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イラン政府は14日、同国の核開発問題について、交渉中の英仏独3カ国と合意に達し、ウラン濃縮関連活動を全面的に停止すると発表した。核交渉責任者のロハニ最高安全保障委員会事務局長が国内メディアに述べた。米国は、イランが核兵器開発を計画しているとして、25日からの国際原子力機関(IAEA)理事会までに停止を表明しなければ、問題を国連安全保障理事会に付託すると主張してきたが、停止受け入れで安保理付託は回避される可能性が強まった。ただ停止の期間をいつまでにするかや、ウラン濃縮の研究も停止するのかなど明らかになっていない部分も多く、「暫定合意」との見方もある。
合意内容の詳細は明らかにされていないが、ウィーンの外交筋によれば、イランが再開していた遠心分離器部品の製造・組み立て・試験と、すべてのウラン転換活動の停止が含まれている模様だ。
IAEAも14日夜、ウィーンのイラン代表部から、英仏独とイランの合意についての書簡を受け取った。15日に理事国に配布を予定している事務局長報告に、合意内容を盛り込むことにしている。また、すでにイラン入りしているIAEA査察官が停止の検証作業を始めるとみられる。
安保理に付託されれば、イランへの経済制裁を求める米国と、イランで原発建設に協力するロシアや、天然ガス・石油供給などで経済関係の深い中国が対立する恐れがあり、英仏を含めた核保有5カ国による核不拡散条約(NPT)体制の亀裂が懸念されていた。
英仏独は停止と引き換えに、核兵器転用が難しいとされる軽水炉や核燃料をイランに提供するほか、イランの世界貿易機関(WTO)加盟を支援し、包括的な貿易協定を締結するなどの見返りを提示したとみられる。
一方、AFP通信によると、イラン最高安全保障委員会のムサビアン外交委員長は14日、「(3カ国と)交渉が続いている間は停止が有効だ」と述べ、12月15日から交渉に入る姿勢を示した。ただAP通信によると、同氏は「停止は一時的なものだ。信頼醸成のために決定したのであり、イランが法的義務を負うものではない」とも述べ、見返り措置についての今後の交渉の行方によっては、濃縮関連活動の再開もあり得ることを示唆した。
イランと英仏独の交渉は、10月からウィーンやパリで計3回開かれた。イランは「平和利用のためのウラン濃縮は、NPTで認められた固有の権利」と主張し、英仏独と対立したが、今月上旬のパリでの交渉で「暫定合意」に達した。その後、停止する活動の範囲と期間などについて詰めの交渉が続いていた。
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〈イラン核問題〉 米国が02年、イランが秘密の核施設を建設していると指摘して発覚した。昨年10月、ウラン濃縮の一時停止などでイランと英仏独が合意し、米国が求める国連安保理付託を回避した。しかし、イランの査察への協力が不十分だなどとして、IAEAが非難決議を採択。これに反発したイランが、遠心分離器の組み立てなどウラン濃縮への地ならしといえる関連活動を再開した。米は再び安保理付託の主張を強め、英仏独がイランと交渉を続けていた。
(11/15 17:07)
http://www.asahi.com/international/update/1115/007.html