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再選されたブッシュは、小泉の”忠犬ぶり”にいたく感激したのか、従来にも増して、「中東民主化」の正当性の根拠として、第二次大戦後の日本の民主化の成功をあげている。
しかし、よく考えれば、これはとんでもない暴論だ。かってはタリバンをロックバンドの名前、と勘違いしたほどの無知な男だけに、恐らくは”家庭教師”ライスあたりに吹き込まれたことをそのまま、オウム返しに喋っているだけなのだろうが。
米国にとって第二次大戦(太平洋戦争)は、日本の民主化をめざして開戦したのではない。レーニンの帝国主義論にあるように、先発資本主義国と後発資本主義国の植民地分割戦であることは、明白だ。第一次世界大戦と違うのは、非資本主義国のソ連(当時の呼称は「ソ同盟」)が当事者の一国になっていた点だ。
米国は、日本の敗北がはっきりしてきた時点でアワを食って、当時はほとんどいなかったジャパノロジストらを集めて、天皇制や日本の統治機構の特異性の研究を始めており、ロクに日本には関心はなかったのだ。
中国利権、日本の膨張主義を食い止めることが米国の最大関心事だったのだ。原爆投下もあって、無条件降伏という形で、”背骨”をへし折られた日本は、GHQのいうがままになっただけだ。
もし、帝国主義的利権の衝突なしに、単に、「天皇制全体主義を妥当する」ということで、米軍が日本に上陸したとして、日本を米国型民主主義国家に転換できたであろうか。できない。
イラクは、この後者のケース。よく分からぬ理由(パパの遺恨?)で開戦し、選挙で民主的政権を樹立することで、ピリオドを打とうとしている米国の意図が貫徹できるはずもない。そもそも、自国の大統領選挙すら、「公正なものだったのか」の疑惑がいっこうに払拭できていないのだから。
恐らくは、イラク一国でも、米国は経済破綻を免れないであろう。イランやノース・コリアにもてを出すのかどうか知らないが、2期目のブッシュ政権の「穏健化」を期待している人々は、手痛いシッペ返しを食らうであろう。チェイニーらが脇をガッチリ固めている以上、ブッシュにそんなオプションはないのだから。