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11月16日 ◎小泉首相は絶対に制裁措置をしない ◎米国がやっていることは大虐殺だ ◎北岡伸一・国連次席大使の記者会見 ◎フォーリー前米国駐日の本音
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□★□ 天木直人 11月16日 メディア裏読み □
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◎小泉首相は絶対に制裁措置をしない
◎米国がやっていることは大虐殺だ
◎北岡伸一・国連次席大使の記者会見
◎フォーリー前米国駐日の本音
◇◆ 小泉首相は絶対に制裁措置をしない ◆◇
今更ながら日朝実務者協議の空虚さに腹が立つ。待たされて、待たされて、期待を裏切られ続けてきた横田夫妻、有本夫妻ほかの家族の心中を思うと他人事とは思えないほど気の毒だ。
さすがの与野党も不満や苛立ちの意見を口にし始めた。しかしである。小泉首相は絶対に制裁措置を受け入れないであろう。なぜならばそんなことをしたら北朝鮮が硬化して「話し合いを打ち切るぞ」と脅しをかけてくるからである。
我々であれば北朝鮮がそういう態度に出るのであれば交渉打ち切りも止むを得ないと考えられる。北朝鮮との国交正常化交渉は機が熟したら再開すればよい、国民すべてが祝福できる形で国交正常化の早期再開をやり直せばよいと考えられる。
しかし小泉首相はそうではないのだ。北朝鮮との正常化を自分の手で実現することしか関心がないのだ。制裁を発動するとすべてはぶち壊しになる。点数を稼ぐはずであった二年前の突然の訪朝と日朝共同宣言がすべて失敗だったことになる。これは小泉首相にとって耐えられない事なのだ。
1兆円の経済援助を与えるのだから北朝鮮側ももう少し協力的なそぶりを見せてほしい。拉致被害者の問題がどんな形で終結しようと日本国民の反発さえ押さえ込む事が出来れば構わない。時間をかけてもいいから何度でも実務者協議を重ねて既成事実を少しずつ積み上げていけばいずれ国民も反発心をなくすだろう。そのときまで経済制裁の圧力をかわして待つしかない。これが小泉首相の本音であろう。
すべては二年余り前の訪朝の時の本音からはじまっている。拉致被害者の救済は何人でもいい。拉致問題を前進させたという印象と引き換えに国交正常化の手柄を物にするのだ。その思いは今も全く変わっていないのである。そう思ってこれからの報道を眺めると、報道に振り回される事が馬鹿らしいことに気付くはずである。
◇◆ 米国がやっていることは大虐殺だ ◆◇
米軍のファルージャ総攻撃から一週間あまりたった。想像するのもためらわれる悲惨な状況が繰り広げられているのだろう。16日の各紙で断片的に報じられていることを読むといたたまれない思いに駆られる。これが大手新聞のトップに連日報じられたとしたら随分世論も変わるだろう。
「・・・町の至る所が破壊され、道には遺体が横たわっていた。市民は怖がって外へ出られず、血を流している人がいても誰も助けなかった。薬も水も電気も食料もなかった。・・・米軍が民家にも銃口を向け始めたので家から家へと渡り歩いた。ユーフラテス川を泳いで脱出しようとした時、米軍ヘリが川面を機銃掃射。川を渡ろうとしていた5人家族が射殺されたのを見て、ぞっとした。この手で一人の男性を土手に埋めるのを手伝った。・・・」AP通信カメラマンの言葉(11月16日付毎日新聞)
「・・・戦闘で多数の市民が援助を必要としている。イラク赤新月社は13日、医療品や食料、毛布などを積んだトラック7台をファルージャへ派遣しようとしたが米軍が拒否した為断念した。・・・英BBCやカタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、市内のいたるところに遺体が散乱、瓦礫の間では複数の子供の遺体も目撃された。・・・」(1月16日付日経新聞)
「・・・飢餓と水不足によって死者が出ている。特に子供の状況は深刻だ。この危機を解決できなければ、ファルージャは大惨事に陥り、それは他の都市にも広がるだろう。・・・」赤新月社アルバウデ氏(16日付しんぶん赤旗)
「・・・家屋やモスクはめちゃめちゃに破壊され、遺体には犬や猫が群がっていた。・・・通りに放置された遺体の多くは、焼け焦げたり、一部を吹き飛ばされたりしており、武装勢力か市民か見分けられない状態。・・・砂塵とともに異様な匂いが大気に立ち込めていた。・・・瓦礫の下から22人の遺体が見つかり、二人は子供で、義足をつけた男性もいた。・・・」(11月16日付読売新聞)
「・・・世界中から非難を浴びた米軍は、今回の作戦ではごく一部だけをメディアに伝えさせてすべてをベールに包もうとしている。真っ先にファルージャ総合病院を制圧し、死者やけが人の数を情報統制している。TVに映らないところで何が行われているのか。事態は地獄絵だと思います(事情通)。」「・・・無差別空爆が繰り返されているんです。それも米軍が使っているのは化学薬品が飛び散る爆弾で、薬が体に付着すると燃える。水をかけると毒ガスが発生するという兵器です。・・・」ジャーナリスト志葉玲氏(11月16日付日刊ゲンダイ)
米国のこんな虐殺行為を、わが小泉首相は「成功して欲しいですね」と言い放った。自衛隊は米軍の兵站補給を我々の税金でせっせと繰り返している。我々はこの戦争の正体を直視すべきだ。日本の関わりあいをもう一度よく考えたほうがいい。
◇◆ 北岡伸一・国連次席大使の記者会見 ◆◇
11月16日の日経新聞に北岡伸一大使のインタビュー記事が出ていた。例によって安保理改革問題である。これしか彼の仕事はない。
「どの国も現在の拒否権制度には反発しており、拒否権を持つ国を増やす提案にはどこも賛成しないだろう」と述べ、安保理常任理事国の数を増やす場合でも新たに常任理事国になる国が拒否権を得ることは難しいとの認識を示したという。何を寝ぼけた事を言っているんだ。そんなことははじめから分かりきった事ではないか。
この発言の裏を読まなければならない。なぜ彼が今になってこんなことを言い始めたのか。その意味することはこうだ。日本は何があっても安保理を改革して常任理事国入りしたい。その為にはどのような変則的な形になろうとも、常任理事国の数がどんなに増えても、米国さえ「うん」と言っていってくれればそれでいい。拒否権などなくてもいい。そうでもしないかぎり日本の常任理事国入りはできない。
そういうことなのだ。これからグジャグジャになってくる様々な改革案のどれでもいいからそれを日本国民に納得させるように今から徐々にアリバイづくりをしているのだ。これが彼の仕事なのである。常任理事国に入るために米国などを説得するということではなく、国内向けにマインドコントロールをしているのだ。日本の外交はどうしようもなく本末転倒である。
本来ならば五大常任理事国と対等の形で拒否権を持った常任理事国を目指すはずであった。しかしそれどころではない。このままいくと常任理事国になれない。そこでどんな形でもいいからとにかくドサクサの改革案に乗じてそのうちの一カ国として入ることが出来ればいい、それでも常任理事国入りである、どうせ日本はたいした事をやるつもりはないのだから、というところが本音になってきたのである。
こんな馬鹿げた仕事をやらされて学者のプライドはないのか。それよりも学生に平和の大切さを教えているほうがよっぽど世のため、人のためになる。
◇◆ フォーリー前米国駐日の本音 ◆◇
米国はますます国家が分裂しつつある。ブッシュ大統領も、再選されてほっとしたのも束の間、これからが大変だと思っているだろう。何しろIQに低い連中ばかりに選ばれた大統領などと陰口を叩かれる始末である。米国史上唯一の内戦であった南北戦争そのままに、今度の選挙の支持者がブッシュ派とケリー派に別れたのである。チェイニー副大統領の心臓はおかしくなるわ、パウエル国務長官は辞めるわ、CIAは内紛が激化して幹部職員が相次いで止めていくわ(11月16日しんぶん赤旗)、国民は我慢できなくてカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダなどへ移住するわ(11月13日付日刊ゲンダイ)でガタガタである。
本当に米国は大丈夫か。11月16日付の日経新聞、「ブッシュ再選と世界―識者に聞く」の中で、前米国駐日大使も心配しているようだ。
「・・・欧州が互いに譲り合いながら統合を進める中で、米国と異なった世界観を抱くようになっている。国々が協力し合えば問題は解決できるという考えだ。一方米国は、世界はなお危険で敵意に満ちた場所だという見方を変えていない。・・・欧州はより世俗的になり、人種的にも多様化しつつあるのに対して、米国は従来に比べて政治の場で信心深さが語られ聖書が引用されるなど保守化している。・・・宗教的な言葉が政治の世界に入り込む米国の傾向は、イスラムを除くと、世界ではあまり見られない現象だ。・・・(今度の選挙では)不思議な事が起きた。小さな町に住む勤労者層が富裕層の利益を代表する共和党政権を支持し、大都会の富裕層の方が現政権を批判してケリー氏に投票したのだ。・・・危険なのは、内陸部対東西沿岸部とか、大都市住民対小さな町の住民という対立概念が固定化してしまうことだ。民主党は内陸部を諦めてはいけない。米国が内陸部と沿岸部で対立するようになることは、戦争に繋がった十九世紀の南北対立とほとんど同様に危険なことだ。・・・」
要するに今の戦いは、イスラム原理主義者と米国原理主義者の戦いということなのだ。
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