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http://www1.jca.apc.org/aml/200411/41993.html
Subject: [aml 41993] イラク民主化国民潮流からのメッセージ グローバル・ウォッチ@コリン・コバヤシです。 イラクの現況を御伝えしましょう。 ファルージャ攻撃の実相は何か。 アメリカ軍はファルージャに対して、常軌を逸脱した大きな攻撃を仕掛けま 抵抗運動の現状は? アラウイ政権について: 最後に日本の皆さんに肝心なことを申し上げましょう。 アブデル=アミール・アル・リカービ
From: kolin kobayashi
Date: Tue, 30 Nov 2004 09:47:54 +0100
Seq: 41993
CONDI(イラク民主化国民潮流)より、今日の自衛隊撤退要求集会に向かって、
メッセージが出されました。複数のMLなどにBCCにて送ります。重複ご容赦下さい。
以下に掲載します。転載可です。
____________________
ファルージャはバグダッドから65キロ西にいった、砂漠が始まる入り口の人
口30万ばかりの小都市です。ファルージャは多少の放牧業と公務、とくに若者
が服務している軍隊以外の仕事がない町でした。若い兵士でよく教育されたも
のは軍人学校に行き,士官となるのです。町はいくつかの小さな集落に囲まれ
ており、それらはファルージャと生活面で密接な関係を持ち、とくに、家族関
係を持っています。すべての住民は2-3の大きな部族に属しており、以前は遊
牧をしたりしていましたが、その地域のバディア・アス=シャム砂漠の反対側
のヨルダンやシリアと密輸入を営んでいたのです。それゆえ、シリアやヨルダ
ンの部族とたいへんつながりが深く、それは部族ルーツの延長とも言えるので
す。ということは,同時にこの地域では、部族的な連帯感が非常に強いし、サ
ダム・フセイン政権の石油の思いがけない賜物によって,福祉国家となったず
っと以前のことです。このように前置きを長く申し上げるのは、ファルージャ
がどのような町か理解していただきたいからです。
サダム・フセインは資源の欠乏を非常にうまく利用し、部族的な側面では、
この地域を軍への志願者たちの宝庫にし,また体制の基礎に利用したのです。
そして、野望を持ったこの地域の士官の一群が現れたときには、厳しい弾圧を
加えたこともあります。ですから、この町を旧体制の根城だという説は、ひと
りのザルカウィなるものが、低い鼻でこの地域の大きな部族を率いている,と
いう説と同様に、根拠が薄いのです。たしかに、ファルージャには、経験を積
んだ士官、兵士が沢山おり、部族の絆が強いのです。こうした事実によって、
アメリカ軍に対して,抵抗する能力と意志、そしてイラク人以外のある程度の
数のアラブの戦士がいることを説明できるのです。しかし、あくまでもそれだ
けのことです。
した。大半が3階建てのレンガ作りの家で構成されているこの小さな町は砂漠
の真ん中にあるのです。アメリカ軍は、この攻撃を予定通りに行いました。そ
れはイラク民衆全体を恐怖に陥れるのを目的とする戦略なのです。ファルージ
ャにおいて,言語同断な武力鎮圧を行い,アメリカ合州国は、イラクの残りの
部分すべてが降参して、アメリカのプレザンスが打ち勝つことのできない宿命
として受け入れることを期待しているのです。これこそが、殺戮するための意
志が実行されたファルージャの真実です。公式にはイラク政府は2085名の死者
と1600名の捕虜をあげていますが、イギリスの情報は犠牲者の85%が民間人
であると伝えています。「公式には」、アラブの戦士は前夜に逃げ出してお
り、そこにはいなかったことになっています。今、アメリカ軍は彼らを捜し
て、モスル、マフムーディイヤ、サマッラ,そしてバッソラなど、南部でも追
求しています。迷子になった犬や猫が、住民の死体、男、女,子供の屍骸を食
べ歩いている、というのが真実です。民間支援や医療支援が町に入ることは、
故意に禁止し、市内に配達することを無限に遅れさせているのです。テレビで
放映された人のみならず,複数の負傷者たちが故意に殺害されました。このよ
うな惨さは計算済みだというべきでしょう。軍事行為の規制される限界はな
く、やり放題なのです。すべてが屈辱を受け、アメリカ軍によって寺院は破壊
され,荒らされ、そこを兵士の休憩場所にしているのです(軍靴を履いた兵士
たちが武器を持って寝ているアメリカ兵たちの写真をすでにテレビでみたこと
でしょう)。虐殺と侮辱、恐怖が、予防的、永続的戦争の武器です。「我々と
一緒でないものたちすべては我々の敵である。我々に反対するものはどのよう
な運命が待ち受けているか知るべきだ。死か、さもなくば逮捕だ」と、ファル
ージャ作戦の始めに、バグダッドで、アメリカの高官が表明しています。
数ヶ月前は,シーア派の聖都ナジャフが攻撃されていました。明日は、ファ
ルージャと同じ虐殺がイラクの他の都市でも見いだされることでしょう。イラ
ク人民が服従するのを拒否する限り、抵抗運動は移動しつつ、あちこちで起こ
るでしょう。そして弾圧も巡回しながら行われるでしょう。テロル(激しい恐
怖)は、イラクのように占領され略奪された国を平和にすることはできませ
ん。提案されたもう一つの政治は、国全体のコンセンサスも得られない傀儡政
権の受容でした。この政府は、選挙という政治的なプロセスを開始したいと言
いつつ、非常事態宣言を発令しているのです。そのうえ、これに参加すること
を拒否することは、戦争行為と同じだと見なしているのです。以上の名目の元
に、また政府のいう<政治的なプロセス>に無理矢理参加させるために、ナジ
ャフで、ムクタダ・サドルに対する作戦を行ったのです。しかも、立候補と選
挙の方法は、すべて封印され、事前に形が整えられ、つまり偽造されていま
す。
この10日間くらいの間に起こったあらゆることにも関わらず、イラク人民は
押しつぶされることもなく,無気力状態に陥ってもいません。イラクの抵抗運
動は、とりわけ、占領と傀儡たちに対する一般化した民衆的な拒否の現れで
す。抵抗は増幅しており、シーア派であれ、スンナ派であれ非常に多様なイス
ラム教徒の小グループに属しているものから、バアス党(必ずしもすべてが旧
政権に忠実なものばかりではない)関係から、偶然的な関係で地域的に立ち上
がった無数のグループがあります。抵抗運動は,始まったばかりであり、統一
的な組織体系はまだできておらず、戦略は明確化されていません。それゆえ、
現場で起こることをすべて総合的に把握できてないのですが、統一的な抵抗戦
線と政治意識を作る必要性をみな感じています。というのは、アメリカ軍を相
手に、抵抗状況が爆発的に発生している事態が止まないとするなら、質的転換
の緊急な必要性も感じており,そのための努力をしている最中です。
現在のイラク政府は、間違いなく傀儡政権で,アメリカのゲームを演じてい
るのです。彼らのアメリカに役立つ作業を行っている。占領者によって作られ
た、あるいは協力する現場の政権なく占領することなど,今まであったためし
はありません。サイゴン政権なくして、アメリカはヴェトナムに介入したでし
ょうか。これは主権を持った独立国家となるための<中間的>な、あるいは<
過渡期の>政府ではありません。これらの言葉によってアメリカ政府が意図し
ているものは、現状をより安定的に、より正当化するためです。これはページ
をめくって全く新しいものを作り出すのではなくて,現在ある状況を強固にす
ることだけが意図されているのです。もし,選挙があるなら,そのことが目的
です。選挙は、恐らくあちこちで勃発する抵抗運動で、延期され,実行するこ
とはできないでしょう。もくろまれている選挙は<民主的に>占領を主題にし
ているからです。恐怖を引き起こす攻撃は、イラク人たちに、もう希望はない
のだと説得しようとしているのです。それゆえ、今、ファルージャで、このよ
うなやり方で虐殺があったのです。
しかし,それはイラク人が望んでいることではないし,満足できることでもあ
りません。8月にあったベイルートでの憲法制定会議準備会議はイラクのあら
ゆる潮流の代表者たち350名が集まり、憲法制定会議設立の必要性を主張し、
この会議こそが政治的プロセスを行うのであって,傀儡政権ではないことを確
認しました。憲法制定会議は,一つの政党ではありません。また複数政党の戦
線でもなく、これは、多くの貧困と独裁政治、長い戦争と、最後には占領に取
って代わられた禁輸処置の後、イラクの政治生活に初めて生まれるはずの基礎
的な議会なのです。この会議を支持する署名運動が現在、全国で行われてお
り、この憲法制定議会設立への要望を国際機関に提出し、イラク人の意志を考
慮するように、また憲法制定会議実現を支援するように要請する予定です。多
くの民衆的運動は、私たちのオルタナティヴな提案を支持するでしょう。
私たちは、イラクの領土における自衛隊のプレザンスは戦争行為にあたること
を、またこのプレザンスは占領に加担している行為であるとはっきり言いまし
ょう。それは、昨年派遣され,現在駐留し、これから、派遣延長することを考
えている現時点において、明らかなことです。暴力行為や、侵略行為、攻撃や
虐殺をしていないとしても、このプレザンスの意味は一向に変わりません。と
いうのも、自衛隊が何の攻撃を受けないと保障するものは,何もないからで
す。自衛隊が配置されている地方が,いつ何時、攻撃が発生するかも分から
ず,もしそれが起これば、自衛隊は余儀なくその動きに関与せざるを得なくな
るからです。いずれにせよ、イラクにおける皆さんの国の軍事的プレザンスの
せいで、日本がイラクに敵意を抱いていると解釈されているのです。日本の民
間人は、彼らが政府と関係有る無しに関わらず、時には政府に反対の立場であ
ろうが、拉致され、幽閉され、時には殺されるといったように、イラク人から
敵意を持って扱われています。私たちは、常に、これらの行為を厳格に非難
し、拒否してきました。残念ながら、私たちCONDIは,いつもこれらの日本の
民間人をすべて救い出すことがきませんでした。彼らの苦しみと彼らの喪失は
悲劇であります。イラクにおける日本の軍事的プレザンスとそれを決定した日
本政府に責任がありますが、しかし、これらの犯罪の重みは、イラク人民の肩
に、我々イラク人の意識にのしかかってきており、私たちは二重に苦しむので
す。すなわち、占領行為とその行為がもたらすいくつかの結果です。日本の兵
士たちが,宿営地に隔離されて何もしていないのなら、なぜ,そこにいるので
しょうか。アメリカ政権を喜ばすためなのでしょうか。日本はそれほどまで
に、アメリカに服従しているのでしょうか。イラク社会にたいして、人道支援
をおこなうために、私たちに報道されているように、水道工事や病院や学校建
設をしつつあるというのでしょうか。もしそうなら、軍隊である必要性はあり
ません。2003年12月,私がCONDIのスポークスマンとして日本を訪れたとき、
日本政府に提案したように、友情と連帯に基づいた日本の民間のプレザンスこ
そが、必要なのです。
今、日本の軍隊はイラクから立ち去るべきです。自衛隊の派遣期間の更新をし
てはなりません。
(イラク民主的国民潮流)