亡、二人未入国」を既成事実化して足れり、とする姿勢からは、拉致という国家犯罪への“反省”はうかがえない。政府は、今後の協議に、厳しい姿勢で臨むべきである。
(2004/11/16/01:37 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041115ig90.htm